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2008年10月14日 (火)

巨大イノシシ

20081014inosisi

自動撮影装置に大物がかかった。
体長1.5m近いニホンイノシシだ。

動物文学の巨匠、戸川幸夫氏の作品で知ったように記憶しているが、イノシシは泥浴び(ヌタうち)をした後、松の木の根本に牙で傷をつけ、浸みだした松ヤニを身体に塗るという。
泥と松ヤニが固まり、鉄砲の弾も通さない鎧を身にまとうためなのだそうだ。

弾をも通さないとは、猟師達の誇張表現だろうが、こうした行動をとるのは確からしく、動物行動学者の今泉忠明氏もこの行動を著書の中で紹介している(今泉忠明:『野生動物観察事典』、東京堂出版)。

今回、カメラが捉えたこのイノシシも、松ヤニを身体に塗ってきたのだろうか。
毛の表面が光り、何かでコーティングしたように見える。

“シシ”とはもともと“肉”のことで、それが転じて食肉用に狩った動物全般を“シシ”と呼ぶようになり、その中でもイノシシは、その鳴き声を“ヰ(うぃ)”と表現されたことから“ヰの肉(イノシシ)”と呼ばれるようになったというのが一般に知られている。

ところが、あらためてイノシシの名の由来について調べてみると面白い説が見つかった。

野生動物の行動に詳しい学習漫画家の熊谷さとし氏は、著書のなかで以下のようにイノシシの名の由来を紹介している。

熊の胆嚢(熊の胆・くまのい)が万能薬として珍重されるのは有名だが、昔から偽物を売る不届き者はいたようで、主にイノシシの胆嚢が“熊の胆”のフェイクとして販売されることが多かったという。
この偽物商売に関わる業者達は、“熊の胆”ならぬ“シシの胆”を逆から読み、業者間の隠語として“イノシシ”と呼んだというのだ(熊谷さとし:『動物の足跡学入門』、技術評論社)。
何とも面白い説ではないか。

雪深いところが苦手なこの動物は、最近まで川場では見られなかったという。
鼻先で、あっちこっちをほじくり返し、農作物を荒らすイノシシは厄介者扱いされることが多い新参者だ。
新参者を保護するか、駆逐するか意見の分かれるところではあるが、私たちの森林(やま)にやってきてくれた動物を見守っていきたい。
そして、よりよい共存の途を見つけることができればと思う。

20081001 イノシシ(自動撮影カメラで撮影)

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川場のけものたち」カテゴリの記事

コメント

まめじかさん

コメントありがとうございます!
そうなんです!
写真の右上に、ストロボの光りを反射して光る一対の目!
連れの仔イノシシなのか。
それとも他の動物が木陰からそっと覗いているのか。
人間が居るときには気配さえ消している彼らが、実は同じ森林の中を歩き回っていると思うと、どきどきワクワクです!

投稿: くま | 2008年10月18日 (土) 21時33分

くま先生

いい写真ですね!!
右上に、謎の光る目も・・・

投稿: まめじか | 2008年10月18日 (土) 21時11分

mimimiさん!

まゆ毛!ありますねえ!
いわれてみれば、確かに!!
そう言われてみて、目の下にクマもあるみたい!

イノシシとイノブタの違いかあ・・・
混血具合によって、ほとんどイノシシといったものから、ほとんどブタのものまでいるようですよ。
けど、最近は逃げ出したり、捨てられたりしたブタと、イノシシの交雑が進んでいるようで、純粋なイノシシにお目にかかるのが難しいほどだという話も聞きますね。
川場のイノシシはまだ大丈夫だと思うんですけどね!

投稿: くま | 2008年10月17日 (金) 22時55分

このイノシシに、
うっすらと眉毛が見えるのは私だけでしょうか?
そういえば、
イノシシとイノブタの見分け方とかってあるんですか?
ってもしかして全然違うのかっっっ!?


このコメントの並びだと、発言しないわけにはいかなそうだったので。

投稿: mimimi | 2008年10月17日 (金) 09時03分

床ちんさん!
こんにちは!

なかなかの大物でしょ!
身長は同じくらいですか!
体重が10倍って、そんな訳ありません(きっぱり)。
量ったわけではないので正確なところは分かりませんが、あなたよりすこーし重いくらいですよ。
120kgくらいかな!

投稿: くま | 2008年10月15日 (水) 13時50分

大物ですね!!
すごーい。大きい。
体長は私の身長と同じくらいですが、体重はいかほどなんでしょうかね。10倍くらい!?

これからヒロイド原をほじくり返しに行くのでしょうか?
ゆったりした感じからはお腹がすいてそうにはみえないですけどね。

投稿: 床ちん | 2008年10月15日 (水) 13時18分

さるさん

こんばんは!
コメントありがとうございます!

この個体は、たぶん雄だと思うのですが、まだ若い個体なのか、口元から牙を覗かせてはいません。
まだまだ大きくなるのでしょうか。
対面したときには見せてくれないような落ちついた姿がかいま見られるのも自動撮影装置の魅力ですね。

投稿: くま | 2008年10月15日 (水) 00時21分

迫力ありますね~。
野生動物が自然界にいる時の力強さなのか。
イノシシと対面した時の緊張感が思い出されます。
自動撮影カメラばんざいヽ(´▽`)/

投稿: さる | 2008年10月14日 (火) 23時55分

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