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2008年3月 3日 (月)

『ゼロ災で低コスト林業に挑む』

20080303zerosaideteikosutoringyou 泉 忠義:『ゼロ災で低コスト林業に挑む』、林業改良普及双書、2005年初版

全国林業改良普及協会(全林協)は、わが国の林業関係者を応援する組織として設立された。
本書は、全林協が長く出版を続ける新書版の“普及双書”シリーズの150冊目である。

著者の泉氏は、1929年生まれのベテラン林業家である。
伐採・搬出を中心とする林業労働に長く従事し、1979年に泉林業を創業された。

本書は、泉忠義氏の半生を綴った名著である。

泉氏は、わが国の林業の機械化の歴史の生き証人ともいえる人生を歩んでこられた。
手道具中心の林業に、チェーンソーが導入され、架線集材が開始され、様々な高性能林業機械が開発されたこの50年間が、まさに氏の林業人生と符合する。

標題からは単なる安全作業マニュアルであるかのような誤解をしがちだが、そうではない。
わが国の林業の変遷が生の声で綴られている。
読み進める間中、標題が全く本書の内容を示していないかのように感じたが、終盤にさしかかる頃に本書の内容と標題の一致に合点がいった。

仕事中の事故で部下を失うなど、悲しく苦しいアクシデントを乗り越えてきた氏が辿り着いた境地が“ゼロ災(災害ゼロ)”こそが最も“低コスト林業”であったのだ。

わが国の林業を理解するために、そして安全な森林管理を実現するための必読書である。

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