『昆虫の集まる花ハンドブック』
田中肇:『昆虫の集まる花ハンドブック 』、文一総合出版、(2009年初版)
最近の文一は、本当に元気がいい。
一昨年の『昆虫の食草・食樹ハンドブック』、昨年の『野鳥と木の実ハンドブック』に続く好著が刊行された。
植物なら植物だけ、昆虫なら昆虫だけというハンドブック(図鑑)が多い中で、植物を利用する生物とのコンビネーションで紹介する一冊だ。
しかも、こうした書籍の刊行を企画する際には、「網羅性」がどうしても気になってしまうものだが、掲載種をごく少数に絞っている編集も潔く、度胸がある。
本書では、142種類の虫媒花に限定し、花の特徴と虫の関係を紹介している。
虫に花粉を運ばせるための植物たちの手練手管が面白い。
野にも畑にも、そして森林(やま)にも昆虫が必要なわけがストンと心に落ちてくる一冊だ。
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コメント
こにタンさん
表紙で片栗から吸蜜しているのはギフチョウだそうです。
ヒメギフのことを“赤城姫”って言うんですね!
知りませんでした。
川場村では、片栗もヒメギフも“幻”のスプリングエフェメラルです!
投稿: くま | 2009年3月29日 (日) 21時22分
これは是非欲しいと思い、今日、書店で探したのですが、
まだ入荷していなようでした。
表紙のカタクリで吸蜜しているのは、ギフチョウでしょうか。
赤城姫(ヒメギフチョウ)のこんなシーンを見てみたいと思っているのですが、なかなかチャンスがありません。
投稿: こにタン | 2009年3月29日 (日) 20時15分