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2008年12月の23件の記事

2008年12月31日 (水)

ヤママユガの繭

20081230yamamayuga001

“なかのビレジ”の駐車場わきにあるコナラの木を遠目に見ると、2枚だけ葉を残しているように見えた。
その他の葉をすっかり落としきっているのに、何故この2枚だけ残っているのか不思議に思って近づいてみると、薄黄緑色の繭に繋がれていることが分かった。

この繭の正体は、ヤママユガ。
ウスタビガやクスサンなどと同じ“ヤママユガ科”に分類される大型の蛾の一種だ。

成虫は8月~9月頃に出現(羽化)し、まもなく産卵して、その一生を終える。
コナラなどの小枝に産み付けられた卵は、そのまま冬を越し、春の新葉の展開を待って孵化する。
孵化後は、旺盛な食欲で葉を食べ2ヶ月ほど経つと蛹になるという生活史をおくる。
つまり、写真の繭は、蛹が成虫になったあとの空繭なのだ。
繭の上部に見えるフワフワとした白い糸のところが、成虫が脱出したあとだ。

ヤママユガは“天蚕”ともよばれ、繭から得られる糸は“天蚕糸”といわれる。
天蚕糸は、一般的なカイコ(家蚕)から得られる絹糸(家蚕糸)よりも多くの点で勝る上等品として珍重されてきた。
飼育が困難なことと、繭一つあたりから得られる糸が少ないことが天蚕飼育が普及しなかった理由だとされているが、近年では、家蚕糸に天蚕糸を織り交ぜる利用法が増大しつつあると云われている。

動物・植物を問わず、すべての生物に対して、人間による過度の利用が極めて重大な圧力をかけている。
しかも、狩猟や採取を通じて直截に利用するのではなく、それらの輸出入の際に発生する環境負荷や、畜産や農業用地の開拓による環境破壊などが、より大きなインパクトとなっている。

そうしたことを考えると、家蚕糸に天蚕糸を混織するように、さまざまな野生生物を人間が再び利用する途を講じることが、森林(やま)を守り続けるためには必要なことのように思える。

20081229 ヤママユガの繭(中野地区なかのビレジ)
NIKON D80 70-300

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2008年12月27日 (土)

こどもやまづくり教室

20081227yukidaruma_2

昨日(12/26)から“冬のこどもやまづくり教室”を開催している。
この2日間降り続ける雪が辺り一面を銀世界に変えた。

今回の教室は3泊4日の行程で、“川場の動物たち”を統一テーマにすえている。

自動撮影装置を使った野生動物の調査のほか、猟師さんのお話をうかがったり、牧畜業を営む農家を訪問したり、雪景色に刻まれた動物の足跡をトレースしたりと、動物づくしの4日間だ。

森林(やま)を知って、森林をまもるためには、樹木だけではなく動物のことも視野に入れる必要がある。

川場村と世田谷区の小学校4~6年生を対象に開催しているこの教室に、今冬は32名の子ども達が参加してくれている。

20081227 子ども達のつくったスノーマン(中野地区友好の森)
RICOH GR DIGITALⅡ

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2008年12月25日 (木)

『ぼくは猟師になった』

20081225bokuwaryousininatta このブログにもよく遊びに来て下さっている日向さんからとても面白い本を紹介していただいた。

著者は千松信也(せんまつ しんや)さん。
1974年生まれ、兵庫県出身の現役猟師だ。

猟師を志すに至った背景や、猟の方法、獲物の捌き方、料理のしかたに至るまでを気負いのない文章で綴ってくれている。

若くして猟師になったというと、世捨て人の変人のように思いがちだが、全くそうでないところが面白い。

獲物のイノシシやシカの解体が庭先で可能な家に住むが、そこは携帯のアンテナが3本立つことや、ADSL回線でインターネット環境も完備していることなど、ちゃんと現代人なのである。

狩猟という行為は間違いなく生物の命を奪う行為である。
けれども、猟師は決して単なる殺戮者ではない。

動物たちの生に目を背けることなくきちんと向きあい。
自分が生きるために動物たちの生命を奪う。

狩猟という行為を考えると、否応なく自分自身の人生と向きあうことになるという著者の言葉を気持ちよく受け止めることができる一冊だ。

川場の森林(やま)を考える人々に一読を勧めたい。

千松信也:『ぼくは猟師になった』、リトル・モア社、2008年初版

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2008年12月23日 (火)

牙かけ

20081223inosisinosainn 写真は、先月末に大学生たちと見つけたイノシシの“牙かけ”跡。

イノシシは、常に水が溜まってぐちゃぐちゃの泥地で転げ回り、躰に泥を塗りたくる性質を持っている。
泥を塗るのと同時に、皮膚についた寄生虫を落としたりという効果もあると考えられている。
この行動を“ヌタうち”という。

“ヌタうち”をしたイノシシは、泥だらけの躰で松の木のもとに出かけ、幹の根元を牙でバリバリゴリゴリとひっかく。
傷ついた箇所から滲み出る松ヤニを躰に塗りつけるためだ。

“牙かけ”と呼ばれるこの行為は、ダニなどを落とすばかりではなく、泥と松ヤニで体毛を固めるためだと云われている。

ベテランの猟師は、この“牙かけ”跡を見ただけで獲物の大きさや年齢、体重などをぴたりと当てるという。

写真のアカマツは、長年に亘って“牙かけ”が行われたのかもしれない。
既に枯死し、ヤニは出なくなっていた。
こうして立ち枯れた樹木にはカミキリムシなどの仲間が取り付くだろうし、フクロウやムササビの巣がつくられるかもしれない。
やがて倒伏してからは、クワガタやカブトムシが産卵に訪れるだろう。

“牙かけ”も森林(やま)のサイクルの一つである。

20081130 イノシシの牙かけ跡(中野地区)
RICOH GR DIGITALⅡ

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2008年12月21日 (日)

うっすら雪化粧

20081221hiroidohara

写真はちょうど一週間前のヒロイド原。

前の晩からの雨が、朝8時頃から雪にかわり昼過ぎまで降り続いた。
降り始めから2時間ほどで、辺り一面がうっすらと雪に覆われ、いよいよ川場も冬の装いかと期待したが、午後には陽が射し、小春日和となった。

20081221hinoki_2冬はすべての生き物にとって受難の季節である。
けれど一方で、冬はすべての生き物にとってなくてはならない季節でもある。

積雪・日照・気温等々、冬を構成するさまざまな要素が、生き物たちに春を準備させるのだ。

26日からは、世田谷区と川場村の小学生たちと“冬のこどもやまづくり教室”だ。
川場の冬を楽しみたい。

20081214 うっすら雪景色のヒロイド原(中野地区)
写真上:NIKON D300 70-300
写真下:RICOH GR DIGITALⅡ

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2008年12月20日 (土)

大宴会

20081220daiennkai

これも12月13日の中野地区の方々との共同作業の日の一コマ。

年に一度の共同作業の後は、これもまた恒例になってきた大宴会。
何せ、村の総人口が4000名ほどの川場村で、100人規模の集まりだ。
川場村が交流している世田谷区は川場村の200倍もの人口を擁しているのだから、世田谷区で同じ規模のイベントをしようと思えば、2万人もの超大宴会となる計算だ。

こんな計算は、意味のないものだと思うかもしれない。
けれど、村に及ぼす正負の影響を考えると、あながち荒唐無稽な計算ではない。

20081220ookeyakinoteburu6年ほど前に、この試みを始めてから、次第に中野地区以外の人々の参加も増えてきた。
地元の酒蔵“永井酒造”さんからの原酒の差し入れもあり、婦人グループ“あゆみ会”さんからの郷土料理の提供あり、村長の出席もありと、次第に充実した会に成長してきている。

この日の会場は中野地区の集会場。
玄関を入ると大きなケヤキの切り株でつくられたテーブルがドンと据えられている。
中野地区に水道を引く原資となったケヤキの巨木の株である。
地区の歴史に触れながらの大宴会だった。

20081213 大宴会(中野地区集会場)

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2008年12月18日 (木)

中間発表

20081218shuukei   

村内に仕掛けた自動撮影装置の内、ある1台による記録の中間発表。
それぞれの画像は《自動撮影の記録》からご覧戴きたい。
多数のカットの中から、種レベルの同定ができたものだけを集計した。

8月9日から12月5日にかけてのほぼ4ヶ月間に記録することができた哺乳動物は、上の図中に示した10種類。
個体識別はむずかしいので、個体数は不明である。
総カット数は121。
最も多く記録されたのがタヌキで56カット。
イノシシの22カット、テンの11カットがこれに続く。
1度しか記録されなかったのが、アナグマとホンドリスだ。

まだ4ヶ月にしかならないため、本当に参考程度の数値だが、こうして見ると、どの動物も夜行性であることが分かる。

喰う側の動物も、喰われる側の動物も夜間に行動している。
夜行性の動物はおろか、モグラでさえも太陽の光がなければクル病などになってしまい生きていくことはできない。
それなのに夜間に活動するというのは、喰われる側の動物にしてみれば、敵のいない時間を狙っての活動なのだろうし、喰う側の動物にとっては、獲物のいない時間に狩りをしてもしかたがないので夜間に動くことになるのだろう。

しかし、それならば昼間に活動しても同じことのように思う。
とすると、野生動物どうしの喰う・喰われるが関係するのではなく、それ以外の、例えば人間を避けて夜行性を示しているのかもしれない。

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2008年12月17日 (水)

間伐、そして玉切り

20081217tamagiri_3中野地区の方々との共同作業の一コマ。

写真のFさんは、もうじき満85才の誕生日をお迎えになる。
点呼の際に誰よりも大きな声で応えていただけるFさんとのお付き合いも10年以上になる。

お若いときには建築会社にお勤めで、戦後日本の復興に尽くしていただいた。
けれど、ある時にふと振り返ると、大切な自然がボロボロになっていることに気が付き、私たちの教室の門を叩いてくださった。

間伐の対象木を選び、伐倒方向を見定め、鋸を入れる。立木の伐倒にともなうこれらの作業は、どれも気持ちの良い緊張感もあって夢中になれる。
けれど、伐り倒された木を一定の寸法に切りそろえる“玉切り”作業はどうも人気がない。なかには、伐倒は進めるが、玉切りは放っておくという良くない人も中にはいらっしゃる。

そんな中で、Fさんは黙々と玉切りまでをこなす。

農山村にも、林業界にも高齢化の波が押し寄せる中で、私たちの教室も若い参加者の増加を熱望しているのも事実だ。
しかし、亀の甲より年の功。年齢を重ねた方の知恵に学ぶことも多い。
森林(やま)にも、若木や壮齢木、そして老木がそれぞれの役割をもって存在するように、森林づくりにも老若男女のバランスよい参加が何よりだ。

20081213 御歳84才(中野地区)
NIKON D300 70-300

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共同作業

20081216kyoudousagyou

今年も、中野地区の牧野組合・共有林組合の方々と、私たちの“養成教室”の参加者の方々との共同作業を行った。

養成教室の修了者の方々も駆けつけてくださり、それにスタッフまで含めると、総勢100名近い人数での作業となった。

私たちの教室では、多彩な参加者をどのような方なのか一目で見分けるために、それぞれに異なる色のヘルメットをかぶっていただいている。

白いヘルメットが養成教室の参加者。
白地に緑のラインのヘルメットが中野地区の方々。
緑色のヘルメットが養成教室の修了者。
オレンジ色のヘルメットがスタッフ。

地元の方々が所有する山林での間伐作業も今年で6年目を迎えた。

20081213 共同作業(中野地区)
RICOH GR DIGITALⅡ

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2008年12月15日 (月)

ついにワンコが…

20081215inu

自動撮影装置に怖れていた残念なものが写ってしまった。

遠くに小さく写っていたので見逃してしまいそうだったが、拡大してみたらワンコが…
全身が白くて、耳と胴回り、それと尾っぽの付け根が茶色い野生動物なんかいない。

少し前にネコが写ったときに、「写ってほしくない」などと書いたのがいけなかったのだろうか。

もちろん、犬が嫌いなわけではない。
けれども、川場の森林(やま)では出遭いたくない。

心ないハンターが捨てたものだろうか。
迷犬だろうか。
それとも、放し飼いの犬がはるばる散歩に来たのだろうか。
真相は闇の中だが、何れにしても無責任な飼い主に罪がある。

20081203 犬(自動撮影装置)

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2008年12月12日 (金)

自動撮影の記録

20081212jidousatuei

11月29日から12月5日の7日間で4種類の哺乳動物が記録された。
テン(左上)、ニホンジカ(右上)、イノシシ(左下)、トウホクノウサギ(右下)だ。

ニホンジカは、以前に記録されたものとは明らかに別個体だ。
以前のものは角が三又に分かれた雄の成獣だったが、今回記録されたものは、まだ角が枝分かれしない、いわゆる“ごぼう角”をもった亜成獣だ。

イノシシは、以前に記録されたものと同一個体だろうか。立派な体躯の雄の成獣だ。
やはり泥浴びの後、松ヤニを躰に塗りつけてきたようで、鎧のように固まった体毛が見える。

テンもウサギも、美しい冬毛を見せてくれている。

これからいよいよ本格的な冬季に入るが、彼らはどのような姿を見せてくれるだろうか。
後山に設置した自動撮影装置にも、着実に記録がたまりつつある。
彼らの存在を確認し、生態を見定めた上で森林(やま)をまもる術を考えていきたい。

明晩からまた川場入りだ。

20081129~20081205 自動撮影(中野地区)

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2008年12月11日 (木)

マユミ

20081211mayumi

村内の1000mを超す標高地から、700mほどの標高地までの広い範囲で薄紫色の花のようなものが点々と山肌に映えていた。
近づいてみると、マユミであった。

薄紫色の花のように見えたのはマユミの実で、これが4裂して中から深紅の種子が顔を覗かせていた。

マユミは、以前に紹介したツリバナや昨日のツルウメモドキなどと同じニシキギ科の落葉低木だ。
どれも枝から吊り下がるように鮮やかな実をつけ、その実がぱっくりと口を開けてさらに鮮明な色の種子を覗かせる。

材は強靱で、よくしなるため弓の材料に用いられた。
弓の製作には様々な樹木が供されたが、中でもこのマユミが重用されたようで、“弓の中の弓”をつくる材料として“真弓”と呼称されたようだ。

可憐な花をつけ、美しい実をならせながらも強くしなやかなこの木にあやかろうと、女児の名にも多く使われてきた。

弓の材料の他にも、印鑑や櫛の材料などにも用いられているほか、古くは和紙の原料ともなったようだ。

春に出る新芽は、天麩羅やお浸し、菜飯として食卓にも供されるが、種子は強い毒性をもつので注意が必要だ。

20081211 マユミの実(中野地区友好の森)
RICOH GR DIGITALⅡ

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2008年12月10日 (水)

ツルウメモドキ

20081210turuumemodoki

小雪舞う川場の冬景色を鮮やかに彩るのは、ツルウメモドキのオレンジ色。

ニシキギ科の蔓性植物で、他の樹木にからみついて成長する。
5~6月ころに白く可憐な花を咲かせるが、木々の葉に隠れていて見つけにくい。
冬になってこの実を見るたびに、花の写真も撮りたいと思うのに、花の季節には忘れてしまっている。
来春こそは花の写真も紹介したいものだ。

この植物の名付けられ方も、なかなか複雑で面白い。
モチノキ科の落葉低木で“ウメモドキ(梅擬き)”という植物がある。
冬に小さな赤い実をつける植物だが、この木の葉がウメの葉に似ることから“ウメモドキ”と名付けられた。
さらに、この“ウメモドキ”に似た蔓性植物であることから、本種は“ツルウメモドキ”と呼ばれるようになったそうだ。なるほど本種の葉もウメによく似ている。

本種は、観賞用の他、樹皮が丈夫なため、背負い籠や縄、弓の弦、衣類などにも用いられたという。

川場村の人々もこの植物を利用したのだろうか。
自然の恵を活かす地域の知恵を知ることも面白い。

20081130 冬を彩るツルウメモドキの実(中野地区友好の森)
NIKON D300 70-300

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2008年12月 9日 (火)

ノスリ

20081209nosuri1

最近、ノスリがよくとまっているポイントを見つけた。
ノスリは高い木のてっぺん近くにとまっているのだが、川面までかなりの距離(高低差)がある橋の上からは、目の高さほどのところに見える。

この日もやっぱりとまっていた。
少しの間見ていると、見つめられているのが嫌だったようで身じろぎをすると飛び立ってしまった。
飛び立つ前に広げた羽がノスリの特徴をよく表している。
羽の前部中央付近にある黒班や羽全体を囲むような褐色の縁取り、そして黄色い足など。

ノスリの名は“野擦り”からつけられたといわれている。
木の上などにとまって、小動物が動くのをまさに“鷹の目”で見つける。
特にモグラ狩りの名手で、モグラが息を吸うために土を盛り上げる一瞬を見逃さない。
モグラは土の上に顔を覗かせるのではない。
地表に近いトンネルから土を柔らかく押し上げ、土の下から新鮮な空気を吸うだけだ。
公園の芝生などに点々とお椀を伏せた程度の土盛りを見ることがあるが、あれがそうだ。
その一瞬を捉えるのだから恐れ入る。
土がモコモコと盛り上がるのを目敏く見つけると、まずは樹上から急降下し、その後、地を這うような低空飛行に移り、モグラを捕まえる。
その際の低空飛行の様子を野を擦るように飛ぶ“野擦り”と表現した。

彼らは、昆虫から小型の哺乳動物まで、様々な生物を補食する。
彼らの存在もまた、川場の森林(やま)の豊かさのバロメーターとなる。

20081209nosuri2_2

20081129 ノスリ
NIKON D300 70-300

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2008年12月 7日 (日)

タヌキの換毛

20081207tanuki1
20081207tanuki2

上の写真は9月4日、下の写真は11月30日の自動撮影。
同一個体かどうかは判然としないが、同じ場所で撮影された、ほぼ同サイズのタヌキである。

3ヶ月ほどの間にずいぶんとフサフサした冬毛に変化したことが分かると思う。

タヌキの交尾期は、厳冬の1~3月頃で、60日間ほどの妊娠期間の後に3~5頭ほどの子狸を出産する。
つまり、今この季節はタヌキにとっては恋の季節なのである。
栄養を蓄え、パートナーを見つけるためには寒いなどと言ってはいられない。
暖かなコートに身を包む必要があるのだ。

毛皮にするにも夏毛は価値がない。
モコモコした冬毛が喜ばれる。

タヌキは、北海道から九州にいたる全国に生息するうえ、高標高地を除く森林地帯から都市的な環境にまで適応している。
そのため、昔から日本人にとって最も馴染み深い動物だ。

写真上:20080904 夏毛のタヌキ
写真下:20081130 冬毛のタヌキ

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☆1年半!☆

20081207hosigaki_3

拙い写真と文章で綴ってきたこのブログも、開設以来1年半が経過しました。
川場村の森林(やま)のことを少しでもお伝えしたいという気持ちだけで続けてきました。

“森林(やま)づくり”というタイトルについても、人間が森林を“つくる”なんて不遜で傲慢なのかもしれません。
けれども、長い間の人々の営為が川場の森林を育て、形作ってきたことは間違いのない事実です。
そして、そうした森林が多くの生物も育ててきました。

だから“森林づくり”です。
“森林づくり”が不遜で傲慢なものにならないようにするためには、様々な事物を多角的に見つめることが必要でしょう。
なんとも力不足ですが、少しづつ着実に川場の森林を見つめていきたいと思っています。

川場村は冬を迎えました。
農家の軒先に下がる干し柿が、冬景色に彩りを添えています。

20081129 干し柿(門前地区)
NIKON D300 70-300

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2008年12月 6日 (土)

蕎麦打ち体験

20081206sobauti

以前このブログで、「農林漁家民宿おかあさん百選」に民宿富士見荘の関せき子さんが選ばれたことをお伝えした(そのときの記事はこちらから)。
その時には、まだ面識を得ていなかったのだが、念願叶ってお会いすることができた。

せき子さんは、“素人そば打ち段位認定会(全麺協主催)”において、関東地方では3名しかいない「第三段位」に認定されるほどの腕前の蕎麦打ち名人だ。
今回は、その腕前にあやかりたくて蕎麦打ちの講師としてお越しいただいた。

一般に、蕎麦の文化圏と、うどんの文化圏は重なることなく分布している。
蕎麦を育てるのに適した気候風土と小麦のそれとでは異なるからだ。
それにもかかわらず、川場村は双方が混在する。
一軒の家で、蕎麦もうどんも打つ家が少なくない。

一説に因れば、もともとはうどんが一般的だった川場村に、他所から嫁いできた方々が蕎麦を持ち込んだともいわれている。
せき子さんも隣村、片品村のご出身だ。

川場村は、ほんとうに面白い。
植物も、日本海側の植生と太平洋側の植生が混在するし、動物も東日本型のものと西日本型のものの両方が生息する。
そして、人の生活面でも、蕎麦とうどんが混在するのだ。
こうしたこの村の特徴を理解できなければ、この村の森林(やま)づくりはおぼつかない。

※関せき子さんの紹介はこちらに

20081129 蕎麦打ち体験(なかのビレジ)
NIKON D300 TAMRON18-250

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2008年12月 5日 (金)

今年最後のリンゴの収穫

20081205huji_2

川場のリンゴ農家は、たいてい様々な品種のリンゴの生産を手がけている。
消費者の多様なニーズに応えることと、収穫時期の異なる品種を揃えることで生産期間を長く保ち、摘花や摘果の時期をずらすことで労働の分散を図る効果もある。

9月に入ると、“つがる”や“さんさ”といった品種の収穫が始まり、次いで9月末頃からは“あかぎ”、10月の中旬になると“陽光”、11月中旬からは“新世界”や新品種の“ぐんま名月”、そして11月下旬からはリンゴシーズンの最後を飾るのがリンゴの王様とも呼ばれる“ふじ”の収穫だ。

野山を彩る花が少なくなるのと入れ替わりに、川場はリンゴの赤に染まる。

主食の米づくりを減じて、リンゴ栽培を始めた頃、「米をつくらない農家は非国民だ」とまでいわれたという話も聞いたことがある。
けれど、過疎に悩んでいたこの村に一筋の光明をもたらしたのは、間違いなくリンゴの生産であった。
リンゴの木のオーナー制度である“レンタアップル”など、観光と農業を融合させた経営戦略とも相俟って、リンゴ栽培は、リンゴ生産以上の成果をあげてきた。

酸味と甘みのバランスが良く、日保ちの良い“ふじ”の収穫が終わると、川場に本格的な冬が訪れる。

20081129 “ふじ”の収穫(中野地区)
RICOH GR DIGITALⅡ

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2008年12月 4日 (木)

テンのサインポスト

20081204tenn

最近、自動撮影装置に頻繁にテンが写るようになった。

設置後しばらくはテンが写ることはなかったのに不思議なことだ。
初めてテンが写ったのが9月8日なので、テンが撮影装置に対する警戒を解くのに1ヶ月ほどかかったと云えるのかもしれない。
あるいは、秋口までは別の環境にいて、秋の訪れとともに友好の森にやってきたのかもしれない。
正解を見つけることができるのはもう少し先のことになりそうだ。

テンは登山道に設えられた木柵の上や、岩の上などの目立つところに糞をする習性がある。
テリトリーを誇示するためだといわれている。

自動撮影装置のそばの倒木の上にもテンの糞があった。
よく見ると植物の種子がびっしりと含まれている。

オオカメノキ(別名:ムシカリ)のものだろうか、あるいはミヤマガマズミのものだろうか。
基本的に肉食である彼らも、秋になると果実を種ごと、しか大量に食べているようだ。

9月はじめには黒い顔をしていた彼らも、下の写真のように白い顔になり、ふかふかで鮮やかな冬毛を身にまとうようになった。

写真上:20081130 テンのサインポスト(友好の森)
RICOH GR DIGITALⅡ
写真下:20081129 冬毛をまとったテン(友好の森)
自動撮影装置

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2008年12月 3日 (水)

“春駒”づくりの見学

20081203kannsouimo

年の瀬もおし迫った12月26日から29日にかけて“こどもやまづくり教室”を開催する。
世田谷区と川場村の双方から、小学校4年生から6年生までを迎えての実施だ。

川場村の自然を好きになって欲しい。
川場村の農林業に興味をもって欲しい。
様々な人々とふれあう楽しさを感じて欲しい。
そして、こうしたことを通じて森林(やま)づくりに参加して欲しい。
そんなことを考えている。

この“こどもやまづくり教室”を目前に控えた11月29から30日に、子どもたちと直に接する役を担う大学生達と現地下見を実施した。
今日の1枚は、そのときの一コマ。

昨年の冬に続き、川場村の誇る名産品、“春駒(乾燥芋)”の生産現場を訪ねた。
※昨年の見学の様子はこちらから。

生産者のケイイチさんは、夏にはトマトと乾燥芋の原料であるサツマイモ(タマユタカ)の生産を中心に行い、冬には乾燥芋生産を行う、とても意欲的な農家だ。

山と積まれたサツマイモの皮を厚めに剥き、水にさらして灰汁を抜く。
次に、蒸気で蒸し上げたあと、夏にはトマト栽培に供していたビニールハウスの中に設えた棚に重ならないように広げて乾燥を行う。
凍みない方がよいのだが、冬の寒風が、ただの蒸かし芋を透明感のある飴色の“春駒”に育ててくれる。
この日は、乾燥を始めて4日目の作業場を拝見したが、既に爽やかな甘い香りが漂い始めていた。
条件が良いときで約2週間、時間のかかるときでも3週間ほどで“春駒”は完成する。

大学生達は、子どもたちに何をどのように伝えようかと、懸命にケイイチさんの話に耳を傾け、初めてみる作業に見入っていた。
大学生達にとっても大切な経験をさせていただいた。

“春駒”の完成がまちきれない。

20081129 “春駒”づくりの見学(門前地区)
NIKON D300 70-300

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2008年12月 2日 (火)

山里の鳶

20081201tobi

トビもれっきとした猛禽である。
それなのに、どうも評判が芳しくない。
精悍、勇猛といったイメージをもたれないのは、動物や魚の死肉を食べたり、ゴミに群れたりするからだろう。

しかし、トビも実に美しい姿をしていると思う。

わが国を始め、ユーラシア大陸から、アフリカ大陸、オーストラリアまで広い範囲に生息しており、前述のものの他、カエル、トカゲ、ヘビ、魚など小動物を主な餌とすることからも勇猛さに欠けるように思われるのだろう。

わが国では、海浜部から山地まで幅広く生息し、最も身近な猛禽である。

20081129 山里の鳶(立岩地区)
NIKON D300 70-300

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2008年12月 1日 (月)

タフ!

20081201tahu

キャメルトロフィーかパリダカにでも出場してきたかのような勇姿!

だったら良かったんだけど…

やってしまいました…

後山に仕掛けた自動撮影装置のデータ回収に向かう途中で、ちょっと無理してスタックさせてしまいました。
畑の脇から山に向かってのびる細道に入ったら、路肩から水が湧き出しているところがあって、それがドロドロぐちゃぐちゃの溝をつくって流れていて…それが目に入らなくて…
車体は段々傾いてくるし…

救援に駆けつけていただいた方々に只々陳謝です。感謝です。

20081130 どろんこエクストレイル
RICOH GR DIGITALⅡ

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後山からの眺望

20081130sonniki

握り飯をもって、後山(虚空蔵山)の頂上にある展望台に上った。
この季節にしては、比較的温かかったためか、景色は薄もやがかっていたが、ほんの一瞬すきっと晴れてくれた。

左手奥の雪をかぶった山が上州武尊山。
右手一番奥が中野地区。
その手前が萩室地区。
一番手前が立岩地区。

左手に目を移し、最奥が富士山地区。
手前が門前地区。
さらに手前が天神地区。

中央部最奥が川場湯原地区。
手前に谷地地区。

写真に写っていないのは生品地区と小田川地区、それに木賊地区。

上州武尊山に抱かれて、豊かな水に恵まれた川場村。
どの地区も、背後に森林(やま)を背負いながら農地を展開している。

20081129 後山からの村域眺望
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