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2007年9月28日 (金)

クスサン

20070928kususann_3

わが国最大の蛾であるヨナクニサンの近縁種。開長が20㎝を超えるヨナクニサンに比べれば、本種は遙かに小振りだが、それでも羽を広げれば大人の手のひらほどの大型の蛾だ。

クスサンは「樟蚕」。幼虫がクスノキの葉を食べることからこの名が付いた。成虫は、幼虫の食草に産卵のために寄りつくので、昔の人々には成虫もクスノキを好むと思われたのかもしれないが、成虫は口が退化しており食べ物を摂ることはない。

クスノキはクスノキ科の常緑広葉樹で、柱などの建築構造用材から仏壇仏具、盆や菓子器などの刳りものにまで広く利用される。現在でこそ、石油化学製品におされ利用はほとんどなくなったが、かつては、幹・根・枝葉を蒸留精製して樟脳を採取し、セルロイド・火薬・医薬品・防虫剤などにも広く使用した。

「蓼食う虫も好き好き」という言葉があるが、クスサンはさらにその上をいっている。なにせ防虫成分をもつ葉を食べるのだから。この悪食の幼虫は、他にもクリ・クヌギ・コナラ・サクラ・イチョウなど、広範にわたる樹木の葉を食べる。8cmにも及ぶ大型のイモムシで、青みがかった白い体を白く長い毛で覆い「しらがたろう」と呼ばれる。
蛹の繭も特徴的だ。山繭蛾の仲間だけあって、浅黄色の絹糸で、民芸品店に並ぶランプシェードのような手の込んだ繭を作ることから「すかしだわら」と呼ばれる。幼虫・蛹・成虫と三世代にわたって、それぞれに名を持つ程になじみの深い昆虫だ。

20060922 NIKON D80 60MICRO

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