めずらしくヒロイド原でカモシカに出遭った。
ヒロイド原に設置している自動撮影装置にもニホンジカは記録されるが、カモシカはこれまで写らなかったし、たまに出遭うのも別の場所だったので、カモシカはヒロイド原にはやって来ないのかと思っていた矢先のことだった。
私たちに気づくと、スタコラとスギの植林地に逃げ込んでいった。
それまでカモシカが居たと思われる辺りを見に行くと、そこには大量の糞があった。
“糞塊”とか“溜糞”とかよばれている。
こうした糞塊の数と、一カ所の糞塊に含まれる糞粒の数とから一定地域に生息するカモシカの個体数を調べる方法も編み出されていて、その調査方法を“糞法”・“糞粒法”あるいは“糞読み法”とか言っている。
ところで、カモシカはウシ科の動物である。
ウシと同じように、4つの胃袋をもち、反芻(噛み戻し)を行うことで、様々な植物を消化する。
口内で唾液と混ぜ合わされ、第一の胃に送られた食物は、第一胃に生息する微生物によって発酵され、再び口に戻り、さらに咀嚼されてから第二胃に送られる。
その第二胃にも微生物が住み着いていて、さらに発酵の度合いを進めるのだそうだ。
この発酵によって、アミノ酸やタンパク質、ビタミン類を含む化学物質がつくり出され、カモシカの成長を支えるのだという。
さらに、この発酵に関与した大量の微生物群も食物とともに、第三、第四の胃へと送られ、カモシカの栄養となるというのだから驚きのメカニズムだ。
さしずめ、食肉用の牧場とサプリメント工場を体内にもっているようなものだ。
20090211 カモシカのうんち(中野地区ヒロイド原)
写真上:NIKON D80 70-300
写真下:NIKON D300 105MICRO
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