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2007年6月21日 (木)

『水と緑と土』

20070621mizutomidoritotuti 富山和子:『水と緑と土―伝統を捨てた社会の行方 』、中公新書、1974年初版

学生時代にこの本に出逢った。
森林から蛇口までをこんなに見事に繋いでくれたのは、この本が初めてだった。
森林の滋味を豊かに含んだ河川の水が、洪水によって農地一面を浸し、農耕によって痩せた土地に再び活力を与える。この「洪水農法」に依拠した農の営みと、そのための地域形成を知ったのもこの本からだ。

「水」と「緑」と「土」が物的な恩恵ばかりではなく、地域地域の風土を育み、文化を育てるものであることを、感覚的にも理論的にも教えてくれた一冊だ。

近年になってこそ、「上下流の連携」「流域林業」等々を大切にする気運が生じているが、この本が上梓された当時に、こうした考えに至っていた者はごく限られていた。

森林づくりを進めていると、なぜ森林を守るのか、なぜ山村を振興するのか、といったことに迷いが生じることがある。
森林づくりの原点に立ち返るために絶好の一冊だ。

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