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2008年12月31日 (水)

ヤママユガの繭

20081230yamamayuga001

“なかのビレジ”の駐車場わきにあるコナラの木を遠目に見ると、2枚だけ葉を残しているように見えた。
その他の葉をすっかり落としきっているのに、何故この2枚だけ残っているのか不思議に思って近づいてみると、薄黄緑色の繭に繋がれていることが分かった。

この繭の正体は、ヤママユガ。
ウスタビガやクスサンなどと同じ“ヤママユガ科”に分類される大型の蛾の一種だ。

成虫は8月~9月頃に出現(羽化)し、まもなく産卵して、その一生を終える。
コナラなどの小枝に産み付けられた卵は、そのまま冬を越し、春の新葉の展開を待って孵化する。
孵化後は、旺盛な食欲で葉を食べ2ヶ月ほど経つと蛹になるという生活史をおくる。
つまり、写真の繭は、蛹が成虫になったあとの空繭なのだ。
繭の上部に見えるフワフワとした白い糸のところが、成虫が脱出したあとだ。

ヤママユガは“天蚕”ともよばれ、繭から得られる糸は“天蚕糸”といわれる。
天蚕糸は、一般的なカイコ(家蚕)から得られる絹糸(家蚕糸)よりも多くの点で勝る上等品として珍重されてきた。
飼育が困難なことと、繭一つあたりから得られる糸が少ないことが天蚕飼育が普及しなかった理由だとされているが、近年では、家蚕糸に天蚕糸を織り交ぜる利用法が増大しつつあると云われている。

動物・植物を問わず、すべての生物に対して、人間による過度の利用が極めて重大な圧力をかけている。
しかも、狩猟や採取を通じて直截に利用するのではなく、それらの輸出入の際に発生する環境負荷や、畜産や農業用地の開拓による環境破壊などが、より大きなインパクトとなっている。

そうしたことを考えると、家蚕糸に天蚕糸を混織するように、さまざまな野生生物を人間が再び利用する途を講じることが、森林(やま)を守り続けるためには必要なことのように思える。

20081229 ヤママユガの繭(中野地区なかのビレジ)
NIKON D80 70-300

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