牙かけ
写真は、先月末に大学生たちと見つけたイノシシの“牙かけ”跡。
イノシシは、常に水が溜まってぐちゃぐちゃの泥地で転げ回り、躰に泥を塗りたくる性質を持っている。
泥を塗るのと同時に、皮膚についた寄生虫を落としたりという効果もあると考えられている。
この行動を“ヌタうち”という。
“ヌタうち”をしたイノシシは、泥だらけの躰で松の木のもとに出かけ、幹の根元を牙でバリバリゴリゴリとひっかく。
傷ついた箇所から滲み出る松ヤニを躰に塗りつけるためだ。
“牙かけ”と呼ばれるこの行為は、ダニなどを落とすばかりではなく、泥と松ヤニで体毛を固めるためだと云われている。
ベテランの猟師は、この“牙かけ”跡を見ただけで獲物の大きさや年齢、体重などをぴたりと当てるという。
写真のアカマツは、長年に亘って“牙かけ”が行われたのかもしれない。
既に枯死し、ヤニは出なくなっていた。
こうして立ち枯れた樹木にはカミキリムシなどの仲間が取り付くだろうし、フクロウやムササビの巣がつくられるかもしれない。
やがて倒伏してからは、クワガタやカブトムシが産卵に訪れるだろう。
“牙かけ”も森林(やま)のサイクルの一つである。
20081130 イノシシの牙かけ跡(中野地区)
RICOH GR DIGITALⅡ
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コメント
Berryさんのママさん
こんばんは!
コメントありがとうございます。
チップを入れると、ミミズやカブトムシの幼虫が発生して、それが大好物のイノシシがてきめんにやってきますね。
脚などは使わずに鼻先だけであれだけ掘り返すんですからすごいパワーですよね!!
観音様のところにもカモシカがいるんですね!
※明日からまた川場です!
投稿: くま | 2008年12月26日 (金) 00時14分
野生のイノシシ見た事ありません。
でもカフェのブルーベリー畑には大きな掘り後があちこちに・・・足跡も大きいからイノシシですよね。
チップをいっぱい撒いているので、その中でヌクヌクと育っている幼虫を食べにくるのでしょうか。
アークと駈っこしてるとその穴に突っかかり転びそうになります(涙)
先日やっとカフェと厄除け観音さまを守っている(勝手に思ってます)カモシカにあいました。
とっても大きくて堂々として素敵でした。
お友達になりたいものです。
投稿: Berryのママ | 2008年12月25日 (木) 18時01分