エダナナフシ
擬態をする生物は数多いが、エダナナフシはその筆頭だ。小枝のような体形でよほど注意しなければ見つけることはできない。
森林内には伸び始めの若枝から枯れかけの枝、完全に枯れてしまった枝など、様々な枝があるが、彼らの体色もそれらにあわせて、緑色、灰褐色、茶褐色と豊かなバリエーションを持っているから驚かされる。普段はあまり動かずにじっとしていることが多いが、いざ動くときにもゆらゆらと揺れながら動く。その動きはそよ風に揺れる小枝のようであり、たいした念の入れようだ。
都市部にも生息する珍しくない虫なのだが、見事な擬態が功を奏して人の目にもとまりにくい。
本種を含めてナナフシの仲間は謎多き生物である。ある種は雄が数匹しか発見されていなかったり、またある種は、地域によって雄ばかりだったり、別の地域では雌ばかりだったりする。雌だけで単為生殖を行うことも確認されているので、こうした雌雄の棲み分けも可能なのだが、そうした生理・生態のもつメリットは人間の想像の範囲を超えている。
指先で触れると、体をぴんと伸ばしたままポトリと落ちる。足だけをつまむと何の抵抗もなく足がポロリともげ落ちる。その様子も、枯れ枝が風に揺られて音もなく落ちる様子にとてもよく似ている。
明るい雑木林や、よく陽の射す林縁部に多く生息する生物なので、林内で彼らを見かけなくなったらそろそろ間伐を計画しなくてはならない。
20060808 NIKON D70 28-200
| 固定リンク
「虫と一緒に森林づくり」カテゴリの記事
この記事へのコメントは終了しました。
コメント
ようじさん
リンクの件、ご快諾いただきありがとうございます。
そちらのページにまでリンクを張っていただき、重ねて御礼申し上げます!
これからもどうぞよろしくお願いいたします。
投稿: くま | 2007年9月26日 (水) 22時01分
初めまして。
リンク、こちらこそよろしくお願いします。
最近、あまり更新していませんが・・・(^^;
投稿: ようじ | 2007年9月26日 (水) 21時50分
すごい!!
子供と楽しませてもらいます!
投稿: かわばっ子 | 2007年9月25日 (火) 18時31分
かわばっ子さん
いつもご訪問ありがとうございます!
虫の写真を《川場の虫図鑑》としてまとめてみました。左側のプロフィー写真の下の、小さな虫の写真をクリックしていただけるとご覧いただけますので、是非一度!
投稿: くま | 2007年9月25日 (火) 13時39分
くまさん、こんにちわ!!
こんな不思議な昆虫もいるんですね。
子供が帰って来たら見せてあげましょう!
自分もおもしろい昆虫をカメラに納めようとするのですが、なかなかさまに成らず・・・。
投稿: かわばっ子 | 2007年9月25日 (火) 13時25分