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2007年7月 8日 (日)

『自分たちで生命を守った村』

20070707jibunntatideinotiwosukuttamura_1 菊地武雄:『自分たちで生命を守った村』、岩波新書、1968年初版

岩手県沢内村は国内でも有数の豪雪地である。
奥羽山脈の裾野に位置するこの村は、1960年代に至っても、11月の中旬から翌5月初旬まで、積雪によって陸の孤島と化していた。
こうした環境下では農業生産もままならず、村民の生活は絶対的な貧困下にあった。
当然、村の財政も逼迫し、医師を招聘することもできなかったため、都市部であれば怖れるほどのこともない病気でさえも村民の命を奪っていった。とくに老人や乳幼児の死亡率は驚くほどの高さであった。

さらに、こうした中にあって、いやこうした中にあったからこそ村民たちの心は諦念感に支配され、村の有力者達はつまらぬ政争に明け暮れるという漆黒の中にこの村はあった。

本書は、こうした絶望的な状況からの脱却を図った一人の村長による村の再生の記録である。

相次ぐ戦禍、戦後の復興、高度経済成長と、日本は一貫して農山村を蹂躙し続けた。
農山村の復興とは、地域振興とは何をなすことであろうか。
この問題に正面から取り組まぬ限り、森林づくりも都市住民のレジャーに終わることだろう。

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