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2009年1月23日 (金)

●温故知新

“上農は草を見ずして草を除き、中農は草を見て草を除き、下農は草を見ても草を除かず”
“下農は草をつくり、中農は稲を作り、上農は土をつくる”
“下農は葉を見る、中農は根を見る、上農は土を見る”

何れも異音同義。江戸時代以前から伝えられてきた智恵である。

優れた農民を“上農”、駄目な農民を“下農”と称している。

なんと含蓄のある言葉だろうか。

森林(やま)づくりにも、そのまま当てはまる言葉だ。
強いて言うなら、“賢い林業者は土を見て、普通の林業者は樹木を見て、愚かな林業者は材を見る”とでも言うことができようか。

国内の森林の連年生長量(一年間に増える樹木の体積)は、少ない見積もりで6000万立方メートル、多い見積もりで8000万立方メートルといわれている。
一方、燃料としての利用を除き、国内の用材需要量は8000万から1億立方メートルで推移している。

単純な算数だ。

日本人は、日本中の森林が生長する量より多くの木材を使用している。
毎年使い続ければ、国内の森林は遠からずはげ山と化すことは明らかである。

それなのにどうして、「もっと木材を使え」と言うのだろうか。

ましてや、国内の森林の、すべての生長量を、どうして人間が独り占めできるかのように考えるのだろうか。

森林(やま)で育つ樹木は、その生を全うした後、土に還ることで次の世代の存在を可能にする。

木材の消費は、極力抑えるべきではないのだろうか。
そのうえで、使わなければならない木材は、国内で生産することが大切なのではないだろうか。

森林(やま)を守り、育てるうえで、世論に迎合することなく、確固とした理念を胸に抱くことが必要なのではないだろうか。

私たちの森林づくりに当たっても、目を曇らせることなく直視したいことである。

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