『自動車の社会的費用』
宇沢弘文:『自動車の社会的費用 』、岩波新書、(1974年初版)
「地球温暖化」とか、「大気汚染」とか、「エネルギー危機」とか、そんなこんながすっかり解決していたとは、知らなかった…
高速道路利用料金の大幅値下げを含む、国の第二次補正予算が成立したそうだ。
ETC搭載の普通自動車に限定されるそうだが、首都高速などを除く全国の高速道路の利用料金が1000円を上限に改定されるらしい。
このニュースを聞いた時には「川場往復が安くなる!」と、うかつにも一瞬喜んでしまったが、よく考えてみると、頭の中に????が沢山浮かんできた。
「百年に一度の」とか、「未曾有の」とか言われる経済状況の中で「景気対策」の一環として政府与党が打ち出した政策だ。
即効性を求める「景気対策」なのだから、当然、この値下げによって高速道路の利用者が増えなければ意味はないはずだ。
マイカー旅行にバンバン出かけてもらって、いっぱいお金を使ってもらって、そんでもって景気回復!
本当にそうなるのだろうか?
寝たきり老人の紙おむつ代からも、赤ちゃんの粉ミルク代からも税金をとる必要があるほど、「環境問題」は深刻だったはずなのに、「ノーカーデイ」も「鉄道輸送の見直し」もどこかへ吹っ飛んでしまっても良くなったようだ。
補正予算が成立したということは、国会議員の過半数が賛成したということだ。
ということは、国会議員の過半数が「もう地球に優しくしなくてもいい」と判断したということなのだろう。
世界中から責められるんではないだろうか。
責めてももらえず、嘲笑されて相手にもしてもらえなくなるんではないだろうか。
その場合、責められるのではなく、攻められてしまうかもしれない。
高速道路利用料金の値下げに、一瞬でも喜んでしまったような人や、国会議員たちは、この本を読んで勉強した方がいい。
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