半鐘蔓
友好の森のなかで、ひっそりと木陰に花を着けていたのはキンポウゲ科のハンショウヅルだ。
園芸品種として人気の高いクレマチスの仲間である。
在来種でも、“仙人草”や“鉄線”“風車”などの近縁種と並んで古くから愛好家をもつグループだ。
“ハンショウヅル”の名は、火の見櫓に吊され、火事を報せる鐘である“半鐘”にその花(花弁ではなく萼片)の形を見たててつけられている。
他の植物に絡まりながら成長する蔓植物であるうえに、長辺が2cmほどの小さな花を下向きに着けるので見つけにくい植物だが、それだけにその存在に気づいたときには頬がゆるむ。
20090607 ひっそりと咲くハンショウヅル(友好の森)
NIKON D300 105MICRO
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コメント
ふじさん
昔の学者たちは、現在の研究者たちに較べて、能力も高いうえに余裕もあったのだと思います。
遊び心満点のネーミングに触れるたびにそう思います。
投稿: くま | 2009年6月18日 (木) 13時44分
動植物の名前って、昔の一般常識を元に、
先人の知恵と機智が加わった「作品」のようなもので、
素晴らしいのが沢山ありますね。
オオイヌノフグリ(また!)の説明の場合は、
雄犬の後ろ姿の(立派な)写真が必要!
投稿: ふじさん | 2009年6月18日 (木) 10時29分
ふじさん!
まさに半鐘ですよね!
以前は“ハンショウヅル”を説明するのに、「“ハンショウヅル”の“ハンショウ”は火の見櫓の“半鐘”のことですよ。」で通じたんですが、最近では半鐘そのものを知らない世代が増えてきていますので難しくなっています。
今度川場に行ったときには、“半鐘”を撮ってこなくてはですね。
投稿: くま | 2009年6月17日 (水) 13時41分
なるほど半鐘がぶらさがってる。
江戸の地口で「半鐘泥棒」てえのがありますな。
物見櫓の半鐘にまで届く程、無駄に背えの高い奴のことだそうで。
そんな人がいたら枝打ち作業んときは便利でして、梯子がいらない。
すみません、脱線でした。
投稿: ふじさん | 2009年6月17日 (水) 10時54分