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2009年8月の29件の記事

2009年8月31日 (月)

ムモンアカシジミ

20090831mumonnakasijimi

ヒロイド原の一画に“ひれーど・がるてん”というハーブ畑がつくられている。
地域の農家達が来訪者を迎えるために作った畑だ。
ここでは、多種多様なハーブが栽培されているが、蝶の好む花を咲かせる種類も多く、絶好の観察ポイントとなっている。

この日は、川場村では初見の“ムモンアカシジミ”と出遭うことができた。
群馬県の絶滅危惧Ⅰ類に指定されている蝶だ。
群馬県の指定する“絶滅危惧Ⅰ類”とは、「絶滅の危機に瀕している種」を指している。

幼虫は、ミズナラやコナラなどの葉や、そこに来るアブラムシやカイガラムシなどを食べて育つ雑食性である。
シジミチョウの仲間は、幼虫時代にアリの好む甘い汁を分泌し、その代償にアリに守ってもらうという巧妙な成長過程をもつものが多いのだが、本種は、その中でも進化した種であるのか、甘い汁さえ出さずに臭いだけを発し、アリに守ってもらっているちゃっかりものである。

成虫は、雑木林の木々の樹冠上を翔び回ることが多いため、なかなかお目にかかることはできない。

長く川場村に通っているのに、今年になって初めてお目にかかることができたのは、偶然なのか、冷夏の影響なのか、はたまた森林(やま)づくりの成果なのか、気になるところである。

卵で越冬し、成虫には盛夏の季節のみ出遭うことができる。

20090819 ムモンアカシジミ(ヒロイド原)
NIKON D300 105MICRO

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2009年8月30日 (日)

ニホンジカの母子

20090830nihonnjikanooyako

一月ほど前の写真。

ヒロイド原でニホンジカの親子が記録された。

川場村では、数年前まで殆ど見ることの無かったニホンジカだが、近年の寡雪傾向のなかで個体数を増やしている。
今のところ、川場村では深刻な農作物被害などは聞いていないが、これからどうなっていくのだろうか。

これまでいなかった動物なのだから駆除するというのも短絡的すぎる。
暖冬や寡雪の影響は、植物にも、昆虫にも、ありとあらゆるところに表出するはずだ。
植物の種組成も変わるだろうし、それに連鎖して全てが影響を受ける。
逆に言えば、どこか一部だけが変化したとすれば、それは不健全な状態であるはずだ。

ある生物が生態系の中で担う役割を専門用語で“ニッチ(生態的地位)”という。
くだけた言い方をすれば、自然のなかでその生物が棲息・生存を許された居場所ともいえる。

川場村でのニホンジカのニッチを見極めることも、私たちの森林(やま)づくりに課せられている。

20090725 ニホンジカの母子(ヒロイド原)
自動撮影装置

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2009年8月29日 (土)

オオゾウムシ

20090829oozoumusi

今年の川場村は本当に虫が少ない。

冷夏と長雨のためだろうか。
他地域との比較ができないので、短絡的に地球温暖化のためだとか、大きな話をするのは避けた方がよいが、川場村では、花の咲く時期や花着きの具合なども例年とは若干異なっているように感じられる。

虫が少ないということは、虫に花粉を運ばせる種類の植物にも影響が出るだろうし、虫を餌とする多くの生物にも受難の年だということになる。

緩やかなうねりをもつ自然の移ろいの一環であるならば、それほど心配はないのだが、真相はどうなのだろうか。

村の農家の方々も、これから収穫時期を迎える米やリンゴを心配している。

写真は、そうした中で見つけた“オオゾウムシ”。
オオゾウムシは、成虫になってからも数年間を生きる長寿の昆虫だ。
羽化後の1~2年は、躰に茶褐色の粉をまとっているが、3年以上の個体になると写真の個体のように、粉が取れて真っ黒い体色になる。

20090819 オオゾウムシ(ヒロイド原)
NIKON D300 105MICRO

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2009年8月27日 (木)

ツリガネニンジン

20090827turiganeninnjinn

以前、キク科のオケラについて「ヤマで旨いはオケラにトトキ…」と詠われる、ということを紹介したが、本種がそのもう一方のトトキである。

トトキとは、ツリガネニンジンの古称である。
花が鐘楼の釣鐘に似ていて、根が朝鮮人参に似ることから現在の和名が用いられるようになった。

春先に出る若い葉をお浸しにしたり、ヨモギの葉とともに胡麻和えにするなどして食用に供される他、汁の具、卵焼き、油炒めなどにもする。
また、根も、きんぴら、和え物、粕漬け等に用いられる。
これほど、全国津々浦々で食卓を飾るものは珍しいといわれるほどの山菜だ。

また、根にはサポニンやイヌリンを含み、“沙参(しゃじん)”という名の生薬としても有名だ。
内服薬としては、咳を鎮め、痰をきるなどの他、外用薬としても疥癬症などに用いられてきた。

キキョウ科の多年草で、林縁などの比較的明るいところで可憐な花を楽しませてくれる。
ツリガネニンジンの花は、もう秋の入口に入ったことを教えてくれる。

20090819 ツリガネニンジン(ヒロイド原)
NIKON D300 105MICRO

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2009年8月26日 (水)

自然観察の心得

20090826himehaiirokagiba

自然を観察するときに気を付けなくてはならないことがある。

人は、ついつい安心感を求めてしまう。
その結果、せっかく自然のなかに浸っているのに、自分が知っていること探しを始めてしまうのだ。
これは○○、あれは△△、などと既に知っていることを確認することに終始してしまう。

自然は、とても複雑で、誰にだって知らないことばかりなのに、知っていることばかりに目がいってしまうと、知らないものごとの存在に気づくことができなくなる。

これはかなり注意していないと、つい落ち込む罠なのだ。
年齢を重ねれば重ねるほど、この罠にかかりやすい。

子ども心を忘れない魅力的な大人が見せるワクワク顔は、知らない物事を見つけることができている証明なのである。

自然観察の要諦は、未だ知らぬことに出遭う喜びにある。
そして、森林(やま)づくりに欠くことができないのが自然観察なのである。

写真に写っているのは、“ヒメハイイロカギバ”という小さな蛾である。
手の親指の爪くらいの大きさだ。
決して珍しくない蛾なのだが、その存在に気づく人は殆どいない。

20090819 ヒメハイイロカギバ(友好の森)
NIKON D300 105MICRO

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2009年8月25日 (火)

カモシカ

20090825kamosika

“カモシカ”というのはどういう意味の言葉なのか、長い間不思議に思ってきた。
東北地方にはアイヌの文化が残されていることから、“カムイ(神)”の鹿かとか、古くから獣肉を食すことを禁じる文化があったことから、これは獣の肉ではなく、鴨の肉であるといったからだとか、様々に想像を膨らませてきたが、どれも見当違いであった。

カモシカは“氈鹿”と書くのが正答らしい、よくある“羚羊”はレイヨウ類を指す言葉で、わが国固有種のニホンカモシカの場合は“氈鹿”と書く。

“氈鹿”の“氈(かも)”とは敷物のことで、敷物に適した鹿という意味らしい。

林業関係者や狩猟関係者が大切にしている尻革がカモシカのものであることにも合点がゆく。

また古くは“褥(にく)”とも呼ばれていたそうだが、この言葉も寝床に敷く毛氈を意味する言葉なので、カモシカの毛皮の優秀さをうかがい知ることができる。

20090705 ニホンカモシカ(後山)
自動撮影装置

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2009年8月24日 (月)

アカハネナガウンカ

20090824akahanenagaunnka

大学生達との下刈りの最中にオレンジ色の小さな虫を見つけた。
アカハネナガウンカだ。
体長は大きいもので3mmほど。
ススキなどの汁を吸って生きている。

生物学上では、セミやカメムシなどと同じ半翅目に分類されている。
このグループは、ストローのような口を植物にさし込んで汁を吸うのが共通する特徴である。
アカハネナガウンカも、やはりストロー状の口をもっている。

なんともおとぼけ顔のこの虫に出遭うと、つい頬がゆるんでしまう。

ところで、この虫に出遭うのが毎年同じ時期であることに気づいた。
一昨年は8月23日、昨年は8月20日、そして今年は8月19日に写真におさめている。
まさか、発生期が一日だけということはないと思うが、成虫になって翔び始める時期は、ほぼ一定しているようだ。

小さな躰に不釣り合いな程大きい翅をもち、決して上手とはいえないふらふらした翔び方をするこの虫は、おそらく子孫を残すために翔ぶのだろう。
ある時に一斉に成虫になり、次世代を残すと僅かな時間で他の生物に補食されてしまうのではないだろうか。

どうやら、この虫に出遭うと、秋の入り口に立ったことを自覚する必要がありそうだ。

20090819 アカハネナガウンカ(ヒロイド原)
NIKON D300 105MICRO

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2009年8月22日 (土)

ニホンミツバチの蜂球

20090822hatidama

友好の森のなかに、もう何年もの間ニホンミツバチが巣を作っているケヤキの大木がある。

以前、ニホンミツバチの巣棚が何ものかによって掻き出されてしまうという事件をお伝えしたが、ちゃんと再生したようだ(その時の様子は→こちらから)。

ときどきこの巣が気になって見に行っているのだが、珍しい光景を目にすることができた。

いつものように、そっと巣に近づくと、妙に巣の回りが騒々しい。
入口付近に働き蜂が沢山飛び回っている。
ふと足下に視線を移すと、沢山のミツバチが固まりになって躰を震わせていた。

ニホンミツバチはスズメバチに襲われると、数多くの働き蜂がスズメバチに群がり、蜂球と呼ばれる塊をつくる。
そして、躰を震動させることで熱を発し、その熱を塊の内部に蓄積することでスズメバチを蒸し殺すのだという。
このときの内部温度は47℃にも達するのだそうだ。

話には聴いていたのだが、実際に目にするのはこのときが初めてだった。

セイヨウミツバチには無い防衛手段で群を守るニホンミツバチなのだが、全国的にはその生息域を狭めつつある。

20090819 スズメバチを蒸し殺すニホンミツバチ(友好の森)
NIKON D300 105MICRO

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うり坊のその後

20090821inosisinoko

7月12日の記事で、うり坊が記録されたことをお伝えしたが、今回はその後のうり坊達。
写真は8月16日の撮影なので、ちょうど一月ほどが経過したことになるが、躰からはもうすっかり縞模様が消え“うり坊”時代を過ぎたことが分かる。

それでも、まだ柴犬くらいの大きさだろうか、こんなに小さなイノシシ達が友好の森を歩き回っている。

とても慎重で賢い彼らを直接目にすることは殆ど無いが、自動撮影装置のおかげで彼らの姿を捉えることができた。

20090816 イノシシの子ども(友好の森)
自動撮影装置

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2009年8月20日 (木)

下刈り

20090820sitagari

2泊3日で実施した、大学生達の実習も無事終了。

3K(キツイ・汚い・危険)産業といわれて、何かと逆風が吹く林業だが、仕事の後のビールがこんなに美味い仕事が他にあるだろうか。

そんなことも伝えたくて、この実習を毎年企画している。
実際に、それまではビールが飲めなかったのに、この実習を期にビール好きになった学生も沢山いるのだ。

残念ながら、今年の夏はギラギラと照りつける太陽には恵まれず、下刈りの醍醐味を充分に味わってもらうことができなかったが、それでも汗だくになって作業を行った。

下刈りは、植林された苗木を守り育てるために必要な作業だ。
林内の風通しをよくすることで、苗木を病害虫から守り、雑草との競争に勝てるように応援する。

今年も大学生達の汗が、少しだけ川場の森林(やま)を育てた。

20090820 下刈りの実習(ヒロイド原)
NIKON D300 105MICRO

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2009年8月19日 (水)

サワガニ

20090818sawagani_2

意外と知られていないことだが、サワガニは秋の繁殖シーズン以外は水場を離れ、森林内で暮らしている。

森林内の草刈りなどをしていると、水辺からかなり離れたところで彼らに出遭うことがよくある。

サワガニもエラ呼吸をする生物なので、呼吸のためには、当然水分が必要なのだが、僅かな水分を上手く利用する術をもっているからこそ、行動圏を広げることができるのだ。

小さな躰でハサミを振り上げて威嚇のポーズをとっている。

20090818 サワガニ(友好の森)
RICOH GR DIGITALⅡ

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大学生達の川場実習

20090818jisshuu

大学生達を約40名引き連れて、川場村を訪れた。
林業の実習と都市と農山村の交流の現場を体験することが目的だ。

こうした実習を開始して約20年になる。
毎回40~50名の学生を連れてきているので、川場の森林(やま)に育ててもらった学生もそろそろ1000名に近い。

この実習を経験して、卒業した学生達の中には林野庁や環境省に勤めている者もいれば、都道府県の森林・林業関連の職員になった者もいる。その他にも、野外活動のコーディネーターになった者、林業関係の専門書を世に出す出版社に勤める者、木材を扱う企業に勤めた者、研究者になった者。
実に多くの卒業生が川場の森林に育てられ、それぞれの職場で頑張ってくれている。

本当に嬉しいことだ。

彼らが、日本各地の、世界各国の森林や林業について考えるとき、川場の森林が物差しになっているはずだ。

今日の実習は、春の“森林(やま)づくり塾”で駒打ちをしたシイタケの榾木(ほだぎ)の天地返しという作業だ。
榾木の地面に接しているところと、宙に浮いているところを上下逆さまにひっくり返し、榾木の内部の湿度条件を均一に整えるための作業である。

重たい榾木を崩れないように斜面に組み上げる作業はなかなかの重労働である。

20090818 学生実習(友好の森)
RICOH GR DIGITALⅡ

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2009年8月17日 (月)

まんじゅう草

20090817katabami

小さな黄色い花を着けているのは、カタバミ科のカタバミだ。
3枚の葉(三出複葉)がクローバーに似ていることから混同されることも多いが全くの別種である。

茎にシュウ酸やクエン酸、酒石酸などを含むため噛むと酸っぱい味がする。
そのため“酸物草(すいものぐさ)”などという別名ももっている。
川場村では、女の子達のままごと遊びに使われ、“まんじゅう草”と呼ばれていたそうだ。

初夏から秋にかけて、道端や田んぼの畔などに5弁の花を咲かせている。

明日から、大学生達の学外実習で川場村を訪れる。
地元の方々との交流や森林(やま)の下刈りが目的だ。

20090804 カタバミ(友好の森)
NIKON D300 105MICRO

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2009年8月16日 (日)

たーまやー!

20090816sisiudo

ひゅるひゅるひゅる どーん!
川場の森林(やま)に大玉の花火が一輪。

夏の野山を彩るセリ科の多年草でシシウドという。
株が大きく成長しないと花を咲かせない植物で、花を咲かせるまでには4~5年かかる。
花が終わると枯死してしまう儚さも花火のようだ。

本種をはじめ同属の植物には顕著な薬効成分が認められるものが多く、属(シシウド属)をあらわす学名は“Angelica”。
その薬効を天使の力に見たてた学名だと言われている。

シシウドの根を秋に掘り取り、割って陰干しにしたものは“独活(どっかつ)”という生薬名で古くから利用されていたようだ。

美味しい蜜を出す花のようで、ハチ、アブ、蝶、ハナカミキリ等々、多彩な昆虫が訪れる花でもある。

20090807 シシウドの花(富士山地区)
RICOH GR DIGITALⅡ

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2009年8月15日 (土)

コガタスズメバチ

20090815kogatasuzumebati

冷夏と長雨の影響なのか、夏らしい日が少ないと思っていたら秋の気配が漂いはじめた。

小学生たちをヒロイド原に案内した帰り道、林道を歩いていると一人の小学生が蜂の巣を見つけた。
子どもは本当に目が早い。

林道沿いに植えられた、高さ14~15mほどのスギの木の枝にバレーボールくらいの大きさのスズメバチの巣がかけられていた。
コガタスズメバチの巣だ。

コガタスズメバチは、スズメバチの仲間の中では中くらいの大きさの蜂で、躰の模様などは凶暴なオオスズメバチによく似ているが、樹上に巣を作ることや、大きさがやや小振りなことなどで区別することができる。
性格もキイロスズメバチやオオスズメバチに較べれば温厚なのだが、庭木などにも巣を作るため、剪定中に巣の存在に気づかずに触れてしまい刺される事故が多発している。

秋に入ると、スズメバチたちの攻撃性が増すので注意が必要だ。
といっても、スズメバチは人間を食うために積極的に攻撃を加えてくるわけではないので、あまり神経質になる必要はない。

スズメバチが近づいてきたときには、眼球を刺されないように目を伏せ、ゆっくりとしゃがんでやり過ごすのが一番だ。

20090804 コガタスズメバチの巣(友好の森)
NIKON D90 70-300

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2009年8月14日 (金)

ムラサキツメクサとマメコガネ

20090814mamekogane

きちんとした記録をとってはいないのではっきりしたことは分からないが、6月の中旬ぐらいからだろうか、マメコガネが一斉に羽化して目につくようになる。
以降、秋口まではこのコガネムシに出遭うことができる。

その名のとおりマメ科の植物をはじめ、ブドウ科、ブナ科、バラ科等々、実に様々な植物の葉や花を食べる虫だ。

体長は1cmあまりと小さな虫なのだが、集団でいることが多いことや、金属光沢をもった綺麗な体色のせいで目立つ存在である。

ところで、このマメコガネは日本固有種なのだが、アメリカでは日本から持ち込まれたコガネムシであることから“Japnese Beetle(ジャパニーズ・ビートル”という名で悪名を轟かしている。
既に1916年にはニュージャージー州で記録され、以降、様々な農作物を食い荒らす驚異の害虫となって久しいのだという。

わが国でも、農業害虫として注意の対象とはなっているが、天敵生物が多いことからそれほど深刻な被害をもたらす害虫としては認識されてこなかった。
やはり、種々の生物がバランスをとりながら生息することが重要なのだ。

ところで、写真のマメコガネが取り付いて食べているのはマメ科のムラサキツメクサだ。
現在ではどこででも見られる植物だが、明治期に家畜飼料としてヨーロッパから持ち込まれた移入種である。

海を渡って悪さをしているマメコガネが、海を渡ってやって来たムラサキツメクサを食べている。
なんとも複雑な気持ちにさせられる画である。

20090803 ムラサキツメクサとマメコガネ(ヒロイド原)
NIKON D300 105MICRO

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2009年8月13日 (木)

後山の動物たち

20090813usiroyamanodoubutu

後山の自動撮影装置は、とある集落のすぐそば、人家からほんの20~30mしか離れていないところにも仕掛けてある。

6月末から7月末にかけての、僅か一ヶ月で撮影されたカット数はちょうど60カット。
ニホンカモシカ・タヌキ・アナグマが記録された。

アナグマもカモシカも、今春に生まれたと思われる子を連れている。

人間や飼い猫も使うこの道を、様々な野生動物が利用している。
この事実をこの集落の人々はどの程度認識しているだろうか。

様々な野生動物が生息しているということは、間違いなくこの村が誇る財産である。
けれど、ここに起居しない者が軽々しく“保護”を口に出すことは憚られる。
農作物や人身への被害と不安は決して軽視できる問題ではない。
仮に、それが誤解や勘違いを含むものであっても重く受け止める必要がある。

野生動物と人間のよりよい関係を築くためにも、様々な角度からの調査を続け、地域の方々へ還元することが必要だ。

写真上:20090628 写真下:20090727
自動撮影装置

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2009年8月12日 (水)

ミヤマカワトンボ

20090812miyamakawatonbo

川場村は、その名のとおり河川に恵まれた村だ。
村内に流れる川はすべてその源流を村内にもち、流量、水質ともに安定している。

上州武尊山の懐に立地し、豊かな森林が育む水が川の源となっている。

小学生たちにそんなことを肌で感じてもらいたくて、村を貫流する薄根川を訪ねた。

冷夏と長雨にたたられて、今年の川場村は昆虫がとても少ないように思う。
けれどこの日は久しぶりの快晴で、ポカポカと暖かな陽射しの中でミヤマカワトンボが日向ぼっこをしていた。

初夏から秋まで川辺をゆらゆらと翔ぶこのトンボは、“深山”という名のわりにはあまり奥深い山中には生息せず、低山を縫って流れる川でお目にかかることができる。

産卵時には雌が全身を水の中に沈め、水中に没した流木や朽ち木に産卵するため、三面護岸で覆われたような川では子孫を残すことができない。

全身が金属光沢をもち、とても美しいトンボだ。

20090805 ミヤマカワトンボ(川場中学校前・薄根川)
RICOH GR DIGITALⅡ

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こどもやまづくり教室(最終日)

20090812kodomoyamadukuri_2

8月7日、2009年夏のこどもやまづくり教室の最終日を迎えた。

この日は、朝から部屋の清掃をしたり、使った道具を片付けたり大忙し。

世田谷区からの参加者は、昼にはバスで川場村を後にしなくてはならないので、この日は片付けで手一杯かと思っていたのだが、みんなで頑張ったおかげで少しだけ時間に余裕ができた。

それではと出かけたのが、“川場村歴史民俗資料館”。
川場村の歴史を知ることも、大切な森林(やま)づくりなのだ。

かつて、真田昌幸・幸村親子が治めた沼田の城下を潤していたのが“川場用水”と呼ばれる川場から引かれた用水路であったことや、養蚕を中心としたかつての農業生産の様子。哀しい歌人、江口きちを輩出したのも川場村であること等々。
子ども達には不評かとも思ったけれど、意に反して興味深そうに見学をしていた。

資料館の見学の後は、列車のない川場村にいつかはと迎えられたSLの前で記念写真。

5日間の宿となった“なかのビレジ”戻って昼食を摂った後は閉塾式。
スタッフやリーダー達との再会を約束しながら、一人一人に修了証が手渡された。

この五日間で子ども達の中に何かが生まれただろうか。何かが育っただろうか。
ほんの少しでも、森林(やま)で過ごすことの愉しさを感じるお手伝いができていればよいのだが。

20090807 こどもやまづくり教室最終日

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2009年8月11日 (火)

こどもやまづくり教室(四日目)

20090811kodomoyamadukuri

こどもやまづくり教室の4日目は、お世話になった森林(やま)にお返しをしようということで、森林の生き物たちの住処づくりをおこなった。

木々が茂りすぎて暗くなってきたコナラの林の間伐をおこない、伐り倒した木は回りの落ち葉や枯れ枝と一緒に一所に積み上げた。
クワガタやカミキリムシ、それにカブトムシたちが卵を産みにやってくるだろう。

間伐は、たとえ細い樹木でもかなりの重量になるため危険な作業だが、日頃はきかん坊の揃いの参加者たちもこのときばかりは大人の言うことを真剣に聴いていた。
慣れないノコギリを手に、一生懸命だ。

午後は、沼田青年会議所の主催する“川の探検隊”のメンバーと合流して、互いの活動を報告しあったり、尾瀬高校の生徒さん達の指導のもとで川について考えるプログラムをこなしたりした。

夕方からは、みんなで一緒のバーベキュー。
川場村の特産品をふんだんに盛り込んだ特製ハンバーガーにも舌鼓を打ちながら、最後の晩を楽しんだ。

20090806 こどもやまづくり教室4日目

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2009年8月10日 (月)

カモシカの親子

20090810kamosikaoyako

後山のとある場所に設置してある自動撮影装置にニホンカモシカの母子が連日記録されている。

カモシカには“眼下腺”と呼ばれる臭いを出す部分があるが、この眼下腺が個体ごとに特徴をもっており、個体識別の一つの目安となる。
この個体(親カモシカ)は、眼下腺がぷっくらとよく発達しており、とても見分けやすい。

この春に生まれたであろう仔を連れて、所定のコースを巡回しているようだ。

上の写真は、乳をねだっているのだろうか。
母親に甘えるように鼻先を伸ばす姿がとても可愛らしい。

下の写真は、眼下腺を立木に擦りつけて“臭い付け”を行っている。
縄張りを主張する行動だ。

写真上:20090629 写真下:20090727
自動撮影装置

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こどもやまづくり教室(三日目)

20090810kodomoyamadukuri

こどもやまづくり教室の三日目は、前日に続いて川の生き物調査。
前の日は森林の中を縫う渓流に出かけたが、この日は少し下流に出向き、川幅も広い本流での活動となった。

子ども達と出かけた薄根川は、村立川場中学校前を流れているが、部活動帰りの中学生が校門から走り出るとそのまま川に飛び込んだりする。
都会ではあり得ないような川との距離の近さが羨ましい。

そうした環境が育むのだろう、川場村の子ども達の自然に関する知識の豊富さにはいつも驚かされる。

どういったところに魚が潜んでいるのか、捕まえ方のこつ、種類の見分け方。
本当に詳しく知っている。

部活帰りに飛び込める川が目の前にあることだけではない。
何世代にもわたって同じところに住み続けている者の強みもあるだろう。
親も、祖父母の代も、その前も、同じ川で遊び、同じ野山を駆け回った者達がもつ、地に足のついた力である。

世田谷区からの参加者にとっての最高の先生は、私たちではなく、川場の子ども達であるようだ。

何種類ものトンボが滑るように翔ぶなかで、前日とは違う生き物たちを参加者たちは見つけてくれた。

20090805 薄根川での生物調査

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2009年8月 9日 (日)

こどもやまづくり教室(二日目)

20090809kodomoyamadukuri

8月4日、こどもやまづくり教室の二日目だ。

この日の午前中は、森林(やま)の生き物調査。
蝶、トンボ、セミ、バッタ。
カエル、ヘビ、ヤスデ、ミミズ。
カブトムシ、クワガタ、カミキリムシ。
まだまだ沢山。

子ども達は、様々な生き物がいて森林(やま)が成り立っていることを感じてくれただろうか。

写真左上の子は、この日一番の宝物をゲット。
気の弱いお母さんが見たら卒倒してしまうかもしれない。
この子が見入っているプラケースには、ヘビの赤ちゃんが入っている。
左下がその拡大写真。
ジムグリの幼体だ。

午後には、渓流の生き物調査。
ちょっとの間、川の流れを変えて川干しをした。
水量のうんと少なくなった川底からは、森林にはいなかった生き物たちが見つかった。
イワナ、ヤマメ、アブラハヤ。
ヤゴ、カワゲラ、カゲロウ。
もちろんこちらも、まだまだ沢山。

森林があって川がある。
川があって森林がある。

20090804 こどもやまづくり教室二日目(中野地区)

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ネクタイ?マフラー?

20090809hujiduru

ヒロイド原を僅かに外れた森林(やま)の中で、不思議な光景に出遭った。
直径70~80cmはある山桜の大木に藤(ノダフジ)の蔓が巻き付いていたのだ。

一目見たときには、「あっ、樹がネクタイしてる!」と思ったのだが、同行者は、強面の俳優、○尾彬のトレードマークのようだという。
それもまた納得。

見ればみるほど可笑しい。

ちょっとズレてしまった褌にも見えてきた。

蔓性植物は、一般に蔓を巻く向きが決まっているものだが、この藤はどうしたものか、地際からねじ上がり、樹の右側に向かって伸びている蔓がそれまでとは逆方向に巻いている。

後ろに回ってみると、さらにまたこの二本が絡まり合っていた。

これまでに、森林(やま)の中で様々な光景を目にしてきたが、これほどの珍光景は初めてだ。

20090804 ネクタイをした山桜(中野地区)
NIKON D300 105MICRO

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2009年8月 8日 (土)

ハンノケンモン

20090808hannnokennmonn

10日ほど前の7月末日、ヒロイド原のオニグルミの樹で一匹のイモムシを見つけた。

漆黒の地色に黄色のストライプ。
羽根飾りのような装飾もおしゃれだ。

“ハンノケンモン”という変わった名前が付いた蛾の幼虫だ。
成虫(蛾)は、建物の明かりなどによく飛来する地味な蛾である。

好き嫌いがはっきりと分かれるタイプの虫なのだろうが、自然の造形の妙に賛辞を贈りたい。

20090730 ハンノケンモンの幼虫(ヒロイド原)
RICOH GR DIGITALⅡ

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こどもやまづくり教室(初日)

20090808kodomoyamadukuri

こどもやまづくり教室初日の様子。

前日(8/2)までの荒天とはうって変わって気持ちの良い天候となった。
まずは、これからの五日間のメインフィールドとなる“友好の森”のお散歩から。

どんな虫がいるか。
どんな鳥が鳴いているか。
動物の足跡はあるか。

泊まりがけで親元を離れるのは初めてで不安げな顔だった子も、森林(やま)に歩足を踏み入れると元気いっぱい。

晩ご飯を食べた後は、野生動物の専門家、東京農業大学の松林先生に川場村の野生動物についてお話をうかがった。
疲れていて、お風呂もご飯も済ませた後なので、部屋の中での講義は眠くなるかと思いきや、どの子も夢中で話に聞き入っていた。

野生の動物を観察するにはどうすればよいのか。
川場村にはどんな動物が棲んでいるのか。
様々な動物の雄と雌の違い。

実際に川場村で撮った写真を見せていただきながらの講義は大成功。
子ども達は、大人に言われなくてもメモをとりながら聞き入っていた。

森林(やま)に棲む仲間達に子ども達は興味津々であった。

20090803 こどもやまづくり教室(初日)

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2009年8月 5日 (水)

こどもやまづくり教室(中間報告)

20090805nakanobireji

世田谷区民健康村の“なかのビレジ”を拠点に、2009年夏のこどもやまづくり教室を開催している。

川場村と世田谷区の双方から小学校4~6年生を迎えて賑やかに川場村を堪能中。
天候にも恵まれ、森林(やま)に川に子ども達の元気な声が響き渡っている。

今回の教室は8月3日~7日の4泊5日。
5日間をとおしたテーマは“川場の生き物”だ。

子ども達は、ヘビにカエル、蝶やトンボ、イワナにヤマメ、次々とゲットしている。
様々な環境によって生息する生き物が異なることや、多くの生き物たちがいて初めて安定した森林環境が成立することなどを実感してほしいと思っている。

子ども達との楽しい教室も、今日で折り返し。
後半も楽しみたい。

20090804 なかのビレジの外観
NIKON D300 105MICRO

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2009年8月 2日 (日)

ふるさと区民まつり

20090802kuminnmaturi

昨日(8月1日)から本日にかけて、世田谷区の“ふるさと区民まつり”が馬事公苑前けやきひろばで開催された。

1978年の第1回開催以来、今回で32回目となるが、近年では、毎年40万人近い人々が訪れる盛大なお祭りだ。

世界でも有数の人口規模を誇る世田谷区だけあって、姉妹都市提携などの交流を行っている自治体を国内外に数多くもっているが、やはりなんといっても川場村との提携は飛び抜けて充実している。

今年の祭りにも、川場村から多くの見知った顔がやってきて、地ビールや取れたての新鮮野菜などの販売を行った。
もうすっかり常連さんもできていて、売り子との間の会話も楽しげだ。

私たちの森林(やま)づくり塾の卒業生達にも、会場で再会することができた。
森林(やま)づくりの輪が広がることは本当に楽しいことである。

20090802 ふるさと区民まつり(世田谷区馬事公苑前)
RICOH GR DIGITALⅡ

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ヤマジノホトトギス

20090802yamajinohototogisu

薄暗い林縁でヤマジノホトトギスが静かに咲いていた。

エキゾチックな雰囲気さえ見せる特徴的な花だ。
わが国にもこんなに風変わりな花が自生しているのかと驚かされる。

ヤマジノホトトギスはユリ科の多年草。
山野の樹下や林縁部などの、あまり陽の射さないような環境に育つ植物だ。

カッコウなどと同じ仲間のホトトギスという野鳥がいるが、この鳥の胸部の模様に似た斑が花にみられることから“ホトトギス”の名が付けれられている。
ホトトギスの仲間は、日本、台湾、朝鮮半島などの東アジアに19種が分布するが、このうちの13種がわが国に自生している。

写真の個体には7月31日に出遭ったのだが、私が川場村で確認した中では最も早い開花だった。
これまでは、早くとも8月中旬にならなければこの花にお目にかかることはなかった。
この日も、開花前の株は近辺に多くみられたのだが、開花しているのはこの一株のみであった。

明日、8月3日~7日まで、世田谷区と川場村の子ども達を参加者に迎えた森林(やま)づくりの教室を開催する。
森林(やま)が好きで、森林(やま)を大事に思うことができ、なおかつ、確かな知識と技術をもった子ども達を育てることに、少しでも役に立てればと思う。

20090802 ヤマジノホトトギス(後山)
NIKON D300 70-300

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