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2008年1月11日 (金)

『日本人はなぜキツネにだまされなくなったのか』

20080111nihonnjinnhanaekitunenidama 内山節:『日本人はなぜキツネにだまされなくなったのか 』、講談社現代新書、2007年初版

凄い本がでた。

わが国が先進国の仲間入りをするほんの少し前、1965年を境に、人がキツネにだまされる話がパッタリとなくなった。

1964年に東京オリンピックが開催され、それと関連して東名高速道路や東海道新幹線が整備され、家庭にはカラーテレビが普及した。
経済の急速な成長が、良きにつけ悪しきにつけ、大きくわが国を変えた時期である。

森林や林業に関わっては、林業基本法という法律が制定された。日本人にとっての森林を単に木材の供給源としてのみ位置づけることを余儀なくした法律だ。

哲学者である著者は、わが国のあまりに性急で劇的な変化を、日本人がキツネにだまされなくなった時期をターニングポイントとして捉えた。

地域社会の人々を結びつけてきた力。
誕生や死を人々が受け入れてきた力。
自然を畏れ、恵みを利用してきた力。

そうしたものを失っていく過程で日本人はキツネにだまされなくなった。

人間にとって自然とは何だったのか。
現在の我々が、失ってはならないのに切り捨ててきたものは何だったのか。

自然を、森林を、農業を、林業を、護ろうとする者が読まなければならない一冊である。

◆昨年中に紹介した新書はこちらからどうぞ◆

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森林づくりお薦めの新書2008」カテゴリの記事

コメント

Sugimotomさん

丁寧なコメントを頂戴しありがとうございました!

この本は本当に凄い本だと思っています。
是非ご一読下さい!

ブログも早速拝見いたしました。
“T造”さんのお話の続きが楽しみです!

以前、このブログでは以下のような話を掲載したこともあります。
もしお時間があればご笑覧下さい。

http://kawabano-yamadukuri.cocolog-nifty.com/blog/2009/01/post-7c25.html

投稿: くま | 2009年6月 6日 (土) 21時20分

くまさん、始めまして。
こにタンさんのブログで、くまさんのこのブログを知りました。それでこの記事にトラックバックさせていただきました。

私の両親は山梨出身で、子供時代にキツネが人を化かした事件に遭遇しています。そんな話を子供の頃からいつも聞かせれていた経験を昨夜からブログに書き始めました。
そんな折、このブログにたどり着きました。
くまさんがキツネに化かされた人を知っているのではないでしょうが、ちょっと嬉しいブログです。なぜならこれまでキツネが化かす話を知っている人は、関係者以外ではたまたま江戸川で乗ったタクシーさんの運転手さん1人だけでしたのでちょっと嬉しいです。

私は、これからポツポツと山梨で昔起きたキツネ事件をいくつか披露していきますので、もしご興味あればお読み下さい。

投稿: sugimotom | 2009年6月 6日 (土) 20時21分

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» キツネはいつから化かさなくなったんでしょう?(第2話) [さぁ 深呼吸]
前回は、杉本家に伝わる不思議な話「キツネに化かされたT造さん」について書き始めたところでした。そしたら、ちょっとおもしろい発見があ... [続きを読む]

受信: 2009年6月 6日 (土) 19時08分

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