トノサマバッタ
日本のバッタの仲間では一番大きな体をもち、ダイミョウバッタとも呼ばれる。
他のバッタに比べて高い飛翔力を持つうえに、人の気配に敏感で、そばに近よるのはなかなかむずかしい。図鑑やテレビでおなじみなので、子どもたちにも人気だが、実物を目の当たりにすると立派な体格にたじろぐ子どもも多い。
イネ科やカヤツリグサ科の植物の葉を好んで食べるが、餌が不足すると様々な植物の葉も食べる。普段の状態は「単生相」とよばれるが、個体密度が高くなると「群生相」と呼ばれる個体が発生する。
長距離飛行に適した長い羽、跳躍には不適な短い後足、頭や胸が大きいことの他、体色が暗褐色となることが「群生相」の特徴だ。大変な食欲で植物を食い尽くしながら大集団で長距離の移動をする。
本種をはじめ近縁種の「群生相」は、世界各地で時折猛威を振るう。中国やわが国でも「飛蝗」と呼ばれて恐れられている。
特定の生物が爆発的に増殖するケースはまま見られるが、要は自然界のバランスが崩れたときに見られる現象である。多様な生物が生息可能な環境を守ることが重要だ。
本来、空き地や河原など、開けた場所に生息するバッタなので、小石混じりの地面に生える草に似せた体色をしている。伐採跡地などで本種を頻繁に見かけるようだと、伐採面積が大きすぎて森林の生態を崩している可能性を疑う必要があるかもしれない。
20060808 NIKON D70 28-200
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