大草鞋
中野地区と萩室地区を隔てる道沿いに大草鞋がある。
高さは3mほどもあろうか。
その昔疫病が流行った際にこの大草鞋を掲げたところ悪疫をもたらす者が退散し、村を救ったのだという。
川場村ばかりではなく、全国に類似のものを認めることができる。
通常サイズのものよりも少しだけ大きな草鞋を目立つところに捨てておくことで、大男が居る村だと外来者に思わせ、侵略を躊躇させる自衛のための知恵だったというのが民俗学的な解説だ。
一人暮らしの女性が男物の下着や靴下を物干しに掛けるのに似た工夫だ。
そうした工夫も時と共に形骸化し、あり得ない大きさにまでなってしまったと考えられている。きっと、それでも効果があったのではないだろうか。
一人ではつくることのできない巨大な草鞋をつくる地域の結束力が、侵略者には驚異に映ったに違いない。
20080211 大草鞋
NIKON D300 70-300
この大草鞋は、いつ、誰が、どのようにして作り替えているのだろうか。
明日の晩から、また川場入りするので村の人に聞いてみたい。
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コメント
ゆうさん!
さすが鋭い!
作るところを見たいなあ、作るのに混ぜてもらいたいなあ!
と、思っていたところでした!
投稿: くま | 2008年2月27日 (水) 21時59分
ありがとうございます!
なんとか元気でやっております♪
その草鞋、毎年つくっていたんですか!!
どおりで綺麗…。
それにしてもどうして10年前から大きくしたのかしら。
地域おこしの一環でしょうか。
その製作現場に立ち会ってみたくなりますね^^
これはくまさん、注目してしまうのではないですか?!☆
投稿: ゆう | 2008年2月27日 (水) 20時07分
ミミミさん・ゆうさん
大草鞋調査隊の調査結果第一弾です!
この大草鞋は、村内の中野地区の方々の手で毎年つくり替えられるのだそうです。
そして、記事にもあるように、現在は3mあまりもの大きさですが、このようになったのはほんの10数年前にすぎず、それまでは1m程度のものだったそうですよ!
投稿: くま | 2008年2月24日 (日) 22時40分
ゆうさん
本当にお久しぶり!
元気にしてましたか?
「鞋」を「蛙」とよむとはあなたらしい!
投稿: くま | 2008年2月24日 (日) 22時32分
お久しぶりです!!
本当に大きいですね…。
面白いなぁ。
南足柄市の大雄山道了尊にあるのは巨大な下駄。
こちらは天狗様の下駄ですが、ちゃんと両足分あります。
履物自体に、昔から何か意味があるのでしょうか。
履物を履くほどの尊い方の存在を感じさせるのかな。
想像は膨らみますね。
調査結果、楽しみです。
ちなみに“鞋”。 最初に見たとき、“カエル”かと
思いました(笑)
ワラジってこう書くんですねぇ。
投稿: ゆう | 2008年2月23日 (土) 12時09分
ミミミさん
いつも鋭い質問をありがとうございます!
本日の晩より川場入りしますので、調査してきますね!
投稿: くま | 2008年2月22日 (金) 12時03分
この草鞋は、
ただひっそりとたたずんでいるようで、
すごく存在感のある草履ですよね!
現在は何年ぐらいで新しい物に作り替えてるんですか?
また、なぜ、片方だけなんでしょうか?
投稿: ミミミ | 2008年2月22日 (金) 09時20分