『危険感受性をみがく』
中村昌弘:『危険感受性をみがく―ライン管理者の実践ノウハウ 』、中央労働災害防止協会、2005年初版
林業は他産業に比べて、死に至ったり後遺障害を残すような重大事故の発生率が約6倍も高い。
仕事で林業に従事する場合と、市民活動では異なる点も当然様々あるが、長大な樹木を相手にし、足場の悪い傾斜地で活動すること等々、共通点も多い。
そして、この共通点のなかに「危険」という事実も含まれる。
川場での森林づくりは、20年あまりの間に大きな事故を起こさずに活動を続けることができた。しかし、慣れた頃に起こるのが事故である。慢心した者に降りかかるのが事故である。
本書は、鉄鋼・製鉄業界において長年安全管理にたずさわってきた著者の経験をもとに編まれている。書名のとおり、配慮や心構えといった面を中心に説得力のある記述が続く。
森林づくりの継続のためには、「楽しさ」「やりがい」と並んで、「安全」を欠かすことはできない。
他産業・他分野の経験や工夫に学ぶことが必要だ。
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