春の妖精
しばらく夏のような日が続いたかと思っていたら、この数日は一転して肌寒いような日が続いている。
ヒロイド原を散歩していると、コゴメウツギの葉陰で一頭の蝶が躰を休めていた。
アゲハチョウの仲間の“ウスバシロチョウ”だ。
大きさは、モンシロチョウよりも一回り大きいくらい。
鱗粉が少なく、翅を透して向こうの景色がぼんやりと見える程だ。“薄羽”の名はその様子からつけられている。
1年に一度しか成虫が出現しない蝶で、川場村では4月末くらいから5月いっぱいくらいの間しかお目にかかることができない。
この時期に産み付けられた卵は、なんと8~9ヶ月もの間、卵で過ごし、翌年の2~3月になってようやく孵化する。
お日様が大好きな蝶で、気温の比較的高い時間帯に花から花へと翔びまわるが、あまり翔ぶのが上手ではなく、パタパタ、ゆらゆらと翔んでいる。
幼虫の食草は、ケシ科のムラサキケマンやヤマエンゴサクなどである。
この蝶を目にしなくなる頃、川場村は初夏を迎える。
20090516 ウスバシロチョウ(ヒロイド原)
NIKON D300 105MICRO
※写真右下は交尾中のウスバシロチョウ
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