ウスタビガの繭
枯れ葉色の景色の中で、ひときわ目をひくのはウスタビガの繭だ。
蛍光色のような鮮やかな緑色をしている。
ヒロイド原では、ケヤキやヤマボウシの細い枝に目立って着いていた。
秋には羽化しているから空の繭だが、山の木々が葉を落とした冬景色によく似合っている。
ウスタビガはクスサンなどと同じヤママユガの仲間だ。
この仲間の成虫は、餌をとる口さえなく次世代を生み出すためだけに存在する。
こうした生活史をもつ生物もいることを知ると、命とは何のために存在するのだろうかと、柄にもなく哲学的なことさえ思ってしまう。
目をひく色彩であるのに、けして下品ではなく、軽やかであるのに強靱なこの繭は、「山かます」と呼ばれている。
20071201 NIKON D80 70-300
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