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2007年6月 8日 (金)

『杉のきた道』

20070608suginokitamiti 遠山富太郎:『杉のきた道』、中公新書、1976年初版

日本の森林を考える際に、林業を忘れることはできない。そして、日本の林業といったらやはりスギである。

のこぎりという道具が庶民にも利用されるようになったのは江戸時代後期のことである。当然のことながらのこぎりが活用されるようになる以前から日本人は木材を利用してきた。

巨木を用に供することが可能な形とサイズに加工するのは至難の業であったので、割裂性の高いスギは非常に便利な素材であったわけだ。

それまで遷都を繰り返してきた都が、一所に落ち着くことができるようになったのも、スギを用いた樽や桶の制作が可能になったことによって、液体を運ぶことができるようになり、屎尿の処理や食糧の確保の幅が格段に拡大したことによる。

また、登呂遺跡の発掘現場からもスギ板が沢山発見されたという。このスギ板の利用によって用水路の建設が可能になり、農業生産が可能となり、大集落の存在を可能とした。

現在に至っても、やはり日本林業の中心はスギである。

本書はそんなことを教えてくれた一冊だ。

森林づくりを考え、行動に移すとき、われわれ日本人とスギの深く長い関係に思いを馳せるのも大切なことだ。

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森林づくりお薦めの一冊(新書)」カテゴリの記事

コメント

カイさん

ご訪問ありがとうございます。
森林(やま)づくりに関連すると私が思った本などを紹介していきたいと思っています。
是非また覗いてみてください!

投稿: じゅくちょー | 2007年6月12日 (火) 08時13分

こんにちは!

本の紹介を見てびっくりしました。読もうかな、と気にとめていた本です。正に!!

思わずコメントしてしまいました。

これからブログ見させてもらいます☆

投稿: カイ | 2007年6月11日 (月) 22時56分

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