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2008年9月14日 (日)

ツマグロヒョウモン(成虫)

20080914tumagurohyoumon

8月27日の記事で、ツマグロヒョウモンの幼虫と蛹が見つかったことを紹介したが、今月の初めには羽化が始まったようで、羽の傷みもないきれいな個体が飛び交っていた。
存在感のあるとてもきれいな蝶だ。
ヒョウモンチョウの仲間は雌雄で翅の模様が異なるものが多いが、このツマグロヒョウモンも例に漏れない。
メスは前翅端を濃藍色に染め、この蝶の名の由来となっている(写真上)。一方のオスは、ヒョウモンチョウに一般に見られる模様を見せるが、後翅端には、わずかにメスと同様の模様がある(写真下)

園芸品種の蔓延や地球温暖化の影響で生息域を急速に拡大しているこの蝶が、川場村に定着してしまうのかどうかは冬越しの成否にかかっている。
来春の雪融けの頃にこの蝶が飛んでいるとなると、定着の可能性が高まる。

もともとその地域に生息していなかった野生生物の流入・侵出は、ほとんどの場合失敗に終わるが、いざ成功したとなると、地域の生態系を著しく攪乱することが多い。

川場村でも、植物ではオオハンゴンソウやヒメオドリコソウ、それにワルナスビなどの流入種が生息域を急速に拡大しつつあるし、哺乳動物でも、つい最近まで生息していなかったイノシシが個体数を増やし、ハクビシンも目につくようになってきた。
昆虫では、このツマグロヒョウモンやキボシカミキリなどが台頭してきている。

生物相が急激に変化すると、農業や林業の関係者達が培ってきた知恵も役に立たなくなる怖れもある。

自然環境を護るためにも、地域の生産を護るためにも、こうした流入種については注意深く観察を続ける必要がある。

上:20080903 ツマグロヒョウモンのメス(なかのビレジ外周)
NIKON D80 70-300
下:20080904 ツマグロヒョウモンのオス(ヒロイド原)
NIKON D300 70-300

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虫と一緒に森林づくり2008」カテゴリの記事

コメント

Flycatcherさん

ご来訪ありがとうございます。
そしてとても丁寧なコメントを頂戴し、感謝申し上げます。
ご指摘のとおりだと思います。
私自身、何でもかんでも“地球温暖化の影響”で片付ける風潮には辟易していますし、危険性も感じています。
これからもどうぞ宜しくお願いします。

投稿: くま | 2008年9月19日 (金) 11時44分

こんにちわ。突然の書き込み失礼いたします。
ツマグロヒョウモン、群馬県北部でもかなり増えているようですね。
外来種であるアキアツメクサやアレチハナガサを吸蜜している姿はたくましささえ感じでしまいます。

この蝶に限らず、分布域を広げている蝶は温暖化の恩恵というより、人間の作り出す人為的な環境をうまく利用しているように感じます。
ツマグロヒョウモンの場合スミレを食草としていますが、アスファルトの隙間から生えていたり、軒先のプランターなどに植えられたものに幼虫がつく事が多いような気がします。
このような場所はコンクリートなど人工物に昼の間熱が蓄えられ、夜間も気温が低下しにくい環境であると言えます。
もし人里から離れた、人為的な熱源に影響されない森林内のスミレ類にツマグロヒョウモンがついていたら他の影響と言えるのではないでしょうか。
その場合低温環境への適応、あるいは温暖化の影響というものが考えられるかと思います。

もちろん要因が複数絡んでいる可能性はありますが、少なくともツマグロヒョウモンの場合いわゆる「都市化」の影響が最も大きいと思います。

突然の書き込み、長文失礼いたしました。

投稿: Flycatcher | 2008年9月19日 (金) 09時08分

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