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2007年10月 8日 (月)

キタテハ

20071008kitateha

10月にはいると気温も下がり、樹木は厳しい冬を乗り切る準備を始める。雑木林の落葉広葉樹は、春から夏に茂らせた葉を紅葉させてから順次落としていく。葉からの水分の蒸散が弱まるにつれて、根も大地から水分を吸収する勢いを弱めるので樹液流動も僅かなものになっていく。間伐や枝打ちなどの森林作業の適期である。

キタテハは樹液流動の盛んな夏期には雑木林に集まる。クヌギやコナラなどの樹幹にカミキリムシなどがつけた傷から流れ出す樹液に誘われるからだ。しかし、秋になり、木々から甘い樹液がほとんど滲み出さなくなってくると、花の蜜を吸いにキク科の植物に集まるようになる。写真のノコンギクは、太陽の光が木々の葉で遮られないような開放地に群生し、秋の里山を彩る植物だ。間伐などの作業を終えて林道を歩き、開けた明るい場所に出たところでキタテハに出逢うことが多い。

翅を閉じていると枯れ葉のようでまるで目立たない。しかも虫食いの枯れ葉に擬態していて、晩秋の風景に見事にとけ込んでいる。ところが、いったん翅を広げると赤味がかったオレンジ色の地に黒い豹紋が目に鮮やかだ。保護色と警戒色、翅の表裏に正反対の工夫を凝らした入念な生き残り戦術である。タテハチョウの仲間が蝶の中ではもっとも進化したグループだといわれる所以であろう。幼虫は、食草でもあるカナムグラの葉を糸で綴り、屋根状の巣を作って暮らしている。これもまた進化の成果だろう。

花に集まるキタテハを目にするようになると、間伐や枝打ちの季節の到来だ。

20061015 NIKON D80 60MICRO

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