カテゴリー「その他諸々2008」の78件の記事

2008年12月25日 (木)

『ぼくは猟師になった』

20081225bokuwaryousininatta このブログにもよく遊びに来て下さっている日向さんからとても面白い本を紹介していただいた。

著者は千松信也(せんまつ しんや)さん。
1974年生まれ、兵庫県出身の現役猟師だ。

猟師を志すに至った背景や、猟の方法、獲物の捌き方、料理のしかたに至るまでを気負いのない文章で綴ってくれている。

若くして猟師になったというと、世捨て人の変人のように思いがちだが、全くそうでないところが面白い。

獲物のイノシシやシカの解体が庭先で可能な家に住むが、そこは携帯のアンテナが3本立つことや、ADSL回線でインターネット環境も完備していることなど、ちゃんと現代人なのである。

狩猟という行為は間違いなく生物の命を奪う行為である。
けれども、猟師は決して単なる殺戮者ではない。

動物たちの生に目を背けることなくきちんと向きあい。
自分が生きるために動物たちの生命を奪う。

狩猟という行為を考えると、否応なく自分自身の人生と向きあうことになるという著者の言葉を気持ちよく受け止めることができる一冊だ。

川場の森林(やま)を考える人々に一読を勧めたい。

千松信也:『ぼくは猟師になった』、リトル・モア社、2008年初版

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2008年12月21日 (日)

うっすら雪化粧

20081221hiroidohara

写真はちょうど一週間前のヒロイド原。

前の晩からの雨が、朝8時頃から雪にかわり昼過ぎまで降り続いた。
降り始めから2時間ほどで、辺り一面がうっすらと雪に覆われ、いよいよ川場も冬の装いかと期待したが、午後には陽が射し、小春日和となった。

20081221hinoki_2冬はすべての生き物にとって受難の季節である。
けれど一方で、冬はすべての生き物にとってなくてはならない季節でもある。

積雪・日照・気温等々、冬を構成するさまざまな要素が、生き物たちに春を準備させるのだ。

26日からは、世田谷区と川場村の小学生たちと“冬のこどもやまづくり教室”だ。
川場の冬を楽しみたい。

20081214 うっすら雪景色のヒロイド原(中野地区)
写真上:NIKON D300 70-300
写真下:RICOH GR DIGITALⅡ

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2008年12月11日 (木)

マユミ

20081211mayumi

村内の1000mを超す標高地から、700mほどの標高地までの広い範囲で薄紫色の花のようなものが点々と山肌に映えていた。
近づいてみると、マユミであった。

薄紫色の花のように見えたのはマユミの実で、これが4裂して中から深紅の種子が顔を覗かせていた。

マユミは、以前に紹介したツリバナや昨日のツルウメモドキなどと同じニシキギ科の落葉低木だ。
どれも枝から吊り下がるように鮮やかな実をつけ、その実がぱっくりと口を開けてさらに鮮明な色の種子を覗かせる。

材は強靱で、よくしなるため弓の材料に用いられた。
弓の製作には様々な樹木が供されたが、中でもこのマユミが重用されたようで、“弓の中の弓”をつくる材料として“真弓”と呼称されたようだ。

可憐な花をつけ、美しい実をならせながらも強くしなやかなこの木にあやかろうと、女児の名にも多く使われてきた。

弓の材料の他にも、印鑑や櫛の材料などにも用いられているほか、古くは和紙の原料ともなったようだ。

春に出る新芽は、天麩羅やお浸し、菜飯として食卓にも供されるが、種子は強い毒性をもつので注意が必要だ。

20081211 マユミの実(中野地区友好の森)
RICOH GR DIGITALⅡ

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2008年12月10日 (水)

ツルウメモドキ

20081210turuumemodoki

小雪舞う川場の冬景色を鮮やかに彩るのは、ツルウメモドキのオレンジ色。

ニシキギ科の蔓性植物で、他の樹木にからみついて成長する。
5~6月ころに白く可憐な花を咲かせるが、木々の葉に隠れていて見つけにくい。
冬になってこの実を見るたびに、花の写真も撮りたいと思うのに、花の季節には忘れてしまっている。
来春こそは花の写真も紹介したいものだ。

この植物の名付けられ方も、なかなか複雑で面白い。
モチノキ科の落葉低木で“ウメモドキ(梅擬き)”という植物がある。
冬に小さな赤い実をつける植物だが、この木の葉がウメの葉に似ることから“ウメモドキ”と名付けられた。
さらに、この“ウメモドキ”に似た蔓性植物であることから、本種は“ツルウメモドキ”と呼ばれるようになったそうだ。なるほど本種の葉もウメによく似ている。

本種は、観賞用の他、樹皮が丈夫なため、背負い籠や縄、弓の弦、衣類などにも用いられたという。

川場村の人々もこの植物を利用したのだろうか。
自然の恵を活かす地域の知恵を知ることも面白い。

20081130 冬を彩るツルウメモドキの実(中野地区友好の森)
NIKON D300 70-300

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2008年12月 9日 (火)

ノスリ

20081209nosuri1

最近、ノスリがよくとまっているポイントを見つけた。
ノスリは高い木のてっぺん近くにとまっているのだが、川面までかなりの距離(高低差)がある橋の上からは、目の高さほどのところに見える。

この日もやっぱりとまっていた。
少しの間見ていると、見つめられているのが嫌だったようで身じろぎをすると飛び立ってしまった。
飛び立つ前に広げた羽がノスリの特徴をよく表している。
羽の前部中央付近にある黒班や羽全体を囲むような褐色の縁取り、そして黄色い足など。

ノスリの名は“野擦り”からつけられたといわれている。
木の上などにとまって、小動物が動くのをまさに“鷹の目”で見つける。
特にモグラ狩りの名手で、モグラが息を吸うために土を盛り上げる一瞬を見逃さない。
モグラは土の上に顔を覗かせるのではない。
地表に近いトンネルから土を柔らかく押し上げ、土の下から新鮮な空気を吸うだけだ。
公園の芝生などに点々とお椀を伏せた程度の土盛りを見ることがあるが、あれがそうだ。
その一瞬を捉えるのだから恐れ入る。
土がモコモコと盛り上がるのを目敏く見つけると、まずは樹上から急降下し、その後、地を這うような低空飛行に移り、モグラを捕まえる。
その際の低空飛行の様子を野を擦るように飛ぶ“野擦り”と表現した。

彼らは、昆虫から小型の哺乳動物まで、様々な生物を補食する。
彼らの存在もまた、川場の森林(やま)の豊かさのバロメーターとなる。

20081209nosuri2_2

20081129 ノスリ
NIKON D300 70-300

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2008年12月 7日 (日)

☆1年半!☆

20081207hosigaki_3

拙い写真と文章で綴ってきたこのブログも、開設以来1年半が経過しました。
川場村の森林(やま)のことを少しでもお伝えしたいという気持ちだけで続けてきました。

“森林(やま)づくり”というタイトルについても、人間が森林を“つくる”なんて不遜で傲慢なのかもしれません。
けれども、長い間の人々の営為が川場の森林を育て、形作ってきたことは間違いのない事実です。
そして、そうした森林が多くの生物も育ててきました。

だから“森林づくり”です。
“森林づくり”が不遜で傲慢なものにならないようにするためには、様々な事物を多角的に見つめることが必要でしょう。
なんとも力不足ですが、少しづつ着実に川場の森林を見つめていきたいと思っています。

川場村は冬を迎えました。
農家の軒先に下がる干し柿が、冬景色に彩りを添えています。

20081129 干し柿(門前地区)
NIKON D300 70-300

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2008年12月 5日 (金)

今年最後のリンゴの収穫

20081205huji_2

川場のリンゴ農家は、たいてい様々な品種のリンゴの生産を手がけている。
消費者の多様なニーズに応えることと、収穫時期の異なる品種を揃えることで生産期間を長く保ち、摘花や摘果の時期をずらすことで労働の分散を図る効果もある。

9月に入ると、“つがる”や“さんさ”といった品種の収穫が始まり、次いで9月末頃からは“あかぎ”、10月の中旬になると“陽光”、11月中旬からは“新世界”や新品種の“ぐんま名月”、そして11月下旬からはリンゴシーズンの最後を飾るのがリンゴの王様とも呼ばれる“ふじ”の収穫だ。

野山を彩る花が少なくなるのと入れ替わりに、川場はリンゴの赤に染まる。

主食の米づくりを減じて、リンゴ栽培を始めた頃、「米をつくらない農家は非国民だ」とまでいわれたという話も聞いたことがある。
けれど、過疎に悩んでいたこの村に一筋の光明をもたらしたのは、間違いなくリンゴの生産であった。
リンゴの木のオーナー制度である“レンタアップル”など、観光と農業を融合させた経営戦略とも相俟って、リンゴ栽培は、リンゴ生産以上の成果をあげてきた。

酸味と甘みのバランスが良く、日保ちの良い“ふじ”の収穫が終わると、川場に本格的な冬が訪れる。

20081129 “ふじ”の収穫(中野地区)
RICOH GR DIGITALⅡ

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2008年12月 2日 (火)

山里の鳶

20081201tobi

トビもれっきとした猛禽である。
それなのに、どうも評判が芳しくない。
精悍、勇猛といったイメージをもたれないのは、動物や魚の死肉を食べたり、ゴミに群れたりするからだろう。

しかし、トビも実に美しい姿をしていると思う。

わが国を始め、ユーラシア大陸から、アフリカ大陸、オーストラリアまで広い範囲に生息しており、前述のものの他、カエル、トカゲ、ヘビ、魚など小動物を主な餌とすることからも勇猛さに欠けるように思われるのだろう。

わが国では、海浜部から山地まで幅広く生息し、最も身近な猛禽である。

20081129 山里の鳶(立岩地区)
NIKON D300 70-300

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2008年12月 1日 (月)

タフ!

20081201tahu

キャメルトロフィーかパリダカにでも出場してきたかのような勇姿!

だったら良かったんだけど…

やってしまいました…

後山に仕掛けた自動撮影装置のデータ回収に向かう途中で、ちょっと無理してスタックさせてしまいました。
畑の脇から山に向かってのびる細道に入ったら、路肩から水が湧き出しているところがあって、それがドロドロぐちゃぐちゃの溝をつくって流れていて…それが目に入らなくて…
車体は段々傾いてくるし…

救援に駆けつけていただいた方々に只々陳謝です。感謝です。

20081130 どろんこエクストレイル
RICOH GR DIGITALⅡ

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後山からの眺望

20081130sonniki

握り飯をもって、後山(虚空蔵山)の頂上にある展望台に上った。
この季節にしては、比較的温かかったためか、景色は薄もやがかっていたが、ほんの一瞬すきっと晴れてくれた。

左手奥の雪をかぶった山が上州武尊山。
右手一番奥が中野地区。
その手前が萩室地区。
一番手前が立岩地区。

左手に目を移し、最奥が富士山地区。
手前が門前地区。
さらに手前が天神地区。

中央部最奥が川場湯原地区。
手前に谷地地区。

写真に写っていないのは生品地区と小田川地区、それに木賊地区。

上州武尊山に抱かれて、豊かな水に恵まれた川場村。
どの地区も、背後に森林(やま)を背負いながら農地を展開している。

20081129 後山からの村域眺望
RICOH GR DIGITALⅡ

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