2種類のアネモネ
川場で出遭うことができる“春の妖精”の代表格を2種類。
同じキンポウゲ科イチリンソウ属に分類される“アズマイチゲ(写真上)”と“キクザキイチゲ(写真下)”だ。
アネモネ(Anemone)とはイチリンソウ属の属名で、園芸品種として改良されたものが属名のまま流通している。
アズマイチゲとキクザキイチゲは、ともに雑木林の林床や林縁部などに生え、花の形態もとてもよく似ているので間違えやすい。
両者の差異が最もよく出るのは葉で、アズマイチゲの葉が長卵形のコロンとしているのに対して、キクザキイチゲは菊の葉のように切れ込みが深くなるのが特徴だ。
とはいえ、アズマイチゲの葉にも若干の切れ込みが入る場合も少なくないし、キクザキイチゲも若い葉はあまり切れ込みが深くないので、紛らわしいことにはかわりはない。
植物図鑑などによると、草丈は30cmにも及ぶことがあるように記載されているが、川場村で出遭う両種は、せいぜい10~15cmほどで、花の直径も3~4cmと、とても可憐な妖精達だ。
ちなみに、植物学者達によると、白い花弁(花びら)に見えるのは萼片(がくへん)で、花弁を持たない花なのだそうだ。
「花弁ではなく萼片」だと云われればそういうものなのかとも思うが、「花びらではない」と云われると、「これが花びらでなくて何なんだ」と抗弁したくなってしまう。
20090408 アズマイチゲとキクザキイチゲ(谷地地区)
写真上:RICOH GR DIGITALⅡ
写真下:NIKON D300 105MICRO
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