« 秋と春の合作? | トップページ | ホソバテンナンショウ »

2007年6月29日 (金)

『環境問題とは何か』

20070629kankyoumonndaitohananika 富山和子:『環境問題とは何か 』、PHP新書、2001年初版

「水」を中心に据えた著者のライフワークの集大成ともいえる一冊だ。
自然保護問題と農林業問題という、ともすれば相反する問題として捉えられがちな両者が「水」というキーワードで結ぶことで同根のものとして整理されている。

「林業=自然破壊」といった単純な、そしてヒステリックな論調は、最近になってようやくなりを潜めたものの、木材生産を偏重する論調と、軽視する論調とがバランスをとるに至っていないのが、残念ながらわが国の現状だろう。

「活発な林業生産が健全な森林をつくる」というような、楽観的予定調和論は、森林を高木の群生地としてしか見なさない貧しい認識のうえに成り立っている。
一方で、農林業を軽視する論調は、人間を環境形成の主体として見なすことができない偏った認識の上に成り立っている。
とはいえ、これら両論のバランスがとれた着地点を探すのはなかなかに骨の折れる仕事であることも確かなことだ。

これからの森林づくりに当たって大いに参考になる一冊だ。

|

« 秋と春の合作? | トップページ | ホソバテンナンショウ »

森林づくりお薦めの一冊(新書)」カテゴリの記事

コメント

you2taguchiさん

ブログをご訪問いただきありがとうございます。
本当に富山和子さんのご著書からは沢山の示唆を戴くことができますね。
富山さんのような共時的・経時的に広い視野をもった方はなかなかいらっしゃらないように思います。

投稿: くま | 2007年8月25日 (土) 22時10分

富山さんの本には、感銘しました。私たち日本人が忘れてはいけないことを学ばせて頂きました。

投稿: you2taguchi | 2007年8月25日 (土) 09時41分

この記事へのコメントは終了しました。

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 『環境問題とは何か』:

« 秋と春の合作? | トップページ | ホソバテンナンショウ »