孔雀蝶
なかのビレジ脇の道沿いにある岩の上で翅を開いていたのは“クジャクチョウ”。
タテハチョウの仲間だ。
翅を閉じたときに見える裏側は、枯れ木のような、石くれのような黒褐色で実に地味な色合いなのだが、いったん翅を開くと写真のように鮮やかな目玉模様が現れる。
この目玉模様は“眼状紋”といって、蛾の仲間などに多くみられるのだが、最大の天敵である鳥類を脅かす機能を持っていると考えられている。
このクジャクチョウ、ヨーロッパから中国、朝鮮半島、樺太、シベリアと極めて広範囲に分布する蝶で、わが国に棲息するものは亜種として区分されている。
亜種名につけられた学名は“geisha”。
翅の眼状紋を、芸者の纏う煌びやかな着物に見たてた学名だ。
どういうわけだか、この蝶に出遭うのは林道の土の上や岩の上などが多い。
写真におさめようと思うと、咲き誇る花の上の方が画になるのだが、地味なところが好きなようだ。
芸者さんだけあって、自分の美しさを引き立てる立ち位置を心得ているかのようだ。
20090711 森林(やま)の芸者さん(友好の森)
NIKON D300 105MICRO
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