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2008年6月16日 (月)

キボシアシナガバチ

20080616kibosiasinagabati

一昨年の夏に、何年か下刈りを繰り返してきた若い林の中で、これまで出逢ったことのなかったハチを多く目にした。
地元のベテラン林家も見たことがないという。

下刈りの最中に何人かが刺されもした。痛みは鋭いもののあまり腫れたりはしないし、巣に近づいてもハチたちのそぶりも平静だ。
毒性も攻撃性もあまり高くないハチのようだ。

実習などの際に学生がハチに刺されることがあるが、「巣はどこだ」と聞いても、「あの辺のようです」などと心許ないのが普通なのだが、この年の夏は違った。「あそこです」と明確な答えが返ってくる。
見てみると育室(巣の中の六角形の小部屋)に、黄色い蛍光色の蓋がしてあり、それがよく目立っている。
幼虫が確認できる育室には蓋がないのでおそらく蛹室なのだろう。

調べてみるとキボシアシナガバチであることがわかった。やはり蛹室の蓋が黄色いことが本種の特徴のようだ。まだ蓋をしていない育室の幼虫は、サングラスをかけたタモリのような憎めない顔をしている。

本種は林縁部の草花上を飛びながらイモムシの類を捕まえ、肉団子状にして巣に持ち帰る。林縁部の植生はスカートのように森林を覆い、林内の過乾燥を防いでいる。イモムシが増えすぎると、このスカート状の植物群落が貧弱なものとなり、林内の環境を壊してしまう。このハチも生物の世界のバランスを保つのに一役買っているのだ。

最近の研究から、樹高の低いスギ植林地などで営巣の密度が高くなることがわかってきた。キボシアシナガバチが目につくようになると枝打ちがやや遅れ気味と判断できるかもしれない。

20060820 キボシアシナガバチ(ヒロイド原)
NIKON D70 28-200

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