早苗蜻蛉
田んぼの脇を流れる小川のほとりを散歩していると、一匹のトンボが目にとまった。
サナエトンボの一種だとは思うが、私には種名までは判別できない。
トンボの仲間のなかでも、イトトンボと並んで同定が困難なのがサナエの仲間らしい。
この“トンボ”という呼称の由来については、“翔ぶ棒”だとか“翔ぶ穂”だとか諸説あるようだが、“田んぼ”と同義だという説が説得力がありそうだ。
そもそも、“田んぼ”とは、湿地を意味する“だんぶり”“だんぶ”“どんぶ”などという言葉からできたようで、“ドブ”とも同義であるようだ。
わが国が稲作文化を取り入れ、農民達の弛まぬ努力の成果として津々浦々までに田んぼがひろがり、稲作と共に数を増やしたこの虫を“トンボ”と呼んだというのは、とても説得力がある。
また、トンボには“蜻蛉”の字が充てられている。
“青”という字にも、“令”という字にも、“美しい”という意味があるそうだ。
それぞれ、虫偏に“青”と“令”。
美しさに美しさを重ね、すべてが美しい虫という意味が込められているのだという。
話は前後するが、一方の“サナエ”とはいうまでもなく“早苗”を指す。
“早苗”とは稲の苗のことなので、“サナエトンボ”は“田植えの頃に姿を見せる蜻蛉”ということになる。
田植えが終わり、一息つくと、森林(やま)の下刈りの時期となる。
しばらくぶりに使う大鎌の手入れを始めたい。
20090607 サナエトンボ(生品地区)
NIKON D300 105MICRO
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