ヤマカガシ
草むらからひょっこりと顔を出しているのは、まだ若いヤマカガシ。
オリーブカーキの地色に薄黄、黒、朱の三色で彩りを添えて、シックなお洒落を楽しんでいるようなヘビだ。
小魚なども補食するが、主な食料はカエル。
ヘビというとネズミを食べるものというイメージがあるが、本種はネズミは食べない。
他のヘビはヒキガエルを嫌い、ほとんど捕食することはないが、ヤマカガシはそんなヒキガエルまで食べてしまう。
田んぼの傍に多いことから、日本人には馴染み深いヘビなのだが、1972年に中学生が亡くなる事故が起きるまでは無毒のヘビだと思われていた。
マムシなど、多くの毒蛇は前歯から毒を出すが、本種は奥歯の根元に毒を出す腺があるため、咬まれても滅多には毒牙にかからないためだ。
咬まれて毒を注入されても、激しい痛みも腫れも起こらないが、20-30分後ぐらいから、血液の中で化学反応が起こり、血小板が分解されていく。そのため、全身の血液が凝固能力を失ってしまい、全身に及ぶ皮下出血、歯茎からの出血、内臓出血、腎機能障害、血便、血尿などが起こり、最悪の場合は脳内出血が起こる。
一説には、その毒の強さはハブの10倍ともいわれるほどだ。
奥歯の毒腺の他にも、頸部にも別の毒腺をもっており、この毒が目にはいると失明する危険もあるという。
元来おとなしいヘビなので、神経質になる必要は全くないが、森林づくりには、こんなおっかない仲間もいることを憶えておいて欲しい。
20080619 ヤマカガシ(川場湯原地区)
NIKON D300 105MICRO
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コメント
かわばっ子さん
そうなんですよ!
これまでに4名の方が命を落としていらっしゃるようです。
でも、平均して全国で10年間に1人ですからね。
自動車事故で亡くなる方に比べたら!
投稿: くま | 2008年7月 9日 (水) 10時12分
1972年までは、皆が無毒と思っていたのですね!
それで、
子供のころは毒がないから平気と遊んでいたわけですね(年がばれてしまいますが・・・)
で、何時からか「ヤマカカシにも毒があるから・・・」と
言われるようになったわけですか≪なっとく!!≫
投稿: かわばっ子 | 2008年7月 9日 (水) 08時26分