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2009年1月26日 (月)

『森林の崩壊』

20090126sinnrinnnohoukai白井裕子:『森林の崩壊 -国土をめぐる負の連鎖-』、新潮新書(2009年初版)

ともかく、この本の著者は怒っている。
自分にとって大切なものを蹂躙されて、怒りを露わにする者の話を聞くことは、時として爽快ですらある。

著者は、「河川流域」をキーワードに据え、森や水などを我々の生活に関わる社会基盤として捉える、工学分野の研究者であり、建築家である。

世界に冠たる林業国であるはずのわが国が、林業を、木材産業を、そして木造建築の現場をないがしろにする構造を平静な文章で解説しながら、胸の内の怒りが行間に滲む一冊である。

本書は、まず、わが国の森林の現状を紹介し、次いで、日本人と木造住宅文化の関係を整理し、現在の補助金行政や公共事業投資のあり方に疑問を投げかけ、最後に、大工の棟梁たちへの聞き取り調査をもとにした“現場の声”で締めくくられている。

森林(やま)づくりを進める上で、欠くことのできない重要な柱として“林業”がある。
木材生産を通じて、森林を育み、人と森林を結んできた産業である。

川上で森林を守り育てることを目指す者にとって、木材をめぐる川下の動向を知ることも大切だ。

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