野生動物との共存
この数年、川場湯原地区太郎では、ニホンザルの群れによる農作物被害が住民を悩ませている。
種々の要因による生息地域の局地化・偏在化、積雪量の減少等、様々な原因が考えられるが、過疎化や高齢化、そして農林業離れの影響で田畑に人が出なくなったことも確実に影響している。
かつて、このページでも「やまの肥やしにゃわらじが一番」という言葉を紹介したが、森林(やま)や田畑に人がいることで野生動物との緊張関係が築かれ、甚大な被害を出すこともなく共存することが可能になる。
国内の農業や林業をまもることは、野生生物の保護にも直結する。
ただし、農林業の方でも低環境負荷型の新たな施業体系を模索し、実行することが前提条件となる。
野生動物による生活や生産に対する被害の多くは人間自身が引き起こしている。
共存の途を探ることは大きな困難が伴うことも確かだが、被害が出たら駆除、という短絡的で対症療法的な対応に終始せず、何とか良い方法を見つけたい。
20061228 畑に姿を現したニホンザル(湯原地区太郎)
NIKON D80 70-300(1.4倍テレコン)
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コメント
BigDipperさん
いつもコメントをありがとうございます!
パラグライダーのようなスカイスポーツの影響で猛禽類が生息域を追われ、ウサギやネズミの個体数が急増し林業被害が出ることもあるようです。
林業の採算性が悪化したことで、林業関係者が森林に入らなくなり、その結果ニホンジカやニホンカモシカによる被害が激増するといった負の相乗効果も発生します。
野生生物との共存の途を探ることは気の遠くなるような障壁が存在していますが、投げ出さず、諦めずもがいていきたいと思っています。
そのためにも、もっと多くの方々の目が自然や農山村に向いてほしいと思っています。このブログも少しはそのことに貢献できればよいのですが・・・
BigDipperというのはカワガラスのことも指すんですね!最近知りました。
これからもよろしくお願い申し上げます。
投稿: くま | 2008年1月11日 (金) 11時38分
その昔は里から山へ続く田畑や山林に、
農作業や手入れで人が頻繁に出入りしていたので、
それ自体が緩衝帯の役目をなしていたわけですが、
仰るとおりの要因で人が離れてしまったのが、
野生動物たちを里へ招き入れる事態を誘発しています。
まだ人が住んでいたとしても、高齢化の問題しかり、
何より本来なら庭先で番犬の役目を担っていた犬が、
鎖でつながれてしまっているのも大きいですね。
ちなみに私は太郎近辺に出没する群れに、
すっかり顔を覚えられているようで、
近づくと威嚇する個体もいます。
以前バックパックをイタズラされそうになって、
大げさに脅したのを根に持っているようです(苦笑)。
投稿: BigDipper | 2008年1月11日 (金) 08時11分
かわばっ子さん
あけましておめでとうございます!
本年もどうぞよろしくお願いいたします!
「わーかわいい!」が基本ですよ!
そこからしか、現実は変わらないのではないかと思っています。
明後日の記事、楽しみにさせていただきます!
投稿: くま | 2008年1月 6日 (日) 01時03分
くまさん、今年もよろしくお願い致します。
先日は、子供達がお世話になりました。6年生の子は、参加前はあまり乗り気でなく心配でしたが、とても楽しかったようです。
私のブログにも、みなかみ町新治地区の猿が明後日登場します(予約済み)。でも、「わ!猿だ!かわい〜い」でした…反省です。
投稿: かわばっ子 | 2008年1月 6日 (日) 00時16分