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2007年7月21日 (土)

『歴史探索の手法』

20070721rekisitannsakunoshuhou 福田アジオ:『歴史探索の手法―岩船地蔵を追って 』、ちくま新書、2006年初版

川場村の各所には、数多くの道祖神が点在する。
かつて真田の領地だったことも関係しているのか、隠れキリシタンの里でもあったようだ。正面から見るとごく普通の観音菩薩像だが、横から見るとマリア像に見えるものなども散見される。
かつて多くの農山村がそうであったように、川場村の農業は多品目少量生産で市場競争力の低いものであった。そこに養蚕が導入され村内の主力生産物となった。さらにその後も、コンニャク栽培や、近年では観光とセットになったリンゴ生産、ブルーベリー生産など、意識の高い農家によって持続的な農業生産が工夫されてきた。
こうした、農業生産の歴史と数多くの道祖神の存在は無関係なのだろうか。
川場村の林業は、これも他の林業地域と同様に農家によって進められてきた。
もし、道祖神の存在と農業生産が密接に関係するものであれば、道祖神と林業の間にも関連性があることとなる。

森林づくりは地域性の豊かな仕事である。
地域の文化を知ることなしに、地域に根ざす森林づくりを進めることはできない。

本書では、著名な民俗学者である著者が、民俗学の手法を用いて地域文化の考証を進めることの限界を潔く認め、民俗学と歴史学の双方の手法を用いて立体的に地域文化を読み解いていく。

川場の森林づくりにとても大きな示唆を与えてくれる一冊だ。

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