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2009年3月の24件の記事

2009年3月31日 (火)

小さな春

20090331azumaitige

正月休みの疲れをとるために、ひと休みしていたら今年も一年の4分の1が過ぎてしまった…
うーむ、まずい。
今年一年を後悔しないですむようにするために、これから何をなすべきか。
ひと休みしてから考えることとしよう。

閑話休題

10日ほど前に、タケさんのところで過ごさせてもらった時に出逢ったのは、今にも花を咲かせそうなアズマイチゲ。
キンポウゲ科イチリンソウ属の多年草で、アネモネの一種である。

雑木林の林床で雪融けを待って花を咲かせるが、上を覆う木々が若葉を開き始める頃には地上部が枯れ、翌春まで再び姿を見ることはできない。
こうした生活史をもつ植物を“春の妖精(スプリング・エフェメラル)”と呼ぶ。
地域地域で異なる春の訪れを、何よりも正確に、何よりもやわらかに教えてくれる植物たちだ。

近縁種のキクザキイチゲとは、浅く3葉に切れ込んだ葉の形で見分けることができる。

20090322 アズマイチゲ(小田川地区)
NIKON D300 105MICRO

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2009年3月30日 (月)

喰うもの、喰われるもの

20090330kitunetosagi

友好の森に仕掛けた自動撮影装置(センサーカメラ)にキツネとノウサギが撮しとめられた。

森林(やま)の獣道を、喰うものと喰われるものが共に利用していることが分かる。

彼らは、どのような気持ちで同じ道を通るのだろうか。
ウサギは、キツネの臭いが残る道をハラハラ、ドキドキしながら、できれば通りたくはないけれど生きるために必死で通るのだろうか。
キツネは、ごちそうの香りが立ちこめる道を、涎をたらしながら歩くのだろうか。
あるいは、両者共に何思うことなく淡々と行くのだろうか。

人間以外の生物を見つめる際に、人になぞらえながら観察することは避けた方がよい。
生理も生態も異なる彼らを擬人化して見つめることは、観察の目を曇らせることになる。

それでも、無人の撮影装置が留めた彼らの姿を見ると、人知れず森林の中で繰り広げられているであろう様々なドラマを思い描いてしまう。

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2009年3月29日 (日)

バッコヤナギ

20090329bakkoyanagi

ヒロイド原にも確実に春が訪れつつある。

写真は、2週間ほど前に花芽からこぼれ始めたバッコヤナギの花序。
ドングリのような褐色の花芽がほころび、頬ずりしたくなるような真っ白な綿毛が顔を出した。

樹高7~8m程の若い樹だが、全木にびっしりと花を咲かせていた。
これから急速に蕊(しべ)を伸ばしていくはずだ。
蕊が伸びると、樹全体が薄黄色の靄に包まれたように見える。
昨年は4月10日前後が最盛期だったが、今年はどうだろうか。

ヤナギの仲間には珍しく、乾燥気味の土地を好む種である。
植栽したのではなく、自然と生えてきたので、この土地の条件を図る指標となる。

※昨年の花の様子は→こちらから。

20090315 ほころび始めたバッコヤナギの花序(ヒロイド原)
NIKON D300 70-300

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2009年3月28日 (土)

『昆虫の集まる花ハンドブック』

20090328konnntyuunoatumaruhana 田中肇:『昆虫の集まる花ハンドブック 』、文一総合出版、(2009年初版)

最近の文一は、本当に元気がいい。
一昨年の『昆虫の食草・食樹ハンドブック』、昨年の野鳥と木の実ハンドブック』に続く好著が刊行された。

植物なら植物だけ、昆虫なら昆虫だけというハンドブック(図鑑)が多い中で、植物を利用する生物とのコンビネーションで紹介する一冊だ。

しかも、こうした書籍の刊行を企画する際には、「網羅性」がどうしても気になってしまうものだが、掲載種をごく少数に絞っている編集も潔く、度胸がある。

本書では、142種類の虫媒花に限定し、花の特徴と虫の関係を紹介している。

虫に花粉を運ばせるための植物たちの手練手管が面白い。
野にも畑にも、そして森林(やま)にも昆虫が必要なわけがストンと心に落ちてくる一冊だ。

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2009年3月27日 (金)

ツノハシバミの雌花

20090327tunohasibami

日本版ヘーゼルナッツであるツノハシバミ。
雄花は長い間咲くが、雌花は早春のごく僅かな季節にしか見ることができない。
そのうえ、本当に小さくて見逃しがちだ。

見ようによってはイソギンチャクのようにも見える花が花粉にまみれている。

ほんの5mmほどの小さな小さな花に気づくことができるのは静かな時間だけだ。
ゆっくり、静かに森林(やま)を見る機会がもてないことを怖れたい。

20090322 ツノハシバミの雌花
NIKON D300 105MICRO

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2009年3月26日 (木)

アナグマのお目覚め

20090326anaguma

友好の森では、昨年の9月に一度だけ記録されたアナグマだが、後山でも自動撮影装置がその姿を捉えた。

タヌキとともに“ムジナ”とよばれたり、“タヌキ汁”とは実はアナグマの肉を用いた鍋だったりと、タヌキと混同されることが多いが、タヌキは犬の仲間で、本種はイタチの仲間である。

名前のとおり穴を掘ることが得意で、地中に複雑な巣穴を掘って生活する。
巣穴には、それぞれに役割を持った小部屋や何ヶ所もの出入り口をつくるなど、興味深い生態をもつが、夜行性であるため人目に触れることは殆どない。

他の哺乳動物に較べ、冬眠に入る時期が早いため、これまでは記録が少なかったが、これからは度々記録されることだろう。

そろそろ出産時期になるが、仔は2ヶ月間ほどは巣穴から出ず、6~7月になると親に連れられて出歩くようになる。

20090214 後山のアナグマ
自動撮影装置

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2009年3月25日 (水)

里山の学校訪問

20090325satoyamanogakkou

旧新治村(現在はみなかみ町)の“たくみの里”にある、NPO法人里山の学校を訪ねた。

里山の学校は、私たちの教室の修了証書やテキストのブックカバーの製作をお願いした組織だ。
木の新たな可能性をやわらかな思考で広げながら、障害者の就労機会の創出を図っている。

薄くスライスした木材に、しなやかで割れにくくするための柔軟処理を施し、シールや栞などの小物から、障子紙や壁紙などのインテリア資材、表彰状やブックカバーなどの文具品等々、多種多様な用途に加工している。

無垢の長大な材ばかりが木材の用途ではない。
未開発の様々な用途が、まだまだ考えられるだろうし、それらは、生産・加工・流通・消費・廃棄といった全ての過程に新たな途を拓く可能性がある。

スタッフの方々が、どなたも朗らかに、そして誇りを持って仕事に当たられているのがとても印象的だった。

20090321 里山の学校(みなかみ町)
NIKON D300 50

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2009年3月24日 (火)

ムササビ

20090324mussabi

あるきんぐクラブ・ネイチャーセンターのタケさんの所にお邪魔してきました。
ちょうど、ぐんま環境教育ネットワークの皆さんもいらっしゃっていて、とても楽しく有意義な時間を過ごさせていただきました。

1泊して、朝起きて雑木林に散歩に出かけると、タケさん達が数年前に仕掛けた巣箱が目に入りました。
同行した大学生達に、“あれは何の巣箱だと思う?”と問いかけると、一人の学生が巣箱の回りを見てまわろうと、私の立っていたところから反対側に回り込みました。

“入ってますよ!”

なにかが巣箱の中からこちらを覗いていました。
つぶらな瞳にピンクの鼻の頭。
ムササビです。

そういえば、繁殖のシーズンがそろそろ始まるはずです。
この巣箱から赤ちゃんムササビが巣立っていくと、ちょっとしたニュースになりそうです。

20090322 巣箱に入ったムササビ
NIKON D300 70-300(トリミング)

※タケさんのページでも紹介されています。→こちらから

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2009年3月23日 (月)

川場用水

20090323kawabayousui_2川場村を静かに流れる用水路がある。
谷地地区の黒岩から沼田市までを貫流している。

一跨ぎにできるほどの小幅な流れだが、じっくりと観ると、途中には隧道もあり、水神様も祀られ、水道橋にもなり、 ずいぶんと手がかけられた用水路であることが分かる。

“川場用水”とか“川場ー沼田用水”とか呼ばれる用水路である。

沼田の町は、水不足に悩まされた土地であり、白沢村(現在は沼田市に合併)からの用水で栄えたものの、次第にそれでも不足するようになり、沼田城主であった真田信吉が1620年(元和6年)から8年の歳月をかけて開削したことが歴史に記されている。

この川場用水の開削によって水不足が解消し、飲料・灌漑などの用を満たし、さらに伝馬街としての沼田の発展の礎となったという。

全長16.3km、灌漑面積約80haに及ぶ、約400年前の大工事である。

果樹園や水田がひろがる景色にとけ込んで、今も流れ続けている。

20090314 川場用水
NIKON D300 60MICRO

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2009年3月22日 (日)

川場村歴史民俗資料館

20090322minnzokusiryoukann1
20090322minnzokusiryoukann23月21日に、ふとした時間の空きがあって、川場村歴史民俗資料館を訪ねることができた。

この資料館の建物は、以前紹介した『しばっちゃらの色鉛筆』に記録されているように、明治期に建設された川場小学校の第一校舎を移築したもので、1985年まで現役の校舎として使用されていたものだ。

木造の味わいのある建物の中には、村に関わりの深い種々の文物の他、川場村出身の歌人である江口きちに関する遺品や資料類などが展示されている。
今回は、ごく短い時間に駆け足で訪問したが、近いうちに時間をつくり、ゆっくりと時間をかけて丁寧に見せてもらいたい。

20090321 川場村歴史民俗資料館
RICOH GR DIGITALⅡ

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2009年3月21日 (土)

卒業式

20090320sotugyousiki

今日は、私の勤める大学の卒業式でした。
大学全体でのセレモニーの後、所属学科ごとに分かれて一人一人に学位記(卒業証書)が手渡されました。

約180名の学生が巣立っていきました。
充分な指導ができなかったことに焦燥感を感じたり、落ち込んだり。
毎日顔を合わせてきた学生たちに明日からは会えなくなることが無性に寂しかったり。

実は、この学生たちが入学して間もない頃に“学外オリエンテーション”と称して、1泊2日で川場村に全員を連れ出しました。
川場村で植林をしたり、森林内を散策したり、少なくとも“川場村”という名前を知らない学生は一人もいません。
そして、この学生たちのうち、40名以上は、その後も川場村にお邪魔する機会に恵まれました。
さらに、ごくごく数名に過ぎませんが、在学中に30~40回、日数にすると60~70日程を川場村で過ごした学生もいます。

私が勤めるのは、森林や林業を専門分野とする学科です。
川場村に新入生達を連れて行くようになって10年ほど経ち、これまでに、2000名を越える学生たちが川場村の森林に育てていただきました。
今までにも、何度も、送り出す側として卒業式に臨みましたが、なぜか今年になってあらためて意識したことです。

川場の森林(やま)を心に宿した卒業生たちが、これからどのような途を歩んでくれるのか。
耐えきれないほどのプレッシャーも感じますが、心底楽しみでもあります。

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2009年3月20日 (金)

キセキレイ

20090320kisekirei

もうじきやってくる田植えの季節を前に、田んぼも雪融けでぬかるんできた。
沢山の虫たちも、いよいよ活動を開始したのだろう。
1羽のキセキレイが忙しそうに飛び回っていた。

長い尾を小刻みに上下にふりながら、“ちちち ちちん ちちん”としきりに鳴いている。

水辺さえあれば、どこでも見かける普通種だ。
自然環境を保全するためには、普通種を重視することが何より大切だ。

20090315 田の畦を飛び回るキセキレイ(生品地区)
NIKON D90 70-300

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2009年3月19日 (木)

春ですよ!

20090319siitake

東京や横浜でも20℃を越えるような暖かな日が続きます。
川場村でも、例年になく雪のない3月です。
いつもの年ならもう少し先のことなのに、シイタケが顔を出し始めました。

炭火にのせて、醤油を一滴。
よく冷やした、辛口の日本酒をぐい飲みにそそぎ、香ばしい薫りを待ちます。
わがままに、気の置けない仲間とだけ愉しみたい春の一時。

蕗の薹にコゴミも愉しんだら、タラの芽ももうすぐ。
さっと湯がいて胡麻和えか、塩で味わう天麩羅もいい。

20090315 シイタケ
RICOH GR DIGITALⅡ

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2009年3月18日 (水)

ツキノワグマの講習会

20090318kumanokoushuukai

3月14日の土曜日に、中野地区の方々が主催した“農林業被害について考える-ツキノワグマの生態-”と題する講習会に参加してきた。

中野地区は、川場村の中でも最も人口規模の小さな地区だが、こうした講習会を独自に企画する実行力を持っているのだ。

会場となった中野地区集会所には、老若男女70名を越える参加者が集まった。
神棚が設えられた畳敷きの会場では、講師の岡輝樹さん(森林総合研究所)がユーモアを交えながらツキノワグマの生態について丁寧な講演をしてくださった。

クマは食肉目に分類され、歯や腸の形状などは肉食に適しているが、植物食を中心とした雑食を選択した動物であること。

それ故に、効率の良い消化吸収ができず、大量に食べ、大量に排泄する。
だからこそ、クマの保護は、多種多様な生物で構成される生態系の保護と同義であること。

人間への被害をもたらすクマの出現は、森林の生物多様性の低下に因るものと、廃棄農作物や家畜飼料などに因る人里への誘因の二つの要因が考えられること。

人里への大量出没の年は、異常行動を示していると考えた方が良く、むしろ出没や被害情報の少ない年にこそ、その原因究明に努めるべきであること。

等々等々。
様々なことが参考になり、様々なことが刺激になり、とても充実した一日を過ごすことができた。
そして、こんな講習会を企画することができる地区が川場村にあることが嬉しかった。

クマが住むような豊かな自然環境をほこる村だからこそ、安定した農林業生産が可能となる。
学習や観光を目的とした多くの村外者を迎える村だからこそ地域に活力がある。
そして、多くの人を惹きつける魅力は豊かな自然環境が担保している。
けれど、被害は最小限に抑えたい。
実現の余地はあるはずだ。

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2009年3月17日 (火)

太郎のニホンザル

20090317nihonnzaru3

最近、“奥利根ゆけむり街道”と洒落た名が付けられた県道64号線を北上し、川場湯原地区に入った。
この地区の太郎集落周辺はサルの生息域になっている。

この数年、サルたちに会いたくて、川場村を訪ねる度に出向くようになった。
車で県道を流すだけで結構な確立でお目にかかることができる。
道沿いで出遭うことができるということは、集落周辺に出没しているということであり、地域の人々にとっては、畑を荒らす迷惑な存在になってしまっている。

20090317nihonnzaru1昨年までは、県道の西側のみで彼らを見かけていた。
県道といっても、片側一車線の対面通行の狭い道なのに、何年間にもわたって道を越えることがなく、不思議に思っていた。
たまたま私が見たのが西側に限定されていたのではない。
彼らが木々の皮を剥いだ食痕をみるのも西側に限定されていた。

ところが、今回訪れると、道路の東側の木々にもサルが皮を剥いだ後が点々としていた。
ついに道を渡ったのかと思っていると、40~50頭ほどの群に出遭った。

最初に気が付いたのは、昨年同様、道の西側だったのだが、何枚か写真を撮った後で道の西側の川沿いに目をやると、そこにも何頭かのサルがいて飛び石伝いに川を渡っているところだった。

この川を渡り、尾根を越えれば、私たちが主なフィールドにしている“友好の森”に出る。
もう既に行動圏に入っているのかもしれないが、未だ確認はできていない。
近いうちに自動撮影装置にも記録される可能性もある。

人と野生動物の共存には、とても難しい課題が山積しているがなんとか解決の糸口を探りたいと思っている。

20090317nihonnzaru2_2

20090314  太郎のニホンザル
NIKON D300 70-300

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2009年3月16日 (月)

子育慈母観音

20090316kosodatejibokannnonn

春の気配が漂い始めた川場村をゆっくり巡ることができた。

川場湯原地区の入口に乳飲み子を抱く一体の石仏がある。
桜の木の下にとても穏やかな時間が流れていた。
その表情や、ヴェールをかぶった様子から、この地の隠れキリシタンが安置したマリア像ではないかとも推測されている。

20090316asihumidousojinn この子育慈母観音のすぐ脇には、“足踏道祖神”と名付けられた双体像がある。
互いの足を踏み、手を結びあった男女が微笑んでいる。

1747年の建立と伝えられているので、250年以上も村人たちを守り、村人たちに守られてきたことになる。

やわらかで、それでいて凜とした空気が心を浄化してくれるようだった。

20090315 子育慈母観音と足踏道祖神(川場湯原地区)
NIKON D300 70-300

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2009年3月15日 (日)

美味しい副産物

20090315hanaya

沼田市の材木町交差点そばのスーパー“フレッセイ”前、鍛冶屋の古見さんの2軒隣にある“麺処はな家”さんに行ってきました。

きれいに澄んだスープは、さっぱりとして、それでいて満足の旨味。
手早く丁寧に湯切りされたシコシコ麺との相性もばっちりでした。
一杯呑んだ後にも良さそうです!

実はこのお店、私たちの森林(やま)づくりの古くからの仲間が報せてくれました。
彼の叔父上のお店です。
ぼけーっとしていても、美味しいラーメン屋さん情報が入ってくる。
森林づくりの嬉しい副産物です。

ラーメンや餃子の写真…
ブログ用に撮らねば、と気が付いた時には既に遅し。
お腹の中でした…

20090314 “麺処はな家”さん
RICOH GR DIGITALⅡ

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2009年3月13日 (金)

『自動車の社会的費用』

20090313jidoushanoshakaitekihiyou 宇沢弘文:『自動車の社会的費用 』、岩波新書、(1974年初版)

「地球温暖化」とか、「大気汚染」とか、「エネルギー危機」とか、そんなこんながすっかり解決していたとは、知らなかった…

高速道路利用料金の大幅値下げを含む、国の第二次補正予算が成立したそうだ。
ETC搭載の普通自動車に限定されるそうだが、首都高速などを除く全国の高速道路の利用料金が1000円を上限に改定されるらしい。

このニュースを聞いた時には「川場往復が安くなる!」と、うかつにも一瞬喜んでしまったが、よく考えてみると、頭の中に????が沢山浮かんできた。

「百年に一度の」とか、「未曾有の」とか言われる経済状況の中で「景気対策」の一環として政府与党が打ち出した政策だ。
即効性を求める「景気対策」なのだから、当然、この値下げによって高速道路の利用者が増えなければ意味はないはずだ。

マイカー旅行にバンバン出かけてもらって、いっぱいお金を使ってもらって、そんでもって景気回復!

本当にそうなるのだろうか?

寝たきり老人の紙おむつ代からも、赤ちゃんの粉ミルク代からも税金をとる必要があるほど、「環境問題」は深刻だったはずなのに、「ノーカーデイ」も「鉄道輸送の見直し」もどこかへ吹っ飛んでしまっても良くなったようだ。

補正予算が成立したということは、国会議員の過半数が賛成したということだ。
ということは、国会議員の過半数が「もう地球に優しくしなくてもいい」と判断したということなのだろう。

世界中から責められるんではないだろうか。
責めてももらえず、嘲笑されて相手にもしてもらえなくなるんではないだろうか。
その場合、責められるのではなく、攻められてしまうかもしれない。

高速道路利用料金の値下げに、一瞬でも喜んでしまったような人や、国会議員たちは、この本を読んで勉強した方がいい。

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2009年3月12日 (木)

中間発表(月別集計)

20090312tyuukannhappyou

村内に設置した自動撮影装置のうちの一台が、昨年8月9日~今年の2月3日の、ほぼ半年間で捉えた野生動物の記録。

個々の画像については《自動撮影の記録》からご覧戴きたい。
昨年12月には、時間帯別の記録をお知らせしたので、今回も同様にと思ったが、前回の時点から増えた撮影カット総数は僅か13カットであったので、今回は少し違う集計をしてみた。

図には掲示したが、昨年8月と今年2月については、月の日数を満たしていないので、あくまでも参考程度。

狭い範囲しか撮さないうえに、たった一台のカメラによる記録なので、断定的な物言いはできないが、冬に向けて撮影カット数が明らかに減少していることがわかる。
カメラの設置場所が、谷状の地形で積雪が比較的多い場所でもあるので、動物たちがこの場所を避けているだけなのかもしれないし、夏期と冬期で生息域を変えているのかもしれない。あるいは、何らかの別の要因があるのかもしれない。

何れにしても、この調査を継続することで動物たちの動勢がもう少しはっきりと見えてくるだろう。

雪融けのシーズンからは、ムササビやモモンガ、ヤマネ、その他のネズミなどについても調査を始めたいと考えている。

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2009年3月11日 (水)

川場湯原の武尊神社

20090311hotakajinnja1

川場湯原地区の民家に挟まれて、小さいけれど立派なお堂が建立されている。

お堂の脇の来歴の説明によれば、1718年(享保3年)に「湯前薬師堂」として建立され、1755年(宝暦5年)に修復が施され、その後の1804年(享和4年)に現在の本殿が完成したとされている。

利根沼田地域には武尊神社が18社あり、日本武尊(やまとたけるのみこと)を御祭神とする神社は26社に及ぶのだという。
川場村内でも、ここの他にも生品地区に同名の神社がある。

20090311hotakajinnja2 おそらくは、1870年(明治3年)にその蛮行が頂点に達したと言われる「廃仏毀釈」の波の中で薬師如来を祀る薬師堂が日本武尊信仰に塗り込められたのだろう。

そうした歴史的な背景を踏まえながら、この村にどのようにして中央政府の意向が強要されたのか、そして建立の労役、費用、資材調達などがなされたのかといったことに想像を膨らませるのも、この村を、この集落を理解するのに一役買うはずだ。

20090130 武尊神社(川場湯原地区)
NIKON D300 28-200

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2009年3月10日 (火)

『農村の幸せ、都会の幸せ』

20090310muranosiawase_2徳野貞雄:『農村の幸せ、都会の幸せ 』、生活人新書、(2007年初版)

ひと月程前に、本書の著者である徳野氏の講演を聴く機会に恵まれた。
徳野氏は、還暦を迎えたとはとても思えない迫力・毒舌・情熱で、窮乏する農村の現状と振興の方途について熱弁を振るい聴衆を圧倒していた。

実は、この日の講演は今回紹介する書籍の内容をトレースするものだったので、良い機会だと思い、本書を書架から引っ張り出して読み直してみた。

本書は、わが国を「稲作が作った国」とする著者の一貫したスタンスから編まれており、稲作を中心とする「農」の営みが崩壊しつつあることに警告を発している。

氏は熊本大学に籍を置く農村社会学者であるが、合鴨農法の普及に努めたり、「道の駅」を発想し、その命名者となるなど、柔軟な思考と豊富なアイデアで地域振興の現場を直視し続けてきた地域振興の実現者でもある。

農村に生きる人々の生老病死、性生活までを視野に入れた地域振興論は、氏が「インチキゲンチャー」とよぶエセ知識人を強烈に批判しながら展開し、農業者に対しても、消費者を意識できていないことを厳しく指摘している。

これまでも、このブログでは繰り返し述べてきたように、わが国の森林管理の担い手は農業者であった。
森林を守り育てるためには、農業の、農村の歴史と現状を冷静に見つめ、山積する課題を解決していくことが必要だ。
“森林(やま)づくり”に関わる者にとっての必読の一冊だ。

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2009年3月 4日 (水)

●「剥皮被害」?

毎日新聞社がWeb上でニュースを配信する“毎日jp”で、昨日次のようなニュースが配信された。

「シカやクマが樹木の表皮を食べたり傷つける被害が、国内の森林の約1割で見られることが、林野庁の調査で分かった」というのだ。

どういう事かと思って、読み進めてみた。

国土を4km四方の格子で区切り、格子の交点が森林であった場合、その周辺の1,000平方メートルのブロックを調査し、その中の1本以上の樹木が動物によって皮を剥がされていると、そのブロックが被害を受けているものとしてカウントしたというのだ。

1,000平方メートルというと、約30m四方にあたる。
仮に、これがスギやヒノキの標準的な新植地だと仮定すると300本程度の立木が存在する計算になり、間伐などを繰り返した林分でも50本やそこらの立木が存在することになる。
これが、広葉樹を主体とする混交林ならば、立木本数は遙かに多い。
これら立木のうちの1本に剥皮がみられたことをもって“被害”があるというのだろうか。

そして、同ニュースでは「樹皮の損傷は商品価値を下げるほか、木が枯れて土壌流出など森林の環境悪化にもつながる」と説明している。

林内の樹木、50本に1本が剥皮によって枯死したとして、それが「土壌流防」などに繋がるわけはない。
それよりも、多様な生物が林内に生息することこそが強くしなやかな森林環境をつくることを意識する必要の方がずっと高いはずだ。

枯死した樹木は、昆虫などをはじめとする多くの生物の生存環境をつくり、それらの生物が次世代の樹木の生育を支える土壌をつくるなど、多様な働きをしている。
森林内には、枯死木を含め多様な樹木が必要なのだ。

林野庁の情報提供に問題があるのか、毎日新聞社の報道に問題があるのか、この記事から読み取ることはできないが、偏向報道と言われてもしかたのない記事には違いない。

※配信されたニュースはこちらから確認できます。 → 毎日jp

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2009年3月 3日 (火)

『しばっちゃらの色鉛筆』

20090303sibattyara_2縁あって23年前に刊行されたこの本に出遭うことができた。

著者は、沼田市在住の写真家である金井竹徳さん。
川場村の歴史や文化に関心を持ち、川場村の文化財などの調査と記録などにも尽力されてこられた方だ。

川場小学校の全面改築にともなう旧校舎解体を2年間にわたって温かい目線でみつめ、記録した好著である。

入学式、運動会、写生会、日々の遊び等々がやわらかな写真と文章で綴られている。

この時に解体された校舎の一つである第一校舎は、現在、川場村歴史民俗資料館として再生され、多くの人々に川場村の歴史と文化を伝える拠点となっている。

1910年(明治43年)に建造されたこの校舎は、解体までの75年の間に何を見つめてきたのだろうか。

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2009年3月 1日 (日)

素敵なブックカバー完成!

20090301bookcover

私たちの森林(やま)づくりの教室でテキストとして使っている『市民の森林づくり』専用の素敵なブックカバーが完成しました。

以前にこのブログで紹介したNPO法人“里山の学校”に製作をお願いしたところ、快く引き受けてくださり完成にこぎ着けました。

川場村のスギを使い、シンプルで飽きの来ないデザインに仕立ててくださいました。
スギの柔らかな手触りを活かした嬉しい仕上がりです。

入手ご希望の方はご一報下さい!

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