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2007年6月の50件の記事

2007年6月30日 (土)

カブトムシ

20070630kabutomusi

子どもたちに大人気の虫だ。いや、子どもばかりではない、カブトムシを見つけると、子どもにかこつけてはいるが、黒光りする体躯、立派な角に大人だって目を輝かせる。

成虫は7月頃に羽化すると、まもなくパートナーを見つけ、堆肥や林内の腐植土に産卵する。8月から9月にかけて孵化、翌年の5~6月頃まで幼虫になり、その後、蛹になるという生活史を過ごす。雄の成虫は2~3週間、雌でも4週間ほどで命を終える。彼らがその一生の殆どを幼虫として過ごすことに意識が及ぶことは少ない。

光合成を行う植物は、太陽の光を利用して無機物から有機物を生み出し、あらゆる生物に供給する。そのため自然の生態系の中では「生産者」と呼ばれる。そして、植物が利用する無機物は、様々なものに由来するが、その多くは、生物の死体や排泄物などの有機物である。これらの有機物を、植物が利用可能な無機物にまで分解する過程にも多くの生物が関与する。

カブトムシの幼虫も「分解者」だ。飼育下の観察例では、一匹の幼虫が蛹になるまでにどんぶり三杯以上の腐植を食べ、大量の糞をする。土をつくるという重要な役割を果たしていることになる。
一般には針葉樹の腐植は幼虫の成育に向かないとされているが、川場村ではスギのバーク(樹皮)堆肥に大量に発生している。

20070630 NIKON D80 105MICRO

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ホソバテンナンショウ

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2007年5月18日 ヒロイド原
NIKON D80 105MICRO

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2007年6月29日 (金)

『環境問題とは何か』

20070629kankyoumonndaitohananika 富山和子:『環境問題とは何か 』、PHP新書、2001年初版

「水」を中心に据えた著者のライフワークの集大成ともいえる一冊だ。
自然保護問題と農林業問題という、ともすれば相反する問題として捉えられがちな両者が「水」というキーワードで結ぶことで同根のものとして整理されている。

「林業=自然破壊」といった単純な、そしてヒステリックな論調は、最近になってようやくなりを潜めたものの、木材生産を偏重する論調と、軽視する論調とがバランスをとるに至っていないのが、残念ながらわが国の現状だろう。

「活発な林業生産が健全な森林をつくる」というような、楽観的予定調和論は、森林を高木の群生地としてしか見なさない貧しい認識のうえに成り立っている。
一方で、農林業を軽視する論調は、人間を環境形成の主体として見なすことができない偏った認識の上に成り立っている。
とはいえ、これら両論のバランスがとれた着地点を探すのはなかなかに骨の折れる仕事であることも確かなことだ。

これからの森林づくりに当たって大いに参考になる一冊だ。

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秋と春の合作?

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ちょうどひと月ほど前のことだ。

ヒロイド原のカブトの森をのんびり散歩をしていると、不思議な光景に出逢った。
1m四方ほどのスペースにスギナが群生していた。
よく見ると、多くのスギナがコナラの落葉を串刺しにしている。
スギナが枯れ葉を突き破って生長したのかと思ったが、観察するとどうもそうではないようだ。
おそらく、昨年の夏に樹上に茂った青葉を虫が食べて穴を空け、その葉が冬を迎えて地面に落ち、春になってツクシが胞子を振りまいたのだろう。地面に振りまかれた胞子が気温と水分を得て芽を出したが、太陽の光はわずかに落葉に空いた穴から地面に差していたので、そこをめがけて生長を始めた結果、虫食いの穴から頂端を覗かせ、次第に落葉を持ち上げていったというのが事の真相だろう。

森林には驚きが沢山ある。

20070513 NIKON D80 105MICRO

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2007年6月28日 (木)

ムラサキツメクサ

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2007年6月13日 ヒロイド原
NIKON D80 105MICRO

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2007年6月27日 (水)

『おとなの自然塾』

20070626otonanosizennjuku ビーネイチャースクール:『おとなの自然塾 』、岩波アクティブ新書、2003年初版

自然を伝えることを仕事に選んだ13名の著者による好著だ。

平明で快活な文体で気安く読ませてくれる一冊だが、それぞれの著者が自然に対して持っている哲学が随所に滲み出している。
表題のとおり、おとなに向けた自然への誘いがテーマとはなっているが、こどもを対象とする活動にも様々なヒントをもらうことができる。

森林づくりを進めるうえで、最も大切なことは森林を理解することである。理解のためには森林に浸り、楽しむことが近道だ。

自然に向き合うことの楽しさ、自然を理解することの大切さを再認識させてくれる、気持ちの良い一冊だ。

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『気違い部落周游紀行』

20070626kitigaiburakushuuyuukikou きだみのる:『気違い部落周游紀行 』、冨山房、1981年初版

著者は本名の山田寅彦としても知られる明治後期から昭和にかけての碩学である。デュルケムの『社会学と哲学』やファーブルの『昆虫記』等、今日に至るまで日本人に大きな影響を与え続ける著作の翻訳を手がけたことでも知られている。

本書は、東京近郊の農村に著者が暮らしながら、心に刻んだ様々な事柄が独白の形で綴られている。差別用語とも受け取られかねない辛辣な用語を胸を張って表題に据えることができたのは著者が「部落」の当事者であり、けっして傍観者ではなかったからであるし、何より本書を通読すると、著者の「部落」に対する愛情を読み手までも共有することができ、爽快ですらある。

「森林(やま)」という言葉は、農村や山村をも含めて意識したい。
山村を考える際に、ついつい傍観者になりがちな我々に、その意識の貧困さを思い起こさせてくれる一冊である。

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2007年6月26日 (火)

ヤマブキ

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2007年5月12日 友好の森
NIKON D80 105MICRO

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モミジイチゴ

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2007年5月12日 友好の森
NIKON D80 105MICRO

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ヤブヘビイチゴ

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2007年5月13日 友好の森
NIKON D80 105MICRO

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スギ(雄花)

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2007年3月25日 ヒロイド原
NIKON D80 60MICRO

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2007年6月24日 (日)

シラフオナガヒメバチ

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将来、カブトムシやクワガタが沢山やってくるような雑木林を再現しようと思い、ヒロイド原の一画にコナラを中心とした広葉樹の林を作り始めた。密かに「カブトの森」と呼んでいる。
その林が植林後14年目を迎え、思惑どおりカブトムシをはじめとする様々な虫たちがやってくるようになった。
まだまだ若い木ばかりなので、これからも生物相は豊かに変化していくことだろう。

写真は今年の5月にカブトの森で出逢ったシラフオナガヒメバチというオナガバチの仲間だ。
体長は2cmほど、長いシッポまで入れて5cmほどのスレンダーなハチだ。

キバチという、成育中の樹木の内部を幼虫が食べるハチがいるが、オナガバチは長いシッポを樹木に射し込み、キバチの幼虫に卵を産み付ける。孵った幼虫はキバチの幼虫を食べて育つ。
キバチのような虫がいて、土ができる。土があるから樹木は生育できる。
けれども、キバチが大増殖すると樹木が無くなる。
オナガバチがキバチの頭数コントロールをしていることになる。

森林づくりの目標は人が力を貸すことなしに、生態系がうまく機能することにあると思っている。
様々な生物の存在がそれを可能にする。

20070513 NIKON D80 105MICRO

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アカマツ

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2007年5月18日 ヒロイド原
NIKON D80 105MICRO

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ノダフジ

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2007年5月18日 萩室地区
NIKON D80 105MICRO

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ハナイカダ

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2007年5月12日 友好の森
NIKON D80 105MICRO

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ミツガシワ

20070624mitugasiwa

2007年5月12日 ヒロイド原
NIKON D80 70-300VR

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サルトリイバラ

20070624sarutoriibara

2007年5月12日 友好の森
NIKON D80 105MICRO

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コナラ

200706224konara

2007年5月13日 ヒロイド原
NIKON D80 105MICRO

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チゴユリ

20070624tigoyuri

2007年5月12日 ヒロイド原
NIKON D80 105MICRO

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ニガイチゴ

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2007年5月12日 友好の森
NIKON D80 105MICRO

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2007年6月23日 (土)

『危険感受性をみがく』

20070623kikennkannjuseiwomigaku_1 中村昌弘:『危険感受性をみがく―ライン管理者の実践ノウハウ 』、中央労働災害防止協会、2005年初版

林業は他産業に比べて、死に至ったり後遺障害を残すような重大事故の発生率が約6倍も高い。
仕事で林業に従事する場合と、市民活動では異なる点も当然様々あるが、長大な樹木を相手にし、足場の悪い傾斜地で活動すること等々、共通点も多い。
そして、この共通点のなかに「危険」という事実も含まれる。

川場での森林づくりは、20年あまりの間に大きな事故を起こさずに活動を続けることができた。しかし、慣れた頃に起こるのが事故である。慢心した者に降りかかるのが事故である。

本書は、鉄鋼・製鉄業界において長年安全管理にたずさわってきた著者の経験をもとに編まれている。書名のとおり、配慮や心構えといった面を中心に説得力のある記述が続く。

森林づくりの継続のためには、「楽しさ」「やりがい」と並んで、「安全」を欠かすことはできない。
他産業・他分野の経験や工夫に学ぶことが必要だ。

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ムラサキサギゴケ

20070623murasakigoke

2007年5月18日 萩室地区
NIKON D80 105MICRO

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ムラサキケマン

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2007年5月13日 友好の森
NIKON D80 105MICRO

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キブシ

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2007年5月12日 友好の森
NIKON D80 105MICRO

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2007年6月22日 (金)

フデリンドウ

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2007年5月18日 ヒロイド原
NIKON D80 105MICRO

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ヤマツツジ

20070622yamatutuji

2007年5月18日 ヒロイド原
NIKON D80 70-300

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タチツボスミレ

20070622tatitubosumire

2007年5月12日 ヒロイド原
NIKON D80 105MICRO

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オオタチツボスミレ

20070622ootatitubosumire

2007年5月12日 ヒロイド原
NIKON D80 105MICRO

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アケビ(雌花)

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2007年5月12日 友好の森
NIKON D80 105MICRO

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アケビ(雄花)

20070622akebi

2007年5月12日 友好の森
NIKON D80 105MICRO

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2007年6月21日 (木)

『水と緑と土』

20070621mizutomidoritotuti 富山和子:『水と緑と土―伝統を捨てた社会の行方 』、中公新書、1974年初版

学生時代にこの本に出逢った。
森林から蛇口までをこんなに見事に繋いでくれたのは、この本が初めてだった。
森林の滋味を豊かに含んだ河川の水が、洪水によって農地一面を浸し、農耕によって痩せた土地に再び活力を与える。この「洪水農法」に依拠した農の営みと、そのための地域形成を知ったのもこの本からだ。

「水」と「緑」と「土」が物的な恩恵ばかりではなく、地域地域の風土を育み、文化を育てるものであることを、感覚的にも理論的にも教えてくれた一冊だ。

近年になってこそ、「上下流の連携」「流域林業」等々を大切にする気運が生じているが、この本が上梓された当時に、こうした考えに至っていた者はごく限られていた。

森林づくりを進めていると、なぜ森林を守るのか、なぜ山村を振興するのか、といったことに迷いが生じることがある。
森林づくりの原点に立ち返るために絶好の一冊だ。

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ヤブキリ

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一ヶ月ほど前のヒロイド原にはカントウタンポポが咲き誇っていた。
昨年まではこれほど多くのタンポポをみることはなかったように思う。
多くの人々が森林づくりのためにヒロイド原を訪れた結果だろうか。
人間の行動は良くも悪くも地域の生態系に影響を与える。
そして、生態系の変化は景観の違いとなってわれわれの目に映る。
こうした変化を攪乱と捉えるべきなのか、あるいはゆっくりとした人為の影響は良しと考えるべきなのか。悩むところである。

写真は5月12日。ヤブキリの幼虫が様々な花に取り付いて花粉や花弁を食べていた。
ヤブキリは成虫になると主な住処を樹上に移し、それとともに食性も変化させ他の昆虫を食べるようになる。
樹林地と草原がモザイク状に配された環境で出逢う昆虫だ。

食べる端から糞をしているが、花粉と同じ色の糞をしている。よほど燃費が悪いのか。

20070512 NIKON D80 105MICRO

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2007年6月20日 (水)

『離島発生き残るための10の戦略』

20070620ritouhatuikinokorutameno10nosenn 山内道雄:『離島発生き残るための10の戦略 』、生活人新書、2007年初版

戦後の工業化、商業資本の台頭、そして近年では「三位一体の構造改革」に「平成の大合併」と都市部以外の地域は荒波のなかで揉まれ、翻弄されている。

本書は、島根県海士町の現役町長の奮闘の記録であり、これからの強い意思表明の書である。
川場村は東京都の世田谷区と相互協定を結んでいるが、島根県の県民人口は、その世田谷区の区民人口より少ない。そしてその島根県のなかでもとびきりの零細自治体であった海士町に元気を取り戻しつつある町長の、実体験に基づいた「戦略」が紹介されている。

「森林(やま)」というとき、森林そのものに加え、生活と生産が森林と密接な関係を持ってきた山村までをその範疇に含めて考えなければならない。
私たちの「森林づくり」の場である川場村も山村である。最近になってやっと「過疎山村」の指定からは外れたが、まだまだ厳しい条件下にある。

上越新幹線や関越自動車道も利用可能で、東京からの日帰り圏にある川場村に比べ、遙かに厳しい条件下にあるにも関わらず、遙かにアグレッシブに地域振興を実践しつつある海士町の記録には多くの示唆が含まれている。

川場村長は本書をご存じだろうか。

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2007年6月19日 (火)

『水の道具誌』

20070619mizunodougusi 山口昌伴:『水の道具誌 』、岩波新書、2006年初版

水の重要性については今さら言うまでもない。

わが国における林業の発達も水と深い関係を持ってきた。
森林を育むのも水ならば、伐採された原木を使用される土地まで運ぶのにも水が利用された。水を貯蔵し、運ぶことを目的に樽が生み出され、樽を作るために造林技術と木材加工技術に磨きがかけられた。

本書は、水を楽しみ、活かす知恵の結晶としての「道具」にスポットライトを当てた一冊だ。

如露、金魚鉢、和傘、手拭い、雑巾、砥石、井戸、水甕、盥、霧吹き、洗濯板、などなど。なるほど、云われてみれば「水の道具」である。
著者のしなやかな発想が、水をもう一度見つめる機会を与えてくれる。

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『昆虫の食草・食樹ハンドブック』

20070619konntyuunoshokusoushokuju 森上信夫・林将之:『昆虫の食草・食樹ハンドブック 』、文一総合出版、2007初版

植物をおぼえるのが、実は苦手だ。
しかし、森林づくりに関わっていて、植物のことは知らないでは済まされない。

本書は書名のとおり、昆虫とその餌となる植物の組み合わせを紹介したユニークな一冊だ。薄手のハンドブックなので多くの種を網羅しているわけではないが、それがまた使い勝手がよい。
昆虫も植物もポピュラーな種を中心に平易な解説が、とても綺麗な写真とともになされている。

森林づくりは、森林を構成する様々な要素のつながりあい、関わりあいを維持・復元する仕事だ。
本書のように、組み合わせに注目した書籍が世に出ることが嬉しいし、こうした書籍の出版を企画する気持ちを持った人がいることがまた嬉しい。

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ヒメアシナガコガネ

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梅雨入り直前のヒロイド原は、春から夏へと徐々に衣替えを始めていた。
植林してから13年ほどになるコナラの林も新緑に覆われていた。
ひと月ほど前には、やっと新葉を展開し始めたコナラもずいぶんとしっかりした葉を茂らせ始めた。根からも活発に水分を吸い上げ始めているようで、樹液を吸う春ゼミの声がうるさいほどであった。

明るい林床に目をやると、草の葉に小さなコガネムシがとまっていた。
後足の爪が長く、遠目に見ると足全体が長いように見えることから、ヒメアシナガコガネという名が付いている。8月頃の夏の盛りには成虫は姿を消す。春から夏へと移ろう季節の虫だ。
成虫は花粉を、幼虫は植物の根を食べる。

20070613 NIKON D80 105MICRO

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2007年6月17日 (日)

ミヤマセセリ

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ミヤマセセリは春の蝶だ。
成虫は雪解け後早々に姿を現し、梅雨前には姿を消す。
写真の個体には5月12日にヒロイド原で出逢った。
外敵に襲われたのか、雌を争って他の個体と戦ったのか、羽が傷ついている。
短い一生をそろそろ終える時期にさしかかっている。

ヒロイド原にコナラの植栽を始めてから10年以上の歳月が流れ、それとともに生物相が豊かになってきたように思う。
近年になって、これまでに見ることがなかった虫や花を目にすることが増えてきた。

本種も、幼虫時代にはコナラなどの葉を食草としているので、ヒロイド原に定着しつつあるのだろう。

20070512 NIKON D80 105MICRO

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ウスモンオトシブミ

20070616usumonnotosibumi

森林づくりに大切なことがある。作業適期を選ぶということだ。
植林、下刈り、枝打ち、伐採、それぞれに適期がある。
もちろん、作業を行うのは人間だから、人間の都合も作業時期を決めるうえでは大切な要素だが、生き物である樹木の生理を無視しては何もできない。
そして、作業適期は全国一律に、何月になったら間伐可能、などという単純なものではない。その土地土地で適期は異なるし、作業の対象となる樹種によっても異なる。
では、物言わぬ樹木の生理をどのようにして見抜くのかというと、周辺の環境変化に注目することだ。虫の活動や草木の開花などが良い指標となる。

オトシブミの仲間は、木の葉を巻いて幼虫のゆりかごを作る。小さな体で、自分の何十倍もの大きさの葉を器用に巻く。夏が近づくにつれて葉は堅くなり、おそらくオトシブミには巻くことができなくなってしまうのだろう。春に芽生えたまだ柔らかな葉がゆりかごづくりに使われる。

常緑広葉樹の植栽は夏期が良いとされるが、オトシブミが葉を巻く季節は、樹木も盛んに新しい根を伸ばす時期なので、避けた方がよい。常緑広葉樹の植栽は梅雨入りを待った方がよい。

20070513 NIKON D80 105MICRO

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2007年6月16日 (土)

『社会的共通資本』

20070615shakaitekikyoutuusihonn_2 宇沢弘文:『社会的共通資本』、岩波新書、2000年初版

著名な経済学者である著書は、都市・金融・自動車・教育・農業・地球環境等々に共通点を見いだしている。
これらは、手を触れることのできる存在であったり、眼に見ることのできない制度であったり、人間の営みであったりと一様ではない。森林や林業もこれらと共通点を持つ。

その共通点とは社会を存立させる基盤として機能している何かであるという点だ。こうした存在を著者は「社会的共通資本」として認識することの重要性を説いている。

わが国を含む多くの国々が自由経済を基本とする資本主義体制の国家であり、それゆえに様々な恩恵をわれわれは享受してきた。一方で、現在の社会は様々な矛盾や問題点を抱え込んでいる。福祉・教育・健康・自然環境などを軽視することで生まれる荒廃や混乱である。これらはいずれも経済行為になじまない諸々である。
こうした現代社会が抱える多くの問題の解決のためには、経済行為になじむものにも、なじまぬものにも、価値を認める社会が求められる。

森林はなぜ守らなくてはならないのだろう。
農林業はなぜ必要なのだろう。

そんな問いに対する解答を提示してくれる一冊だ。

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2007年6月15日 (金)

『樹皮ハンドブック』

20070615juhihanndobukku 林将之:『樹皮ハンドブック 』、文一総合出版、2006年初版

文一総合出版は、この数年、新書版のユニークな図鑑の出版を精力的に行っている。
本書もその一冊である。

わが国に分布する多くの樹種を、書名のとおり樹皮を手掛かりに整理・紹介している。それぞれについて、幼木・成木・老木の樹皮を写真ともに提示するとともに、葉も掲載されているため森林づくりの現場での樹種同定に一役買う。

森林に出かけられずに家で悶々としているときに眺めているのも楽しいつくりになっており、図鑑の域を超えて楽しめもする一冊だ。

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2007年6月13日 (水)

『農業は人類の原罪である』

20070613nougyouhajinnruinogennzaidearu コリン・タッジ:『農業は人類の原罪である 』、新潮社、2002年初版

「農業」は命を慈しみ育てる仕事として表現されることが多いが、農業の核をなすべき「農」という営みの本質は生命を奪うことにあると思っている。
もう少し丁寧にいえば、人間が他の生命を利用するために育て、そして屠る行為だといえる。なぜなら、慈しみ育てるだけであるのなら、それは盆栽を仕立てたり、ペットを愛玩するのと何ら変わらないからだ。
「農」という営みにおいて行われる生命を奪う行為は、もちろん、殺戮や虐殺とは全く異相の行為である。
他の生物の命を奪う尊い行為に従事してきたからこそ、農民は豊かな思想と文化の担い手ともなり得た。

「農」という営みを、他者との交換を目的として行うことを「農業」と呼ぶ。「農民」が「農業者」となり、「農学」が「農業学」に矮小化され、「農政」が「農業政策」に偏倚する過程が、大きな問題を生み出してきた。

林業の場合はいかがだろうか。

ショッキングなタイトルを持つ本書は、われわれの森林づくりに深みを与えてくれた。

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2007年6月12日 (火)

『昆虫の世界へようこそ』

20070612konntyuunosekaiheyoukoso 海野和男:『昆虫の世界へようこそ 』、筑摩書房、2004年初版

昆虫写真家の著者による好著だ。
とても綺麗で躍動感のある写真が満載のフルカラーの新書。
文の内容も昆虫の世界が活写されているうえに写真集のようにも楽しめる一冊だ。

もし宇宙人がいて、地球を説明するとしたら、昆虫の惑星として語るだろう。それほどに地球上には昆虫が多い。

当然のことだが、森林をまもり育てるためには、樹木にだけ注目をすることはできない。樹木以外の多くの生物、そして非生物をも視野に入れなければならない。
多様な昆虫が生息できるような森林づくりを進める必要がある。

マクロレンズや超広角レンズで迫った昆虫の世界をかいま見ることは、新鮮な驚きに満ちている。虫マニアならずとも、きっと昆虫に興味をもつきっかけを見つけることができるだろう。
肩肘張らずに楽しんで読むことができ、けれども様々なことを考えさせてもらえる一冊だ。

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上を向いて歩こう(1)

20070612uewomuitearukou

やま路を歩いていると、都会の舗装路と違って足もとが不安なものだから、ついつい下を向いて黙々と歩きがちだ。すると、スギやヒノキの人工林からコナラやカエデが繁茂する雑木林へ、そしてカラマツ林へと歩みを進めても林相の変化には気づきにくいものだ。

洞(うろ)をもつ老木があったり、樹皮の模様や色が特徴的であったり、樹木は様々な顔を見せてくれる。そして、時々空を見上げてみるのも良い。
木々の枝葉をとおした空の景色も驚くほど多彩な顔を見せる。

写真は5月中旬の森の村近辺の雑木林。
他の樹木は未だ小さな葉しか出していないがカエデは既に葉を茂らせている。

20070512 NIKON D80 SIGMA10-20

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2007年6月10日 (日)

ベニシジミ

20070610benisijimi

かつてヒロイド原は家畜のための採草地や養蚕のための桑畑として利用されてきた。
「友好の森」が設置されてからはコナラなどの植林を行い、雑木林の生態系と景観を取り戻そうとしてきた。
「友好の森」が設置されたのが、今から15年前の1992年のことだから、まだまだ樹木の背も低い。そのため、現在は草原とまだ若い雑木林が入り組んだような景色が広がっている。

写真は5月12日。
現在のヒロイド原はお花畑のようだが、一ヶ月前はまだ枯れ葉色の草原だった。
わずかに咲くヒメオドリコソウやホトケノザなどの花の間を鮮烈なオレンジ色の蝶が飛び回っていた。
ベニシジミが飛び始めると、いよいよ春本番だ。

20070512 NIKON D80 28-200

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2007年6月 9日 (土)

『森林バイオマス最前線』

20070609sinnrinnbaiomasusaizennsenn 大場龍夫:『森林バイオマス最前線 』、全国林業改良普及協会、2005年初版

現在、「バイオマス」という考え方に注目が集まっている。日本語では「生物総量」とか「生体総量」といわれる。
様々な試算がされているが、数十年かかって育った樹木を、もし木材としてしか利用しないとすると樹木全体の半量にも満たない部分しか利用しないということになる。

目前に控えた化石燃料の枯渇への対処、エネルギーの生産と利用に伴う廃棄物の発生、未利用資源の有効活用とそれによる産業振興、等々様々な点で期待が寄せられている。真剣に取り組むべき課題だろう。

ただし、現在の狂乱ぶりには若干の危惧を抱かざるを得ない。
森林を構成する要素は樹木だけではない。多種多様な生物や、土壌、空気に至るまで多くの要素が有機的につながりあう環境を森林という。
樹木が森林の成立に果たす役割を考えたとき、樹木を余さず人間が使おうとする発想には多くの問題点が含まれている。

どのようなプランにも、必ず正負両面がある。
現状をきちんと見据えた上で判断をしていきたい。

林野庁を始め、各種の官公庁も注目する「バイオマス」だけに、今後の森林保全に強い影響をもつはずだ。
バイオマス利用の現状について概観するのによい一冊。

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ハンミョウ

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川場村での森林づくりは、「友好の森」と名付けられた約80haの森林を中心に行われてきた。この友好の森の中心部に「森の村」という宿泊施設がある。
「森の村」は森林づくりに訪れる人々が宿泊をしたり、地元の人々との交流をはかったりするために建設された施設だ。

不思議なことにこの「森の村」付近にハンミョウが多い。
ハンミョウは純肉食のどう猛な甲虫だ。
大きなあごで他の昆虫を捕獲する。
獲物となる昆虫にはその存在をなるべく知られない方が都合が良さそうなものだが、写真のような派手なまだら模様をしている。
まだら模様で猫のように狩りがうまいことから「斑猫」という名が付いた。

写真は交尾中の雌雄だが、雄は強大な大あごで雌をがっちりと捕まえている。

20070512 NIKON D80 105MICRO

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2007年6月 8日 (金)

『市民の森林づくり』

20070608siminnnoyamadukuri 東京農業大学森林政策学研究室:『市民の森林(やま)づくり―川場村 友好の森 発 』、東京農業大学出版会、2005年初版

川場の森林づくりから一冊の本が生まれた。

どうして林業関係者ではない一般市民が森林の保全や管理に関わるのか。
その際に気をつけなければならないのはどのようなことなのか。森林づくりに必要な服装や道具はどのようなものが必要なのか。
植林から下刈り、間伐、枝打ちと、一年間をとおした林業作業の手順や技術の解説など、盛りだくさんな一冊。

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『杉のきた道』

20070608suginokitamiti 遠山富太郎:『杉のきた道』、中公新書、1976年初版

日本の森林を考える際に、林業を忘れることはできない。そして、日本の林業といったらやはりスギである。

のこぎりという道具が庶民にも利用されるようになったのは江戸時代後期のことである。当然のことながらのこぎりが活用されるようになる以前から日本人は木材を利用してきた。

巨木を用に供することが可能な形とサイズに加工するのは至難の業であったので、割裂性の高いスギは非常に便利な素材であったわけだ。

それまで遷都を繰り返してきた都が、一所に落ち着くことができるようになったのも、スギを用いた樽や桶の制作が可能になったことによって、液体を運ぶことができるようになり、屎尿の処理や食糧の確保の幅が格段に拡大したことによる。

また、登呂遺跡の発掘現場からもスギ板が沢山発見されたという。このスギ板の利用によって用水路の建設が可能になり、農業生産が可能となり、大集落の存在を可能とした。

現在に至っても、やはり日本林業の中心はスギである。

本書はそんなことを教えてくれた一冊だ。

森林づくりを考え、行動に移すとき、われわれ日本人とスギの深く長い関係に思いを馳せるのも大切なことだ。

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コアオハナムグリ

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川場村での森林づくりの拠点になっている宿泊施設「なかのビレジ」から緩やかな坂道をのんびりと10分ほど上っていくと「ヒロイド原」に出る。
村の古い文献などを見るとどこを掘っても水が出るということから「広い井戸」という名が付いたのが地名の由来のようだ。

5月のヒロイド原はまるで花畑のようになっている。
ヒメジョオンやカントウタンポポ、オオイヌノフグリやヒメオドリコソウ。
さまざまな花が咲き乱れている。

ふと見るとずいぶんと多くの花にコアオハナムグリがとりついて盛んに花粉を食べていた。

20070513 NIKON D80 105MICRO

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2007年6月 7日 (木)

はじめまして!

20070606konara_1

はじめまして!

このブログは森林(やま)好きの皆さんに向けて発信していきます。

お仕事で林業に関わっていらっしゃる方や、森林の中で遊ぶのが大好きな人、森林や林業について勉強中の人、森林保全の活動に何らかの形で関わっている方、そんな方々に聞いてもらいたい話を思いつくままに掲載していきたいと思っています。

私が群馬県の川場村での森林づくりに関わってきたなかで気がつかせてもらった様々なことをお伝えしたいと思っています。

どうぞよろしくお願いします!

20070512 NIKOND80 SIGMA10-20 

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