ホンドキツネ
友好の森に続いて、後山でもホンドキツネが確認された。
ホンドキツネは本州、四国、九州に生息し、北海道に住むキタキツネとともにアカギツネの亜種である。
このアカギツネは、北半球のほぼ全域に生息すると云われているが、生息環境の悪化に伴って個体数を減らしているといわれている。
日本人にとって、キツネといえば稲荷神社を思い起こすだろう。
“社(やしろ)”とは、集落の共同穀物倉のことで、穀物に害するものといえば湿気とネズミである。
湿気を避けるために高床式の建築様式が用いられ、ネズミを寄せ付けないために“ネズミ返し”が設けられた。
そして、社の入口にはネズミの天敵であるキツネが祀られたそうだ。
いなり寿司も、キツネの大好物である油揚げをネズミの形に仕上げたお供え物が原型だと伝えられている。
この穀物倉は、集落の人々にとって、まさに生活を支える大切な場所であったので、冬でも緑の葉をつける常緑樹が目印として植栽され、神を鎮守した。
穀物=“土”の恵みを“木”が守る場所として、古くは“杜”という文字があてられていたのだ。
時代とともに、神を表す“示”が“木”と置き換えられ、現在も用いられている“社”となったようだ。
“杜”は“もり”である。
農民が守り育てた“杜”の歴史を知ることも、森林(やま)づくりにヒントをくれそうだ。
20081117 ホンドキツネ(後山)
自動撮影装置
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コメント
こにタンさん
早速のご来訪ありがとうございます!
歓迎申し上げます。
教えるなんておこがましいことはとてもできませんが、私が川場村で感じたことや、出逢ったものなどお伝えできれば幸いです。
どうぞよろしくお願いします!
投稿: くま | 2009年1月20日 (火) 23時28分
こんばんは
さっそく、おじゃまします(^^)
私は里山とそこに生きる動植物に興味があるので、
このブログはとても参考になります。
山があって、川があって、田畑があって・・・
川場村は私の好きな場所の一つです。
キツネはまだ見たことがありません。会ってみたい動物の一つです。
そして、“杜”と“社”のお話も興味深いです。
これからも色々面白いことを教えて下さいませ。
よろしくお願いします。
投稿: こにタン | 2009年1月20日 (火) 22時43分
匿名さん
キツネ!
可愛いですよね!
投稿: くま | 2009年1月20日 (火) 16時48分
かわいい
投稿: | 2009年1月20日 (火) 16時29分
mimimiさん
過分なお言葉をありがとうございます!
いつも、これでちゃんと伝わるだろうか。
嘘はないだろうか。
などなど、ハラハラ、ドキドキ、不安一杯で記事を書いていますので、こうした応援メッセージを戴くと、本当に嬉しく思います。
これからも川場の森林づくりの様子を少しでもお伝えできるように頑張りますので、どうぞよろしくお願いします!
投稿: くま | 2009年1月20日 (火) 11時47分
おはようございます。
すごくわかりやすく整理された解説ありがとうございます。
くまさんのブログを拝見すると、自分の中でモヤモヤしていた頭の中がスッキリと整理されるように思います。
これからも楽しみにしています。
投稿: mimimi | 2009年1月20日 (火) 09時15分