川場谷ダムからの眺望
武尊山を源頭にもつ川場谷沢は、本村最大河川の薄根川の源流の一つとなっている。
武尊山の雪融け水と、豊かな森林が育んだ水がじんわりと染み出し、水量豊富な清流となっている。
今からちょうど20年前の1988年に建設された“川場谷ダム”の湖畔からは武尊山まで見通せる眺望が広がる。
川場スキー場の建設とともに造られたこのダム湖は、具体的な目的を持たず、存在する意味の極めて希薄な人工湖である。
このダムがどれほど、魚類をはじめとする水生の生物環境を変えたことだろうか。
水生生物の生息状況に変化があれば、かならずその変化は波及する。
多様な生物環境が成立していることで、病虫害にも強い森林(やま)が形成される。
現在の川場谷は、ミズナラやケヤキの巨木が林立する見事な景観を誇っているが、もしナラ枯れがここにまで及べば、この景観は一挙に崩れることになるだろう。
年月を重ねた天然林の素晴らしさと、短慮な人為の危うさを考えさせてくれる景観だ。
20080731 川場谷
上:RICOH GR DIGITALⅡ
下:NIKON D300 SIGMA10-20
| 固定リンク
「その他諸々2008」カテゴリの記事
- 『ぼくは猟師になった』(2008.12.25)
- うっすら雪化粧(2008.12.21)
- マユミ(2008.12.11)
- ツルウメモドキ(2008.12.10)
- ノスリ(2008.12.09)
この記事へのコメントは終了しました。
コメント