『協働でひろがる森づくりコーディネート術』
辻井寛・今永正文:『協働でひろがる森づくり コーディネート術 』、全国林業改良普及協会、(2009年初版)
森林づくりに関わる者にとって必読の書が刊行された。
著者のうちの今永氏とは残念ながら面識がないが、一方の辻井氏は、実は私の後輩であり、川場の森林(やま)が、直接間接に育てた人材だ。
辻井氏は静岡県の職員として、林業普及指導員として活躍し、NPO職員である今永氏とは業務を通じて知り合ったようだ。
行政職員・NPO・地域住民・専門家等々、様々な立場にいながら、森林を守り育てることの重要性に気づいたメンバーがいかに協働するのか。
当然、立場が異なれば目的や期待も異なる。
そうした様々な主体が森林(やま)に関わり、1+1を2でなく、3にも4にも膨らませるためのガイドブックである。
大抵の新造語は使い手の思いばかりが先行し、多用されると言葉を受け止める側にとっては辟易するものだが、本書で使われる「志縁」という新造語がストンと腑に落ちる。
「地縁組織と志縁組織がどう協働していくかというのがポイント(本文より)」
様々な主体が協働しようとすると、まさに「船頭多くして船山に上る」という状態を呈するものだが、協働の3要素は「目的の共有、情報の共有、役割分担(本文より)」。
私たちが川場村で進める“森林(やま)づくり”もまさに“協働の森づくり”である。
虚心坦懐、素直に読み解きたい一冊だ。
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