ヤマオダマキ
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もともと南方系の植物なのだろうか。
ナワシロイチゴの名は、稲の苗代(なわしろ)を張る頃に実が熟すことから名付けられたといわれている。
川場村では、随分と時期にズレがある。
日本の木イチゴ類の多くが、白い花をつける中で、本種は鮮やかな紅色の花を咲かせる。
実は、濃い赤色に熟し、酸味がやや強く、野趣溢れた味が夏の森林づくりに楽しみを添えてくれる。
写真は先月の19日のものなので、そろそろ食べ頃を迎えているだろう。
20080619 ナワシロイチゴの花(ヒロイド原)
NIKON D300 105MICRO
※木イチゴのシーズンにポケットにねじ込んでおきたい一冊の紹介はこちらから。
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ヒロイド原の一画にアヤメが群生していた。
観察力に自信はないが、昨年までは目につかなかったのだから、少なくとも花は咲かせていなかったのだと思う。
水辺の植物だと思いこんでいたのだが、比較的乾燥した斜面にきれいな花を咲かせていた。
不思議に思って手元の植物図鑑で調べると、比較的乾燥した山地に自生すると記述されている。
姿形から水辺の植物と思いこんでしまっていたらしい。
アヤメの名は花弁の網目模様から来ているらしい。
“菖蒲”と書いてアヤメと読ませるのが一般的だが、意味からすると“綾目”だろうか。
アヤメの花は夏の到来を告げる。
※大きな写真はこちらからどうぞ。
20080619 アヤメ(ヒロイド原)
NIKON D80 70-300
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コリンゴとか、コナシとか、ミツバカイドウとかいろいろな別名をもっている。
漢字で書くと“酸実”または“染み”。
山地の明るく、比較的湿度の高いところに生育するバラ科の樹木だ。
リンゴの台木としても用いられた。
樹皮からは“ズミ汁”と呼ばれる染料をとり、材は緻密で堅いので斧や鍬の杖の材料とした他、家具などもつくった。火持ちの良い薪としても重用され、マルチな樹木として愛されてきた。
森林(やま)を市街地の公園と勘違いして、“花の咲く木を植えましょう”といった計画が立てられることもあるが、やはりその地域に自生する樹木を大切にしたい。
野生種は、園芸品種ほどは派手な花を咲かせないものが多いが、ズミは園芸品種にも決して負けない華やかさをもっている。
華やかだけれど騒々しくないところがまた良い。
20080515 咲き誇るズミの花(小田川地区)
NIKON D300 105MICRO
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春は駆け足で過ぎていく。
さまざまな花が川場を彩り、そして姿を消していく。
不精者のブログでは紹介しきれない。
この花も撮影は、既に一ヶ月近く前になってしまった。
やや湿った環境を好む、アブラナ科の多年草だ。
真っ白な花を、中国にある崑崙山の雪になぞらえて名付けられている。
花期は比較的長く、春から初夏まで目を楽しませてくれる。
20080515 コンロンソウ(小田川地区)
NIKON D300 105MICRO
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川場では何種類ものスミレが春を彩る。
スミレの仲間は見分け方(同定)がとても難しい。
葉や花の形だけでは見分けがつかず、根まで観察しなければわからない種類もある。
その中で、この“エゾノタチツボスミレ”は比較的容易に見分けることができる。
30cmにもおよぶ高い草丈と、大きな葉。
花弁(側弁)の内側に毛があることも特徴だ。
明るい雑木林の林床に木漏れ日を浴びながら咲いている。
スミレの名は、大工さんが木材に線を引くのに用いる“墨入れ(墨壺)”の形に花が似ることから“スミイレ”転じて“スミレ”になったといわれている。
言われてみれば、なるほどなるほど。
20080515 エゾノタチツボスミレ(小田川地区)
NIKON D300 105MICRO
※フォトアルバム◇春の花図鑑◇公開中です!
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暑いほどの陽射しの川場村も、杉の造林地にはいると涼しいそよ風がゆっくりと吹いていた。
足下に目をやると、薄いピンクの花が風に揺れていた。
その花の形から“碇草”と名付けられた花だ。
この仲間は強壮作用をもつ薬草として古くから利用されてきた。
そのためか、あるいは変わった形のためか、都会の山野草ファンにも人気が高く、盗採にあうことも多い。
さらに、木漏れ日が届く林床を彩る花なので、森林の管理に手がまわらなくなった現在では自生域を狭めつつある。
春にイカリソウが咲く川場を大切にしていきたい。
※フォトアルバム“春の花図鑑”を開設しました。是非ご覧下さい!
20080515 イカリソウ(中野地区)
NIKON D80 70-300
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タデ科ギシギシ属の多年生草本。
“酸い葉”の名のとおり、茎を噛むと酸っぱい味がする。“スカンポ”という別名の方が馴染みがあるかもしれない。
ヨーロッパでは“ソレル”という名でハーブの一種として利用されている他、日本でも若く柔らかい芽をおひたしなどにして食べることもある。
しかし、シュウ酸を多く含むため多食すると肝機能障害を起こす場合があるので常食は避けた方がよい。
薬効もみとめられていて、利尿作用や制癌作用があるとされ、“酸模(さんも)”という生薬名もつけられている。
日当たりを好むこの植物は、伐採跡地などの開けた場所でよく目にすることができる。
ベニシジミという小さな蝶の幼虫の食草である。
20080510 スイバ(ヒロイド原)
NIKON D300 105MICRO
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ミヤマキケマンは漢字で書くと“深山黄華鬘”。
華鬘とは、もともと花でつくった装飾品で、仏教の世界では仏像や寺院のお堂などを飾る装飾具となっている。
なんとも話は複雑なのだが、花でつくった装飾品である華鬘に似た花を咲かせる植物が中国原産のケマンソウ。このケマンソウに似ていて黄色い花を咲かせる植物がキケマン。
キケマンに似ているが有毒植物であることから、キケマンと区別するためにミヤマキケマンの名が付けられたという。
このミヤマキケマンには、有毒成分が含まれていて、葉や茎を傷つけるとアセチレンガスやゴムのような臭気が漂い、これを沢山吸い込むと吐き気がしたり酩酊状態になったりするといわれている。
川場村では4月中旬くらいから5月初め頃に咲き、この花と入れ替わるように近縁種の“ムラサキケマン”が咲き始める。
林道脇などに多くみられ、光の少ない林内では見られない。
20080423 ミヤマキケマン(小田川地区)
NIKON D80 70-300
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意外と知られていないことだが、フキは雌雄異株の植物だ。
雄花は中心部が黄色く色づき、雌花は白い。
不思議なことに、野山で目にする蕗の薹は圧倒的に雄株が多く、雌株はあまり見かけない。
また、雄株は花が終わると枯れてしまうが、雌株は40~50cmもの高さに育ち実を稔らせる。
ちなみに、北海道・東北地方には“アキタブキ”という種類が自生するが、葉の直径が1m以上、葉茎の長さも2mあまりにもなる。
食用として流通する物の多くは、このアキタブキを原種とする栽培品種が多い。
20080423 フキ雌花(ヒロイド原)
NIKON D80 70-300
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春の川場村では、数種類のスミレに出逢うことができる。
スミレの仲間は同定が難しく、なかには根まで掘り起こして観察しなければ判別できないものまであるが、このエイザンスミレは、比較的同定がしやすい。
キク科の植物のように切れ込みの入った葉が特徴である。一枚の葉が3裂している。
よく似た種類にヒゴスミレがあるが、こちらは5裂する。
エイザンスミレには“エゾスミレ”という別名があるが、北海道には自生しない。
どうしてこのような別名が付いたのだろう。
広葉樹林の林床などで目にすることができるが、比較的明るい環境を好むスミレなので、手入れ不足で暗くなった林内からは姿を消す。
このスミレが自生するような環境を保つというのも、雑木林の管理の目安になる。
20080423 エイザンスミレ(小田川地区・タケさんの雑木林にて)
NIKON D300 105MICRO
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雑木林の林床で、春先に芽生え、花を咲かせ、木々の葉が茂る夏前には地上部が枯れてしまうような植物を“スプリング・エフェメラル”という。
日本語にすると“春の短い命”とか“春の儚きもの”とかいった意味になる。
写真のキクザキイチゲは、こうしたスプリング・エフェメラルの代表だ。
キンポウゲ科の植物で、アネモネに近い仲間である。
川場村の植生は、太平洋側と日本海側の特徴を併せもっており、このキクザキイチゲも日本海側ではよく目にするが、太平洋側ではなかなか観ることができない植物である。
事の善し悪しを簡単に論ずることはできないが、人々が雑木林を様々に利用してきた結果、落葉広葉樹林が里に展開し、明るい里山が形成された。
人手の入らない森林(やま)は、木々が鬱蒼と生い茂った暗いものとなる。
“スプリング・エフェメラル”も、人が森林と関わることによって生息域を広げてきた植物だ。
20080423 キクザキイチゲ(谷地地区)
NIKON D300 105MICRO
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やや湿り気のある雑木林の林床に一風変わった植物を見つけた。
1枚1枚が大人の手のひらほどもある葉が3枚輪生し、その中央に凜とした白い花(花被)をつけている。
ユリ科のシロバナエンレイソウという植物で、センス良く図案化された徽章のような美しい花が特徴的だ。
エンレイソウは漢字では“延齢草”と書くが、どうやら当て字のようで“長寿の薬”というわけではないらしい。
辺りにはカモシカの糞や足跡などが沢山ついているのだが、どの葉も欠損がない。
まだまだ緑に乏しいこの時期に無傷でいるということは、草食の動物にとって有毒なのか、不味いのか、判然とはしないが不思議なことだ。。
20080423 シロバナエンレイソウ(ヒロイド原)
NIKON D300 105MICRO
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辺り一面を覆っていた雪が融けると、真っ先に茎葉を伸ばし、花を咲かせるのがオオイヌフグリとヒメオドリコソウだ。
シソ科の植物特有の花弁が、笠をかぶった踊り子のように見えることからこの名が付いた。
オドリコソウと同属だが、こちらは明治時代に渡来した帰化植物である。
どれくらいの時間を日本で過ごせば在来種と呼ばれるのか。
政治上の線引きである国境を人間以外の生物が越えることに生物学上の区別をつけるのは何故なのか。
考え出すと、よくわからないことも多いが、地域ごとに特徴をもって展開する生態系をまもるためには安易な外来種の導入は慎まなくてはならない。
20080410 ヒメオドリコソウ(友好の森)
NIKON D300 105MICRO
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春の林縁部を彩るのはキブシの花。
前年の晩秋には蕾をつけ、雪解けとともに釣り鐘状の花をひらく。
しばらく花びらを残したまま実を実らせるが、この実が熟すのは秋になってからなので、一年をかけて次世代を残す作業をしている植物だ。
キブシを漢字で書くと“木五倍子”。
“木”がつかない“五倍子”とは、ヌルデのことで、昔は、ヌルデに形成される虫こぶから得られるタンニンをお歯黒の染料としていた。
キブシは、ヌルデの代用として利用されたことから“木五倍子”の文字があてられたようだ。
超美麗種のカメムシであるアカスジキンカメムシを探すときには、このキブシを探すといい。
もう半月ほど経った様子は、昨年の写真からどうぞ。
20080409 キブシの花(ヒロイド原)
NIKON D300 105MICRO
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昨日は、“バッコヤナギ”の雄花を紹介したが、こちらは雌花。
同じ倍率で撮れば良かったのだが、実際には雌花の方が雄花よりも一回り小さい。
房状の花序の中に、黒い点が多数みられるが、ここがめしべの柱頭だ。
雄花と同じく、花弁をもたない小さな花が沢山集まっていることがわかる。
ところで、“バッコヤナギ”は“ヤマネコヤナギ”という別名をもっている。
“山猫-柳”ではない。“山-猫柳”だ。
先に“猫柳”があって、山にみられる猫柳という意味だろう。
山猫の好きな柳ではない。
生物の名称には、時々理解に苦しむものがある。
マダガスカル島には“ネズミキツネザル”という原始的な猿がいるが、3種類の動物の名前が並べられているだけだ。
“ネズミ”というのは、“小さな”という意味で、多くの動植物名に冠されるので、“小さなキツネザル”というわけだ。
20080409 バッコヤナギの雌花(ヒロイド原)
NIKON D300 105MICRO
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ヒロイド原のカブトの森の隣に、いくぶん緑がかった薄黄色の綿毛をかぶったような木が生えていた。柳の仲間の“バッコヤナギ”だ。
薄黄色の綿毛は、見方によっては煙のようにも見える。
柳の仲間の例に漏れず、“バッコヤナギ”も雌雄異株の樹木で、薄黄色く見えたのは雄花の花粉であった。
花びらはもたず、沢山の雄しべが花序を形成している。
“バッコヤナギ”は漢字では、“跋扈柳”とも“婆っこ柳”とも表記される。
前者は、“跳梁跋扈”の“跋扈”だ。はびこるように生えることからこの名が付いたとも云われる。
また、“婆っこ柳”の名は、花の後に付く白い綿毛を、老女の白髪に見たてた名だとも云われる。
柳の仲間は、水辺に多いが、本種は日当たりが良く、やや乾燥気味の土地に良く自生する。
植栽されたものではなく、自生する樹木をみると、その土地の環境が推測できる。
20080409 バッコヤナギの雄花(ヒロイド原)
NIKON D80 70-300
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