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2007年8月31日 (金)

『自然保護という思想』

20070831sizennhogotoiusisou_3 沼田眞:『自然保護という思想』、岩波新書、1994年初版

著者は植物生態学の大家であり、わが国の自然保護活動や環境教育活動を常にリードし続けた碩学である。
日本自然保護協会の中核的なメンバーでもあり続け、日本環境教育学会の設立にも尽力し、ハンズオン型の博物館の草分けでもある千葉県立中央博物館の設立にもおいても中心人物であった。

本書では、そうした著者が自らの人生を回顧しながら「自然保護という思想」について俯瞰している。
「自然保護」から「環境保全」へとキーワードが変化する過程を簡明に整理し、そうした概念のシフトの功罪を明確に指摘している。

本書が上梓されてから既に10年以上が経過し、著者自身も世を去り、自然保護や環境教育もその姿を変えつつある。
およそあらゆる仕事がそうであるように、真っ白なキャンパスに絵を描くのではなく、既に先人たちが描いた絵に加筆修正を施す作業が必要である。社会のあり方に変革を促すような息の長い仕事については、とくにそうした作業を避けることはできない。

「自然保護」という思想・概念の辿ってきた歴史を知ることは、私たちの森林(やま)づくりにもしっかりとした柱を立てることになる。

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