『離島発生き残るための10の戦略』
山内道雄:『離島発生き残るための10の戦略 』、生活人新書、2007年初版
戦後の工業化、商業資本の台頭、そして近年では「三位一体の構造改革」に「平成の大合併」と都市部以外の地域は荒波のなかで揉まれ、翻弄されている。
本書は、島根県海士町の現役町長の奮闘の記録であり、これからの強い意思表明の書である。
川場村は東京都の世田谷区と相互協定を結んでいるが、島根県の県民人口は、その世田谷区の区民人口より少ない。そしてその島根県のなかでもとびきりの零細自治体であった海士町に元気を取り戻しつつある町長の、実体験に基づいた「戦略」が紹介されている。
「森林(やま)」というとき、森林そのものに加え、生活と生産が森林と密接な関係を持ってきた山村までをその範疇に含めて考えなければならない。
私たちの「森林づくり」の場である川場村も山村である。最近になってやっと「過疎山村」の指定からは外れたが、まだまだ厳しい条件下にある。
上越新幹線や関越自動車道も利用可能で、東京からの日帰り圏にある川場村に比べ、遙かに厳しい条件下にあるにも関わらず、遙かにアグレッシブに地域振興を実践しつつある海士町の記録には多くの示唆が含まれている。
川場村長は本書をご存じだろうか。
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コメント
Berryさん
またまたご訪問とコメントありがとうございます!
なるほど!「戦略」を「戦いを略す」と読む!
大切な発想ですね!
そのためには最大限の努力を惜しまないことが重要になってきそうです。
村興し、森林づくりも同じですね!
投稿: じゅくちょー | 2007年6月22日 (金) 12時32分
私、最近まで、「戦略」というのを、
戦うための方法だと。勝手に思っていました。
でも、読んで字のごとく、戦いを略すための
方法なんですよね~(´=Д=`;A)
戦うことよりももっと、頭を使って
策を練り、戦いを防ぐ事が、人間の持つ能力の一つだと、思いたいですね。
投稿: Berry | 2007年6月22日 (金) 10時39分