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2009年5月の28件の記事

2009年5月31日 (日)

ZIPPO

20090531zippo

じつは、焚き火が好きである。
ゆらゆらちろちろと燃える炎を見ながら過ごす時間が何より贅沢に感じる。

バーベキュー用に用意された杉の薪ではなく、できれば太めの広葉樹をじょうずに組んで、とろりとした炎を楽しみたい。

きつめの塩で仕込んだベーコンの固まりを熾火で炙り、愛用のナイフで刮ぎながらときどき口に運ぶ。
角瓶があれば、さらにいうことはない。
熾火で点ける一服も至福の時間。

機会があればいつでも焚き火をするために持ち歩いているZIPPOも、もう20年来のつきあいだ。
無粋な100円ライターとはひと味もふた味も違う。
ZIPPOを擦ると、掌の中に小さな焚き火が現れる。

20090531 ZIPPO
RICOH GR DIGITALⅡ

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2009年5月30日 (土)

ヤマトシリアゲ

20090529yamatosiriagemusi

一匹のヤマトシリアゲを見つけた。
尾部をぐいっと反り返らせたオスの姿からこの名が付けられている。

私がまだ中学生の頃、『アニマ』という雑誌が刊行され、そのころの小遣いではなかなかきつかったのだが、毎月欠かさずに購入し食い入るように読みふけっていた。
その『アニマ』のある号で、この虫が紹介されていたことを鮮明に憶えている。

なんと、昆虫のくせに、オスがハートを射止めようとしているメスにプレゼントをするというのだ。

オスはハエなどの小さな昆虫を捕らえると、翅を上下させながらメスがやってくるのを待つ。
餌に釣られてやって来たメスが、やはり翅を上下させながら餌を受け取ればしめたものだ。
メスが餌を食べている間にオスは思いを遂げるというわけだ。

体長、わずか2cmにも満たない小さな虫の世界の恋の駆け引きも、なかなかに面白いものだ。

20090516 ヤマトシリアゲ(後山)
NIKON D300 105MICRO

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2009年5月28日 (木)

シンメトリー

20090528hoonoki

ホオノキが新葉をひろげた。

新しい葉は、梢の先につくので、普通は下から見上げることしかできない。
ホオノキは成長も早いので、今年か、せいぜい昨年に芽生えたばかりの立木を見つけなければこの写真のように観ることはかなわない。

それにしても自然の造形には、いつも驚かされる。
よくぞここまで規則正しい配列を生み出すものだ。

20090516 ホオノキの新葉(後山)
RICOH GR DIGITALⅡ

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2009年5月27日 (水)

自動撮影の記録

20090527inosisi

雪が融け、春の盛りを迎えても友好の森のイノシシたちは健在である。

そろそろ、体躯に斑点模様をもつ“うり坊”達の可愛い姿が写っても良いはずなのだが、いっこうに写らない。

これは、イノシシばかりではない。

テンやタヌキ、キツネにハクビシン等々、様々な動物たちが赤ちゃんを連れている時期のはずなのだが、私が仕掛けた自動撮影装置には全く記録されない。

もしかしたら、動物たちは自動撮影装置の存在には気づいていて、それでもたいした害がないからと被写体に甘んじてくれているのかもしれない。
けれど、可愛い我が子となると話は別で、うさんくさい人間の臭いがぷんぷんするカメラの前などには連れ歩かないのかもしれない。

20090513 イノシシの群(友好の森)
自動撮影装置

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2009年5月26日 (火)

●お詫びと訂正●

昨日掲載いたしました記事“もう一つの猿の腰掛け”に重大な間違いがあったようです。

どうやら私の聞き間違いだったようで、“ヘビの腰掛け”が正しいようです。

いろいろと調べてみました結果、テンナンショウの仲間を“ヘビの腰掛け”と呼ぶ地域は少なからず有るようですが、“猿の腰掛け”と呼ぶ地域は見あたりませんでした。

このブログには、同様の間違いが多くあることと思います。
お気づきの方は、どうぞ遠慮なさらずにご指摘下さい。

いい加減な情報を掲載してしまい申し訳ありませんでした。

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2009年5月25日 (月)

もう一つの“猿の腰掛け”

20090525murasakimamusigusa

※この記事のタイトルと本文中に“猿の腰掛け”という記載がありますが、“ヘビの腰掛け”が正しいようです。お詫びして訂正させていただきます。

写真は、サトイモ科テンナンショウ属の“ムラサキマムシグサ”。

同じテンナンショウ属に分類される植物は、川場村にも何種類も有って、私が記録したものだけでも5種類になる。
川場村特産のコンニャクととても近い植物だ。
一風変わった姿形にファンも多いが、気持ち悪がる人も少なくない。

川場村の人々は、このテンナンショウの仲間を細かく区別することはなく、“ヘビの腰掛け”と総称していたという話を聞いた。
花(仏炎苞)の上部の蓋のような部分の形状を猿が腰をかける椅子に見たてた名前なのだという。
一般に“サルノコシカケ”といえばキノコの仲間なのだが、面白いことだ。

このテンナンショウ仲間は、コンニャクと近いだけあって、コンニャク芋とよく似た「塊茎」とよばれる芋を着ける。
この芋をすり下ろしたり、叩いたりして布に塗り、打ち身やねんざの際に湿布薬として用いたのだという。
毒性があって食用には向かないのだが、利用価値のある植物として認識されていたことが面白い。
誰が、いつ、どのようにして、この薬効を見つけたのだろうか。

20090516 ムラサキマムシグサ(友好の森)
NIKON D300 105MICRO

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2009年5月23日 (土)

アカネスミレ

20090523akanesumire

ホオノキの枯れ葉の脇から身を傾げて顔を出したのはアカネスミレ。

仕事帰りに立ち寄ると、約束をしたわけでもないのに知った顔が必ずいくつか目に入る。
そんな気の置けない店の前を素通りしようとしたときにかぎって、待ちかまえていたかのように暖簾が揺れる。
「あら!おビール冷えてますよ!」

写真におさめたときには、そんなことは全く思わなかったのに、あとから見ていると、そんな情景が浮かんできた。

生ビールが格別に美味しいシーズンがやってきた。
そろそろ下刈りの段取りを始めなくてはならない。

20090516 アカネスミレ(友好の森)
NIKON D300 105MICRO

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2009年5月22日 (金)

☆500記事達成☆

20090522hakubisinn

5月9日、友好の森の自動撮影装置にハクビシンが撮しとめられた。
今年に入ってから2度目の記録だ。

里の動物であるハクビシンの記録が比較的少ないということは、やはり基本的には人家周辺にいて、たまに森林(やま)にもやってくるという生活を送っているのだろう。

人家の天井裏に住み着いて、糞尿で住人を困らせたり、農作物への食害が農家を悩ませたりと、人間との軋轢の多い動物だが、こうしてみると実に可愛い。

ところで、実はこのブログ、この回でなんと第500話目となる。
川場村の森林(やま)づくりに関連した記事しか載せないという限定版でお届けしているのに、さしてネタにつまることもなくここまで来ることができた。
ネタに困らなかったのは、ひとえに森林(やま)の魅力、森林の話題の豊富さに因る。
そして、怠惰で飽きっぽい私が記事のアップロードを続けることができたのは、定期的にご覧戴いている方々からの励ましのおかげだ。

これからも、川場村の森林の面白さの一端をお届けしたいと思う。

20090509 ハクビシン(友好の森)
自動撮影装置

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2009年5月21日 (木)

のんびりタイム

20090521cafe

二日間にわたって実施した専科教室を終えて、一息つきにいつもの場所へ。

しとしとと降り続いた春の長雨にうたれて、木々の新緑も畑のブルーベリーの花もしっとりやさしい姿を見せてくれました。

川場村のカフェ“ティア・ツリー”さんも2年目を迎えました。
静かにゆったりした気持ちにさせてくれるお店です。

この日は、あったかコーヒーと木苺と生チョコのスイーツでのんびりタイムを楽しみました。

森林(やま)づくりの帰り道、ほっと一息つけるひとときでした。

20090521cafe2_2

20090517 ティア・ツリー

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2009年5月20日 (水)

友好の森ナビゲーター講習会

20090520senkakyousitu

5月16~17日の1泊2日の行程で“友好の森ナビゲーター”講習会を実施した。

この資格は、私達の活動のメインフィールドである友好の森に、7~8名程度までの人々を案内することができるというものである。

森林(やま)での活動を安全で充実したものにするために、プログラムの企画立案・友好の森の魅力探し・安全管理等々について学んでいただいた。

参加者は皆さん熱心に受講され、晴れて全員が“ナビゲーター資格”を手にすることができた。

現在、“友好の森”の考え方(理念)を川場村全域に展開したいと思って種々の活動を始めている。
後山の利活用もその一環だ。

“ナビゲーター”の方々とともに川場村の森林(やま)をつくっていきたい。

20090516 ナビゲータ資格講習会(森の学校)
RICOH GR DIGITALⅡ

※昨年の様子は→こちらから

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2009年5月19日 (火)

ヒメクロオトシブミ

20090519ihmekurootosibumi

なかのビレジを出て、ヒロイド原に向かう途中の林道脇で一匹の小さな虫が目にとまった。

大きさは4~5mmほど、触角から脚の先まで光沢のある黒色、小さな頭部とボテッとしたお尻。
ヒメクロオトシブミだ。

ヒメクロオトシブミは、島嶼部を除く全国に生息する普通種で、川場村でも最もよく目にするオトシブミである。

オトシブミの仲間は、植物の葉を器用に巻いて“揺籃”と呼ばれるゆりかごをつくり幼虫を育てることで有名だが、本種は、コナラなどのブナ科の樹木をはじめバラ科やカバノキ科など、広範にわたる樹木の葉を利用する。

越冬は成虫で行うので、写真の個体も川場村の厳しい冬を乗り切った個体なのだろう。

刊行されたばかりの『オトシブミハンドブック』を持参して、オトシブミ観察ツアーに出かけるのも良さそうだ。

20090516 ヒメクロオトシブミ
RICOH GR DIGITALⅡ

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2009年5月18日 (月)

『オトシブミハンドブック』

20090518otosibumihanndobukku 安田守・沢田佳久:『オトシブミハンドブック 』、文一総合出版(2009年初版)

このブログでもリンクをさせていただいている写真家の安田守さんらの手による一冊。

オトシブミの仲間はどれも本当に憎めない。
あんなおとぼけ顔で飄々と森林(やま)のなかで生きている。

ウスアカオトシブミウスモンオトシブミは以前に紹介したが、川場村にはまだまだ沢山のオトシブミがいる。
様々な樹木に、それぞれに異なった揺籃が付いているし、初夏の林道には切り落とされた揺籃が散っている。

オトシブミ達には、積雪期を除いて、ほぼ一年中お目にかかることができるが、その最盛期は春から初夏にかけてである。
まさに、今この時期が面白い。

本書には、わが国に棲息するオトシブミの全種(30種)が掲載されているのだが、オトシブミそのものはもちろんのこと、それぞれにつくる揺籃からも、食草からも検索できるのが嬉しい。

しばらくはオトシブミ探しに夢中になってしまいそうだ。

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2009年5月17日 (日)

春の妖精

20090517usubasirotyou001

しばらく夏のような日が続いたかと思っていたら、この数日は一転して肌寒いような日が続いている。

ヒロイド原を散歩していると、コゴメウツギの葉陰で一頭の蝶が躰を休めていた。

アゲハチョウの仲間の“ウスバシロチョウ”だ。
大きさは、モンシロチョウよりも一回り大きいくらい。
鱗粉が少なく、翅を透して向こうの景色がぼんやりと見える程だ。“薄羽”の名はその様子からつけられている。

1年に一度しか成虫が出現しない蝶で、川場村では4月末くらいから5月いっぱいくらいの間しかお目にかかることができない。
この時期に産み付けられた卵は、なんと8~9ヶ月もの間、卵で過ごし、翌年の2~3月になってようやく孵化する。

お日様が大好きな蝶で、気温の比較的高い時間帯に花から花へと翔びまわるが、あまり翔ぶのが上手ではなく、パタパタ、ゆらゆらと翔んでいる。

幼虫の食草は、ケシ科のムラサキケマンやヤマエンゴサクなどである。

この蝶を目にしなくなる頃、川場村は初夏を迎える。

20090517usubasirotyou002_2

20090516 ウスバシロチョウ(ヒロイド原)
NIKON D300 105MICRO

※写真右下は交尾中のウスバシロチョウ

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2009年5月15日 (金)

アケビの繁殖戦略

20090515akebi

川場村は春まっただ中。
村内のあちらこちらでアケビが満開の時期を迎えている。

アケビは、個体サイズが小さいときには雄花(写真上)しか着けず、大きく育つと雌花(写真下)を着けるようになるのだ。

同株の花粉によって授粉することを避ける上に、繁殖によって個体が消耗することを最低限に抑える工夫なのだろう。

美味しい実を秋に楽しむためには、大きく育てる必要があるということだ。
人間のためにだけではない。
テンやクマ、様々な野鳥や、虫たちのためにもアケビの大株が必要だ。
こうしたことに配慮することでも、農作物への野生鳥獣による被害なども軽減することができる。

ほんの小指の先程の小さな花にビックリするような工夫が込められている。

20090509 アケビの花(小田川地区)
RICOH GR DIGITALⅡ

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2009年5月14日 (木)

息吹

20090514kogera

雑木林の木々も随分と葉を茂らせ、そろそろ春植物たちも地上から姿を隠す時期にさしかかった。

地面の下でも、地上でも、草の上でも、樹の上でも、数え切れないほどの生き物たちが動きを始めている。

冬には冬の、盛夏には盛夏の良さがあるが、生き物たちの息吹を感じられるのはこの時期が一番だ。

樹をたたく優しい音に目を遣ると、コゲラがちょんちょんと跳ねるように幹を伝って餌を探しているところだった。

20090509 コゲラ(小田川地区)
NIKON D90 70-300

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2009年5月13日 (水)

フデリンドウ

20090513huderindou

山地の日当たりが良く、やや乾き気味の土地を飾るのはフデリンドウの空色の花。

本家のリンドウは秋の花だが、本種は、ハルリンドウやコケリンドウなどと並んで春に咲く。
草丈は大きくても10cmほどで、写真の個体は6~7cm。
一輪の花は、直径が2cmにも満たない。
目を凝らして足下に注意を払っていなければ見逃してしまう。

晴れた日の日中にだけ、写真のように花弁を開いて可愛らしい花を楽しませてくれる。
夜間や曇りの日には花弁が閉じ、穂先が捻れた絵筆のような姿になっている。
“フデリンドウ”の名は、この姿から付けられた。
花粉を無駄遣いしないように、ハナバチなどの昆虫が活発に動き回る時にだけ花を開いているのだ。

物言わず、動きもしない植物たちが身につけた繁殖戦略には驚かされる。

20090509 日だまりに咲くフデリンドウ(後山)
NIKON D300 105MICRO

花が閉じた様子は→こちらから

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ノウサギ

20090513nousagi

友好の森の中に仕掛けてある自動撮影装置には、連日ノウサギが記録され続けている。

川場村には、冬になると耳の先を残して全身が真っ白になるトウホクノウサギと、冬でも褐色の毛皮を纏ったキュウシュウノウサギが混棲しているので判然としないが、このところ記録されるのは全て茶色い毛のウサギである。
トウホクノウサギも換毛を終えたと考えて良いだろう。

通常、群をつくらないノウサギが二匹同時に記録されるのも珍しいことだ。
大きさはあまり変わらないように見えるが親子なのだろうか。

20090423 ノウサギ(友好の森)
自動撮影装置

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2009年5月12日 (火)

タケさんとこのムササビちゃん

20090512musasabi

5月9日の朝早く、タケさんの所の“前の森”にお邪魔してきました。
コンロンソウの蕾がほころびはじめ、ラショウモンカズラは花の最盛期を迎えていました。

このところ、川場村を訪れると頻繁にタケさんの所にお邪魔しています。
お目当ては写真のムササビちゃんです。

そおっと近づいてみると、居ましたいました。
少し前に夜のお散歩から帰宅して、眠りに入ったところだったのでしょう。
巣箱から片耳を出したままうとうとしているようです。

巣箱のなかには、きっと可愛い赤ちゃんがいるのだと思います。
開けて覗いてみたいけど、がまん。がまん。

20090509 ムササビ(小田川地区)
NIKON D90 70-300

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オトコヨウゾメ

20090512otokoyouzome

ほの暗い林内にさし込む僅かな木洩れ日のなかに輝くのは、オトコヨウゾメの花。
スイカズラ科の灌木だ。

“ヨウゾメ”とは、同じスイカズラ科のガマズミの別名で、これに“オトコ”が冠されるのは“食えない”ということらしい。
秋になるとガマズミによく似た真っ赤な実をつけるが、これが少しも旨くない。

一輪一輪の花は、直径が僅か4~5mmの小さな小さな花なのだが、ほの暗い林内では目をひく色彩だ。

材は緻密で粘りがあり、様々な用途で使われた樹木だが、最近では見向きもされない“雑木”である。

もう一度、こういう樹木に目を向けることも、これからの森林(やま)づくりには必要だと思う。

20090509 オトコヨウゾメの花(後山)
NIKON D300 105MICRO

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2009年5月10日 (日)

イカリソウ

20090519ikarisou

今年もいつもと同じ場所でイカリソウの花に出逢うことができた。

イカリソウは、低山の風通しの良い明るい林内で見ることができるメギ科の多年草だ。

花の形が和船の4本鈎の碇に似ていることからこの名が付けられたが、碇の鈎に見たてられるのは、花びらが袋状になっ部分で“距(きょ)”と呼ばれる器官である。
この距の奥に蜜を溜め、昆虫を呼び寄せている。

虫が停まることのできる足場もないうえに、下向きに花を咲かせ、さらに距の奥に蜜をもつこの植物は、ホバリング(空中停止)ができるほど飛翔能力の高い虫に花粉を媒介させたいという繁殖戦略をもっている。

20090510ikarisou2 左の写真にあるように、とても細い花茎と、ややいびつなハート型の葉(小葉)が特徴的だ。

一枚の葉に見えるのは、小葉と呼ばれ、9枚で一枚の葉(複葉)を構成している。

20090509 イカリソウ(中野地区)
NIKON D300 105MICRO

※昨年のイカリソウは→こちらから

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2009年5月 8日 (金)

クサノオウ

20090508kusanoou

毛むくじゃらの花芽がほころぶと、鮮やかな黄色い花が春の野山に彩りを添える。

ケシ科の1年生草本の“クサノオウ”だ。

葉や茎を傷つけたときに浸みだしてくる黄色い乳液から“草の黄”だとも、皮膚疾患(瘡:くさ)の特効薬となることから“瘡の王”だとか様々に言われている。

全草にアルカロイドを21種類も含んでおり、この成分が毒にも薬にもなる。
皮膚疾患薬や外傷薬の他にも消炎性鎮痛剤としても用いられてきた。
しかし、この薬効は諸刃の剣で、専門家の判断の下に使用しないと大変なことになる。

誤食すると、消化器内部がただれ、時には死に至ることすらあるので注意が必要だ。

イボクサ(疣草)、タムシグサ(タムシ草)、ヒゼングサ(皮癬草)などの別名をもっている。

20090418 クサノオウ(後山)
NIKON D300 105MICRO

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2009年5月 7日 (木)

ひとりしずかーず

20090507hitorisizuka

その名を疑わざるをえないほど必ず群生するやつ。
ヒトリシズカ軍団。
一人舞を舞う静御前の姿を重ねたてみたとはとても思えないほどに林立していてる。

でも、春にその姿を見ると頬がゆるむ植物の一つだ。

地際からてっぺんまでの高さは10cm程だろうか。
小さいのに、春の雑木林のなかで存在感をアピールしている。

嫌なことだってあるだろう。
隠れてしまいたくなることだってあるだろう。
それでも春になるとちゃんと姿を見せてくれる。

来年もまた逢いたい。

20090418 ヒトリシズカ(小田川地区)
NIKON D300 105MICRO

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2009年5月 6日 (水)

春型のキアゲハ

20090506kiageha

アゲハチョウの仲間は、蛹で越冬するものが多い。
前の年の秋までにたっぷり餌を食べた幼虫が、冬の訪れまでに蛹化し、厳しい季節を乗り越える。
そうして春を迎え、気温が上がって花が咲くのを待って羽化を始める。

キアゲハの場合は多化性といって、春先から秋にかけて何度も世代交代を繰り返すのだが、他のアゲハチョウと同様に蛹で越冬をする。
この越冬した蛹から羽化した成虫(蝶)が“春型”と呼ばれ、その後に春型から生まれた個体を“夏型”という。

春型の個体は、夏型のものよりも小型で、翅の黄色い部分も大きく鮮やかな色彩をしているものが多い。
また、どうしたわけか、春型の個体は夏型に較べて翔び方が俊敏で、そのうえ一所に留まることがない。
そのため、なかなかカメラのフレームに収まってくれない。

この日もしばらく粘って、ようやくピンボケ写真を一枚撮らせてもらうことができた。

20090418 春型のキアゲハ(後山)
NIKON D90 70-300

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2009年5月 5日 (火)

シロバナエンレイソウ

20090505sirobanaennreisou

つい先日は近縁種の“エンレイソウ”を紹介したが、こちらは“シロバナエンレイソウ”。
近縁種ではあるが別種である。
“ミヤマエンレイソウ”という別名が示すように、里ではあまり見かけない。

ユリ科の多年草で、地下茎からすくっと茎を立ち上げ、大きな葉を3枚広げると中央に1輪だけ花を着ける。

緑色の部分は萼(外花被)で、白い部分は花弁(内花被)なのだが、実に見事にデザインされている。

ちなみに“エンレイソウ”が、多雪によく適応した“日本海要素”と呼ばれるグループに分類されるのに対して、本種は表日本によく見られる“太平洋要素”である。

この日は、すぐ隣り合うようにして両種が花を咲かせていたのだが、日本海側の植物と太平洋側の植物が混在するのも川場村の魅力である。

20090418 シロバナエンレイソウ(後山)
NIKON D300 105MICRO

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2009年5月 4日 (月)

カモシカ調査の可能性

20090504kamosika

このところ、ほんとうにカモシカによく出遭う。

元来、深山の動物であるうえに個体数も少ない動物だったので、カモシカの生態調査は困難を極めた。

私のような「勇気ある撤退」をすぐに決めてしまう根性無しには、カモシカ調査に加わるなどという暴挙にでることはとてもできなかった。
それほどまでに、調査者には登山技術と体力が要求されていた。

ところがところが、最近の川場村のように低山帯で、しかも僅かに歩き回るだけでカモシカに遭遇できるとなると話は違ってくる。

もちろん、カモシカたちが異常行動を起こしている可能性もなくはないのだが、それでも調査の可能性がぐっと高まったことには違いない。

カモシカが棲む川場村であることは、間違いなく誇るべきことだ。
この機会を逃さずに生態調査を実施して、人間とカモシカの共存の途を探る必要を感じている。

20090418 ニホンカモシカ(後山)
NIKON D90 70-300

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2009年5月 3日 (日)

エンレイソウ

20090503ennreisou

やや湿り気のある林床で変わった形の花をつけているのはエンレイソウ。
ユリ科の多年草で、北海道大学の校章にもなっている。

葵にも似た、手のひら大の葉を3枚つけ、その中央から一輪の花を咲かせている。
“タチアオイ”という別名がつけられるのも合点がいく。

この植物も繁殖にアリの力を利用している。
少し前に、ホトケノザを紹介したときにも記したが、種にアリが好むエライオソームと呼ばれる付属体をもっており、アリによって運ばれることで分布域を広げる戦略をとっている。

同様の繁殖戦略をもつ植物は、スミレの仲間やカタクリ、ヒメオドリコソウ、ムラサキケマン等々多岐にわたる。

ところで、このエライオソームは、“種枕(しゅちん)”という日本語名をつけられている。
小さな種子に付く、さらに小さな物質をみて、種子の枕に見たてた植物学者の豊かな感性が嬉しい。

20090418 エンレイソウ(後山)
NIKON D300 105MICRO

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2009年5月 2日 (土)

シュンラン

20090502shunnrann

小さな流れのそばでシュンランがひっそりと咲いていた。

昨年は4月23日に確認した。
もっとも毎日観察しているわけではないので開花日がいつだったかはよく解らない。
おおよそこのくらいの時期に毎年出遭っている。

種子から芽生えた後、5~10年も地下生活を送り、やっと地上に出る。
こうして写真で見ると艶やかな花だが、森林(やま)のなかではひっそりと目立たない。

花は食用・薬用にも供される。
塩漬けや梅酢漬けにした花に熱湯を注いだものは“蘭茶”として愉しまれる他、さっと湯にくぐらせてお浸しや和え物などにすることもある。
炙った根を叩き、アカギレの薬としたそうだ。

20090502shunnrann2川場の人々は、森林(やま)の恵をどのように利用してきたのだろうか。
近く調査してみたいと思っている。

20090418 シュンラン(小田川地区)
NIKON D300 105MICRO

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2009年5月 1日 (金)

春の息吹

20090430ruritateha

後山の山頂の未だ若いカスミザクラにルリタテハがやってきた。
ほんとうは樹液が好きなこの蝶が花の蜜を求めている。

こんなにも満開の花を咲かせているのに、根がしっかりと水を吸い始めるのはもう少し先のことなのか、それとも吸った水分が花に使われているのか、何れにしても樹液がたっぷりと流れ始めるのはもう少し先であることをルリタテハが教えてくれた。

ルリタテハは成虫で越冬する。
岩や草の影でじっと冬を耐えてきた蝶が舞い始めた。

20090418 カスミザクラで吸蜜するルリタテハ(後山)
NIKON D90 70-300

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