雪面の不思議生物(トビムシ)
写りの悪い写真だが、2月10日16時13分の友好の森での撮影。
一面の雪景色だったが、足もとをよく見ると1mm程の黒い生き物が無数にいた。
トビムシの仲間のようだ。
コナラやエゴノキが優占する雑木林の中で、数十メートル四方にわたって写真の様な状況が見られた。
動物の踏み跡のなかに特に多いように感じたが、何か理由があるのだろうか。
単に日陰を好んでいるだけだったのかもしれない。
これまで気付かなかっただけなのか、はじめて見る不思議な光景だった。
下の写真は、上の写真の一部を拡大したもの。
トビムシの仲間は、世界中で3000種以上も確認されていて、日本国内でも360種も存在が報告されているそうだ。腹部にバネ状の器官をもっていて飛び跳ねることからこの名が付いた。
湿った土壌を好む種類が多いが、雪面や氷河表面にも生息し、英語ではスノー・フリー(雪蚤)と呼ばれている。
雪と氷の世界は生物の生存を許さない死の世界であると考えられてきたが、近年になって様々な生物の存在が確認されはじめた。そうした生物について研究する“雪氷生物学”という学問も存在するようだ(※詳しくは千葉大学の竹内望先生のHPをご参照下さい)。
私が、友好の森で見かけた現象も珍しいものではなかったようで、わが国を始め、世界各地で一般的に見られるもののようだが、どうして集団発生するのかは未解明であるらしい。
トビムシの仲間は、腐葉や菌類などを食べ、土壌をつくる役割を持っている。
一面の雪景色の中でも着実に生命の営みは続けられている。
こうした不思議で楽しい出会いも、森林(やま)づくりに活かしていきたい。
20080110 雪面の不思議生物(友好の森)
NIKON D80 105MICRO
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