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2009年7月の26件の記事

2009年7月31日 (金)

シュレーゲルアオガエル

20090731aogaeru

昨日(7/30)から今日にかけて、野生動物の生息状況調査のために後山に出かけてきた。

戻り梅雨のために日中は霧雨、夕方以降は本降りになり、調査のためには生憎の天候で、日中もほとんど陽が射すことはなく、とくに林内はまるで夕方のような暗さが続いた。

けれど、雨天も悪いことばかりではない。

なかのビレジから後山へ向かう途中で、いつもの溜め池に立ち寄ってみると、カヤツリグサ科の“サンカクイ”に一匹のシュレーゲルアオガエルが捉まって我々を出迎えてくれた。

水かきのほとんど無い手足の指先は、まるで漫画のカエルのように先端が丸い吸盤になっていて、なるほど樹上性の高いカエルであることがよく分かる。

卵からオタマジャクシの期間を過ごす水場があること、餌となる昆虫がいること、森林(やま)が水場に隣接すること、等々の条件がそろった環境でなければシュレーゲルアオガエルの棲息は望めない。

このおとぼけ顔に出遭うと、どうもこちらの頬もゆるんでしまう。

20090730 シュレーゲルアオガエル(中野地区)
RICOH GR DIGITALⅡ

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2009年7月29日 (水)

後山のカモシカ親子

20090729kamosika

明日からカモシカの生息状況の調査のために再び後山に入ることになった。
梅雨を挟むこの一月ほどの間に、木々も葉を繁らせ、林床の草丈もずいぶんと高くなっている。
カモシカたちはどうしているだろうか。

後山には、動物の体温を検知して自動でシャッターを切る撮影装置を複数台導入しているのだが、この自動撮影装置(センサーカメラ)の記録から見る限り、とても興味深い状況が明らかになってきた。

川場村に棲息する、中・大型の哺乳動物のうち、ツキノワグマやイノシシ、ニホンジカといった動物が全く記録されないのだ。
後山に自動撮影装置を設置したのが昨年の11月なので、夏から秋にかけての調査はこれからなのだが、少なくとも冬から春にかけてのシーズンには、これらの動物が後山を利用していないということは云えそうである。

後山に、これらの動物がいない理由が見えてくれば、野生動物による農林業被害を防ぐヒントなども得られるかもしれない。

また、他所に較べてカモシカの生息密度が濃いことも後山の特徴だといえる。
カモシカが多いことと、前述のような動物がいないことの間には、何か因果関係があるのだろうか。
こうした点についても継続した調査の結果から見えてくるかもしれない。

写真は、後山内のヒノキの人工林内での一枚。
おそらく親子であろう二匹が間をおいて見つめ合っている。
歩みの遅い我が子を、先に行った母親が振り返りながら待っている図であろう。

20090613 カモシカの親子(後山)
自動撮影装置

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2009年7月28日 (火)

かまぎっちょ

20090728kanahebi

都会でも地方でも、どこででもポピュラーなカナヘビ。
正式和名は“ニホンカナヘビ”。
こんなに馴染みが深いと意外に感じるが、日本固有種である。

森林(やま)の深いところにはあまり棲息せず、林縁部の日当たりの良い草むらなどでよくお目にかかる。

ところでこのカナヘビ、川場村では“かまぎっちょ”と呼ばれている。
どんな由来があるのか、いろいろと調べてみたがよく分からない。
埼玉県辺りでも同じように呼ぶ地域があるらしいこと、カマキリのことを“かまぎっちょ”と呼ぶ地方は多く存在すること、同名の淡水魚がいるらしいこと、などなどは見えてきたのだが、どうしてカナヘビを“かまぎっちょ”と呼ぶのかは依然として不明のままだ。

20090728hayanie

主に小さな昆虫などを食べている肉食の爬虫類だが、彼らも種々の哺乳動物や鳥類など多くの生き物の餌となる。

左の写真は、早春のヒロイド原で出遭ったモズの“はやにえ”。
なぜモズがこのような行動をとるのかは、未だによく分かっていないらしい。
冬期間の食糧備蓄だとか、なわばりの宣言だとか諸説あるが、どれも決め手に欠けるようだ。

ともあれ、モズのはやにえにも“かまぎっちょ”がよく見受けられる。

上:20090711 ニホンカナヘビ(中野地区)
NIKON D90 70-300
下:20090404 モズのはやにえ(ヒロイド原)
NIKON D300 105MICRO

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2009年7月27日 (月)

ツマグロイナゴ

20090727tumaguroinago

これも、中野地区の休耕田を活用した溜め池の縁での一枚。

バッタの仲間としては珍しく、湿地の芦原などに棲息する“ツマグロイナゴ”だ。
写真の個体は雌の成虫で褐色だが、雄は鮮やかな黄色に真っ黒い目玉をしている。
雌雄とも翅の末端と後ろ足の関節付近が黒く、“褄黒稲子”の名が付けられている。
ちなみに“褄”とは着物の裾の端を指す言葉である。

自然界には様々な出来事がある。
今日も全国を席捲しているように記録的な大雨があったり、超巨大台風が上陸したり、暖冬もあれば冷夏もある。
特定の種にとっては、絶滅にさえ繋がるような天変地異にも負けずに、地域の生態系が連綿と繋がっていくために必要なのが“生物の多様性”なのである。

森林なら森林、草原なら草原と、単一の環境下に暮らす生物もそれぞれに多様で、なおかつ、森林と草原、湿地と乾燥地など、多様な環境がモザイク状に配されていることで“豊かな自然”が保たれる。

図らずも、自然界が十重二十重の保険をかけているようなものだ。

この溜め池は、川場村の自然が誇る豊かさを次世代にまで繋げていくためにとても重要な役割を果たしている。

20090711 ツマグロイナゴ(中野地区)
NIKON D300 105MICRO

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2009年7月26日 (日)

シモツケ

20090726simotuke

ヒロイド原を歩いているとシモツケの花が目に入ってきた。

あまり天気が良くなかったことと、撮影者の腕が悪いせいで、あまり綺麗な色が出ていないが、ふんわりとした薄紫色の花が深みを増してきた緑の中に浮かんでいるようだった。

この花を見たときに、なんとなく何かに似ていると思ったのだが、何に似ているのか、なかなか思い当たらなかった。
それが、今日になって何の脈絡もなく、突然に「ああ、あれだ!」と思い当たった。
幼稚園に通っていた頃に大好きだった“桜でんぶ”に花の雰囲気が似ていたのだ。
思い出したとたんに、母にもたせてもらった弁当に敷き詰められていた桜でんぶの甘さが口中にひろがり、無性に食べたくなってしまった。

シモツケは、日当たりの良い、やや乾燥気味の土地を好むバラ科の落葉低木で、樹高は1m程になる。
花の愉しさと秋の紅葉が人気で、古くから庭木としても喜ばれている。

20090711 シモツケの花(ヒロイド原)
RICOH GR DIGITALⅡ

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2009年7月23日 (木)

ニガイチゴ

20090723nigaitigo1

ふた月ほど前の林道脇は、ニガイチゴの白い花がちょうど盛りを迎えていた。
縮緬状の5枚の花弁が涼しげだ。

モミジイチゴの花とも似ているが、モミジイチゴが花を下向きに着けるのに対して本種は上向きに着けるので見分けがつく。

“ニガイチゴ”の名は、果実の中にある種子を噛むと苦いことから名付けれている。
果実自体は甘く、とても美味しいのにとんだ濡れ衣を着せられている。

果実は色や香りや味で鳥や動物を誘い、種子の散布を手伝わせているが、このときに種子まで消化されては元も子もない。
真相は神のみぞ知るところだが、甘い果実で鳥や獣を誘い、はじめの数粒が犠牲になることで「この実は苦いぞ」と学習させ、その後の同胞達はガリガリと囓られることなく、分布域の拡大という目的を達成するのだろう。

なんと巧妙な繁殖戦略であることか。

20090723nigaitigo2

写真上:20090517 ニガイチゴの花
写真下:20090711 ニガイチゴの実
NIKON D300 105MICRO

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2009年7月22日 (水)

ショウジョウトンボ

20090722shoujoutonbo

これも中野地区の溜め池での撮影。
溜め池では、本当に様々なトンボに出遭うことができる。

キイトトンボが黄色いトンボの代表、キトンボがオレンジ色のトンボの代表なら、このショウジョウトンボは紅いトンボの代表だ。
こんなにも紅いトンボであるのに、昆虫学上はアカトンボの仲間ではない。
アカトンボの仲間の胴体が円筒形なのに対し、本種の胴体は扁平であることが別グループに分類されるポイントとなっている。
アキアカネなどのアカトンボに較べると一回り大きく、体つきもいくぶんがっしりとしている。

ショウジョウトンボのヤゴは水生植物が繁茂する環境でないと生きていくことができない。
他のトンボのヤゴには、学校のプールなどで成長を続ける逞しいものもいるが、本種はそのような融通が利かず生息域を狭めつつある。

森林(やま)が涵養した豊かな水が様々な生き物たちを育んでいる。

20090712 ショウジョウトンボ(中野地区)
NIKON D300 70-300

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2009年7月21日 (火)

キイトトンボ

20090721kitotonnbo1
20090721kitotonnbo2

先日ヨツボシトンボを見つけた溜め池に再び足を運んだ。

まるで、そこにだけ重力が働いていないかのように音もなく、滑るようにトンボが空中に浮かんでいた。

蛍光マーカーのような鮮烈な体色。
イトトンボの仲間の中では少し太めの胴体。
目玉の先から尾っぽの先まで4~5cmほどの小さな躰。
“キイトトンボ”だ。

キイトトンボのヤゴ(幼虫)は、水草などの水生植物が繁茂する池で成長し、羽化してからも成虫は池の傍をあまり離れずに生活する。
流れの殆ど無いような、浅い溜め池などが少ない川場村ではあまり多くないトンボだ。

ところで、トンボの脚は、物を掴むようにしかできていないのだという。
獲物を抱きかかえるように掴んだり、休息などのために草に掴まったりといった行為にしか用をなさないのだそうだ。
脚といえば、もっぱら歩くための器官だと思っていたら大間違い。
トンボは一歩たりとも歩くことができないのだ。
そういえば、ほんの少しの移動のためにも、一度空中に飛び上がっている。

20090711 キイトトンボ(中野地区)
上:NIKON D300 105MICRO
下:NIKON D90 70-300

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2009年7月20日 (月)

春の名残

20090720benisijimi

気が付くと、森林(やま)の木々は淡い新緑の季節を終え、力強い濃緑に葉色を変えていた。
川場の森林に夏がやってきた。

写真の蝶は“ベニシジミ”。
停まった状態で横から見ると一円玉くらいの小さな蝶だ。
雪解け間もないころから晩秋までの期間を通じて出遭うことができるが、この蝶の美しさは夏前でなければ楽しむことができない。

ベニシジミには、“春型”と“夏型”という2つのタイプが存在していて、“春型”は写真のように鮮やかなオレンジ色をしているのだが、“夏型”は茶色に近いようなくすんだ色になってしまうのだ。

“春型”と“夏型”は、ちょうど今頃の時期を境に入れ替わっていく。
ベニシジミは、幼虫で厳しい冬を乗り切ったあと、春の訪れとともに蛹になり、そして羽化を迎える。
“春型”の美しさは、じっくりと冬を耐えたご褒美なのだろうか。

20090711 ベニシジミ(ヒロイド原)
NIKON D300 105MICRO

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2009年7月19日 (日)

アナグマの赤ちゃん

20090719anaguma

友好の森はベビーラッシュだ。

先日は、自動撮影装置に“うり坊(イノシシの赤ちゃん)”が写ったことをお伝えしたが、その一週間後にアナグマの赤ちゃんも記録された。

成獣のアナグマに較べると、頭でっかちで、ベルベットのような毛もまだ生えそろっていない。
体長は30cmほどだろうか、小さな躰で深夜の友好の森をちょこちょこ歩いている姿を想像すると、なんとも愉しい気持ちになってくる。

アナグマは肉食に偏った雑食性の動物で、昆虫類にカエルやトカゲ、ネズミ、鳥の卵や雛、動物の死肉などとともに果実やキノコ類なども食べている。

雑食性というと、何を食べても生きていけるかのような勘違いをされがちだが、そうではない。
同じ雑食性の動物である人間のことを思えばわかりやすい。
様々な種類の栄養を必要としている動物なのだ。

多種多様な動植物によって構成される豊かな森林(やま)が彼らの棲息を可能にする。

20090709 アナグマの赤ちゃん(友好の森)
自動撮影装置

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2009年7月18日 (土)

孔雀蝶

20090718kujakutyou

なかのビレジ脇の道沿いにある岩の上で翅を開いていたのは“クジャクチョウ”。
タテハチョウの仲間だ。

翅を閉じたときに見える裏側は、枯れ木のような、石くれのような黒褐色で実に地味な色合いなのだが、いったん翅を開くと写真のように鮮やかな目玉模様が現れる。
この目玉模様は“眼状紋”といって、蛾の仲間などに多くみられるのだが、最大の天敵である鳥類を脅かす機能を持っていると考えられている。

このクジャクチョウ、ヨーロッパから中国、朝鮮半島、樺太、シベリアと極めて広範囲に分布する蝶で、わが国に棲息するものは亜種として区分されている。
亜種名につけられた学名は“geisha”。
翅の眼状紋を、芸者の纏う煌びやかな着物に見たてた学名だ。

どういうわけだか、この蝶に出遭うのは林道の土の上や岩の上などが多い。
写真におさめようと思うと、咲き誇る花の上の方が画になるのだが、地味なところが好きなようだ。
芸者さんだけあって、自分の美しさを引き立てる立ち位置を心得ているかのようだ。

20090711 森林(やま)の芸者さん(友好の森)
NIKON D300 105MICRO

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2009年7月17日 (金)

紫式部

20090717murasakisikibu1

植物の名には風雅なものも多い。
ジュウニヒトエヒトリシズカ、そしてこのムラサキシキブ。

ムラサキシキブの名は、もちろん源氏物語の作者である紫式部からとられたものだが、晩秋を彩る実の美しさが宮中の雅な世界を連想させたのだろう。
わが国では、古くから紫色を高貴な色として特別に扱ってきた文化も関係しているに違いない。

20090717murasakisikibu2他の多くの植物が葉を落とした後で色づく実は目を惹くが、花は周囲の草木に埋もれて目立たない。
この時期にはきっと咲いているはずと、目を凝らして探さなければ見落としてしまうような小さな花だ。

上:20090711 ムラサキシキブの花
NIKON D300 105MICRO
下:20081014 ムラサキシキブの実
NIKON D80 105MICRO

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2009年7月16日 (木)

アカシジミ

20090716akasijimi

朝の散歩に出かけたら、なかのビレジのバーベキュー広場“森のキッチン”のすぐ脇で、見かけない蝶がひらひらと翔んでいた。
色合いや翔び方からタテハチョウの仲間かと思ったが、それにしては小さい。
そう長くは翔ばずに、一本の草の上に停まってじっとしていてくれた。

写真の状態で大きさは五百円玉よりも少し大きいくらい。
よく見ると、後翅に尾状突起がある。
体つきもシジミチョウのようだ。

あとで調べてみると、ミドリシジミの仲間の“アカシジミ”であることが分かった。
ミドリシジミの仲間のアカシジミとはおかしなネーミングだが仕方がない。

幼虫はクヌギやコナラの葉を食草とするが、川場村にはクヌギは殆ど無いため、コナラを餌として成長するのだろう。
成虫(蝶)は、クリの花の咲く時期に重なって出現するといわれている。
そういえば、ヤマグリの花が満開だった。

日中は木の葉の間などでじっとして、夕方になると活発に翔び回るのだそうだ。
そのうえ樹冠部を翔ぶことが多いので、なかなか目にする機会には恵まれない。
見つけたときに精彩に欠ける翔び方をしていたのはそのためだったようだ。

川場村には何度となく足を運んでいるが、そのたびに初めての出遭いがあるから興味が尽きない。

20090711 アカシジミ(友好の森)
RICOH GR DIGITALⅡ

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2009年7月15日 (水)

ユキノシタ

20090715yukinosita1

日陰に射す僅かな木洩れ日の中で、ユキノシタの白い花が輝いていた。
近縁のダイモンジソウにも似た花がとても美しい。

ユキノシタは常緑の草本。
雪の下でも緑の葉をつけることから“雪の下”と名付けられたとも、真っ白な花を雪に見たててこう呼ばれたとも伝えられている。

20090715yukinosita2 昔から民間薬や山菜として親しまれてきた植物である。
若い葉は天麩羅やお浸しに向き、いくぶん酸味のあるさっぱりとした味がなかなかいける。
葉の絞り汁は、ウルシかぶれや中耳炎などに効く。

上:20090711 ユキノシタの花(友好の森)
下:20090516 ユキノシタの葉(友好の森)
NIKON D300 105MICRO

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2009年7月14日 (火)

巨大毒蛇出現

20090714yamakagasi

シャーッ!
今にも人間を頭からひと呑みにしようとしている大蛇。
大きく開けた口からチロチロと揺れる二本の舌を覗かせながら向かってくる。

…というのはウソで、ほんの20cmほどのヤマカガシの赤ちゃんだ。
体験教室に参加してくれた子どもが見つけてくれた。

20090714yamakagasi2 ヤマカガシは、主にカエルを餌にしている蛇だ。
ヒロイド原に水辺の整備を始めたおかげでカエルが増えてきたのかもしれない。

元来とてもおとなしい蛇なのだが、強い毒をもつ毒蛇でもある。

※ヤマカガシの毒についてはこちらから→ヤマカガシ

20090712 ヤマカガシの赤ちゃん(ヒロイド原)
RICOH GR DIGITALⅡ

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体験教室

20090714taikennkyousitu

7月11日から12日にかけての1泊2日で、森林(やま)づくり塾の体験教室を実施した。

この教室は、親子連れの参加者を迎えて、川場村の良さ、森林(やま)の楽しさを感じていただくことが目的だ。

初日は、村内谷地地区のお母さん達を講師に迎えて、ともに川場村名産のブルーベリージャムと蒟蒻の作り方を教えていただいた。

21世紀を迎えたことを記念して、村内の篤農家から2001本の苗木の寄贈を受けたブルーベリーの畑でたっぷりと収穫した後は、ブルーベリーに砂糖をまぶして煮詰め、美味しいジャムをつくりお土産に。

2日目は、昨年から整備を開始した水辺周りの草刈に汗を流した。

20090711 ブルーベリーのジャムづくり(友好の森)
NIKON D300 105MICRO

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2009年7月12日 (日)

うり坊

20090712uribou

5月23日の記事で、そろそろ“うり坊”が記録されても良い頃だと書いたばかりなのだが、ついに“うり坊”が記録された。

“うり坊”とは、イノシシの子どもで、躰に斑点や縞模様をもつものをいう。
マクワウリなどにみられるような模様をもつことからこのように呼ばれている。

あまり写りの良くない写真だが、この写真の中に一頭の母シシと7頭ものうり坊が写っている。

畑を荒らしたりして厄介者扱いされるイノシシが、これ以上増えることを手放しで喜ぶことはできないが、この可愛らしさにはまいってしまう。

イノシシは2歳で初出産し、以降毎年出産。
5~6月に平均4~5頭の仔を産むといわれている。
さらに近年では、放逐されたり逃げ出したりしたブタとの混血が進み、多産の傾向にあるという。

20090702 イノシシの赤ちゃん(友好の森)
自動撮影装置

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2009年7月 9日 (木)

ペアのカモシカ

20090709kamosika

後山のヒノキの人工林内に設置した自動撮影装置がペアのカモシカを捕らえた。
おそらく、雌雄なのだろう。

こうして二頭並べてみると、同じカモシカでも随分と個体差があることが分かる。
角の太さや長さ、マーキングに用いられる眼下腺の形状、耳や鼻の形等々、様々な点に差異が見られる。

こうした特徴を記録し、整理してデータベース化すれば個体識別もできるようになる可能性がある。
個体識別ができるようになると、個体毎の行動範囲や他の個体との関係、個性などまでが分かるようになるだろう。
そうなれば、カモシカの保護にも役立つだろうし、人間との軋轢を軽減する途も見えてくるに違いない。

それにしてもこの二頭。
カメラのフレームを理解しているかのような立ち位置だ。

20090613 二頭のカモシカ(後山)
自動撮影装置

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ハラビロトンボ

20090709harabirotonnbo01
20090709harabirotonnbo02

川場村の誇る道の駅“田園プラザ”の前には、美しい水田がひろがっている。

風に揺れる稲を眺めていると、何匹ものハラビロトンボが稲の頭すれすれをすいすいと音もなく翔びかっているのが目に入った。

ハラビロトンボは、その名のとおり腹部が広い。
体長は3cm程と小型だが、鮮やかな色彩と腹部の広さが特徴的で、存在感のあるトンボだ。

上の写真がメス、下の写真がオスなのだが、オスも未成熟なうちはメスと同様の体色をしており、成熟するに従ってまず真っ黒になり、さらに成熟すると写真のように青みが増してくる。

農民が森林(やま)を育て、森林が蓄えた水が水田を潤し、カエルやトンボが稲をまもる。
こうした循環を意識することが森林(やま)づくりには大切である。

20090627 ハラビロトンボの雌雄(立岩地区)
写真上:NIKON D300 105MICRO
写真下:NIKON D90 70-300

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2009年7月 8日 (水)

巨大なあいつ

20090708yamanamekuji

後山を散策中に巨大なあいつに出遭った。
ヤマナメクジだ。

あまり躰を伸ばした状態ではなかったが、それでも12~13cm程度はあった。
躰を伸ばせば15cmは軽く超えるだろう。

生物学上では“原始腹足目ナメクジ科”に分類されている。
“原始腹足目”とは、なんと真っ直ぐなネーミングであろう。

ナメクジの仲間は、カタツムリの殻が退化したものだと考えられており、陸生巻貝の一種である。

山中に棲み、コケや落葉などを餌としている。

嫌われがちな彼らだが、森林(やま)づくりの仲間である。
忌み嫌わずにじっくりと観てやってほしい。
なかなかに可愛いのである。

20090627 ヤマナメクジ(後山)
RICOH GR DIGITALⅡ

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2009年7月 6日 (月)

田んぼは俺がまもる

20090706toukyoudaruagaeru

トウキョウダルマガエルが田んぼのなかで気を吐いている。
「この田んぼは俺がまもる」と言っているようだ。

大変に食いしん坊のカエルで、昆虫はもちろんのこと小型のカエルや、時にはヘビなどまでも食べてしまう。
頭骨と顎の骨を結ぶ腱が異常なほど強いので、かなりの獲物までを頬張ることができるらしい。

ところで、このカエル、一般には“トノサマガエル”と呼ばれている。
1941年に確認されるまでは、日本全国に“トノサマガエル”が棲息していると考えられていたが、西日本の一部に棲息するグループが別種と判明、後に“ナゴヤダルマガエル”と呼ばれることとなる。
さらに1960年代に入り、関東平野から仙台平野にかけて棲息するグループも別種であることが確認され“トウキョウダルマガエル”と名付けられた。

けれども、子ども達は今でも“トノサマガエル”と呼ぶ。
それで良い気もする。

旺盛な食欲で田んぼを害虫からまもり、私たちに旨い米を食べさせてくれている。
彼らがいなかったら、どれだけの農薬を使わなくてはならないだろう。
こういう大切な仕事をしているのだから、やっぱり本当の“殿様”だ。

20090627 トウキョウダルマガエル(立岩地区)
NIKON D300 105MICRO

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2009年7月 5日 (日)

ノウサギ

20090705nousagi

先月の中旬に、すっかり夏毛のノウサギが記録された。

何を見つめているのだろうか。
視線の先には、尾根に続く斜面がある。
キツネでも通ったのだろうか。
目は斜面の上を見据えながら、両耳は左右に振り分けて周囲の警戒を怠っていない。

写真からは分からないが、おそらく鼻もひくひくさせているに違いない。
五感、いや六感までを働かせながら情報収集に努めていることだろう。

肉食動物と違って、食糧の確保は比較的容易な草食動物だが、自らが捕食される危険性と常に背中合わせで生きている。

植林木をカミソリのように鋭い前歯で食害し、林業関係者からは嫌われる彼らだが、豊かな森林(やま)があれば大丈夫。
キツネやテン、それに猛禽類などが彼らの爆発的な増殖を抑えてくれる。

20090610 夏毛のノウサギ(友好の森)
自動撮影装置

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2009年7月 4日 (土)

カウンターアソールト

20090704kumayoke1

川場村にはツキノワグマも棲息している。

ツキノワグマは本来臆病な動物で、自ら人を襲うことはまず無い。
人どころか、他の動物を襲って食べることすら殆どないといわれている。

それでも、残念なことに毎年のように人が襲われて重傷を負う事故が起こっている。
特に、この時期は子連れのクマが出歩く時期なので注意が必要だ。
人間の怖さを理解できていない小熊は警戒心が薄ので、人間の活動域に踏み込んでしまう。
小熊は、まるで縫いぐるみのように可愛らしいので、迂闊な人間が近寄っていってしまったりすると母熊は小熊を守るために必死の行動をとることになってしまう。

野生動物と人間の不用意な接近遭遇は、お互いに不幸な結果を招くことが多い。
互いの間の正常な緊張関係を保つことが重要だ。

写真のスプレー缶は、“カンターアソールト”というクマ撃退用品である。
唐辛子の辛み成分であるカプサイシンが混入されていて、強烈な効果をもたらすという。

この製品は、檻で捕獲されたクマの学習放獣などの際にも用いられている。
学習放獣とは、捕獲したクマに様々な方法で「人間は怖い」ということを憶えさせてから放つ方法である。
動物写真の第一人者である宮崎学氏などは、氏が設置している自動撮影装置に、学習放獣されたクマが繰り返し記録されることや、何度も同じ個体が檻に捕獲されることから、クマが人間を怖れなくなっており、そのうえ、学習放中によって人間に恨みをもつ個体が増加しているのではないかと警鐘をならしている。

そうしたことを考えると、気安く使うわけにはいかない道具なのだが、森林(やま)のなかで様々な活動を実施している私などが、クマとの接触事故を起こすわけにはいかないのでこうした道具も持参する必要がある。
私のような立場の者が接触事故に遭ったりすれば、人間にとっても、クマにとっても不幸な結末を招くことは目に見えているからだ。

ツキノワグマとはどういった動物なのか勉強を怠ることもできない。
人々が元気に働く村をつくることが不幸な事故に対する一番の予防策でもある。

それにしても、この製品の効能書きは凄まじい。
“用途”として「ツキノワグマ、ヒグマ、ホッキョクグマ、ネコ、サル、イノシシ、ライオン、アフリカ象、バッファローなどの哺乳動物を撃退する」とあるのだ。

20090704kumayoke2

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2009年7月 2日 (木)

ギンリョウソウ

20090702ginryousou

前回のショウキランに続いて、これも菌根菌と共生することで栄養を得ている腐生植物だ。

イチヤクソウ科の多年草で“銀龍草(ギンリョウソウ)”という名が付けられている。
葉緑素をもたない蝋細工のような姿形から英語圏では“Wax-flower(ワックス・フラワー)”と呼ばれている。
中国語圏では“水晶蘭”と美しい呼び方だ。

わが国では、別名“幽霊茸”とも呼ばれるが、キノコの一種だと思われていたのだろう。

山中の陽が射さないところで、落ち葉が堆積し腐植化しているような環境に育つ。

こんなに変わった姿をしていても、れっきとした虫に花粉を運ばせる虫媒花である。
人間の目からは純白に見えても、虫の目でみると“虫心”を掴んで放さない模様をもつ花が多いのだが、本種は虫からみても純白なのだそうだ。
太陽光線を全草で反射することで存在をアピールし虫を誘う。

菌-植物-昆虫のコンビネーションのなかに生きている植物だといえる。
目には見えないコンビネーションを知ることも森林(やま)づくりにおいては必要なことだ。

20090627 ギンリョウソウ(後山)
RICOH GR DIGITALⅡ

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ショウキラン

20090701shoukirann

川場谷の渓流のそばで一風変わった花に目がとまった。
約7~8cmの花茎の先に直径2~3cmほどの可憐な花を咲かせている。

ラン科の多年草の“ショウキラン”だ。
多くの植物と異なり、光合成を行わない植物で、菌根菌と共生することで生きている“腐生植物”である。

葉もあるのだが、鱗片状のごく小さなもので、葉緑素ももたないことから殆ど目立たず、地面から直接花茎が伸びているように見える。

花の姿を道教の神である鍾馗様に見たててこの名が付けられたというが、この花からは、とてもあの恐ろしい顔つきの鍾馗様を想像することはできない。

20090628 ショウキラン(川場谷)
NIKON D300 105MICRO

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2009年7月 1日 (水)

カツラの巨木

20090701katura

先月末の梅雨の合間に川場村の最奥部、川場谷の植生調査に出かけてきた。

川場谷は、渓谷の清流沿いにケヤキやミズナラ、トチノキなどの巨木が林立する幽玄の森林だ。

渓流に足を濡らしながら2時間ほど歩くと、カツラの老木がそびえ立っていた。
35mを超える樹高、威風堂々とした姿形。
この森林の王であるかのような、この老木を目にすると畏敬の念を覚える。

主幹の根元から複数の萌芽を出し、箒状の樹形を呈するのがカツラの特徴だが、この老木は、直径1m近い幹だけでも10本以上、鉛筆ほどの太さのものまでを算えると数百本もの幹を直立させている。
これらの数え切れない程の幹が一体となって、目通り周囲は10mを軽く超えているだろう。

私たちが友好の森に植えたカツラの若木が、数百年後にはこのような勇姿を見せてくれることを夢見たい。

20090628 老桂(川場谷)
RICOH GR DIGITALⅡ

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