ムモンアカシジミ
ヒロイド原の一画に“ひれーど・がるてん”というハーブ畑がつくられている。
地域の農家達が来訪者を迎えるために作った畑だ。
ここでは、多種多様なハーブが栽培されているが、蝶の好む花を咲かせる種類も多く、絶好の観察ポイントとなっている。
この日は、川場村では初見の“ムモンアカシジミ”と出遭うことができた。
群馬県の絶滅危惧Ⅰ類に指定されている蝶だ。
群馬県の指定する“絶滅危惧Ⅰ類”とは、「絶滅の危機に瀕している種」を指している。
幼虫は、ミズナラやコナラなどの葉や、そこに来るアブラムシやカイガラムシなどを食べて育つ雑食性である。
シジミチョウの仲間は、幼虫時代にアリの好む甘い汁を分泌し、その代償にアリに守ってもらうという巧妙な成長過程をもつものが多いのだが、本種は、その中でも進化した種であるのか、甘い汁さえ出さずに臭いだけを発し、アリに守ってもらっているちゃっかりものである。
成虫は、雑木林の木々の樹冠上を翔び回ることが多いため、なかなかお目にかかることはできない。
長く川場村に通っているのに、今年になって初めてお目にかかることができたのは、偶然なのか、冷夏の影響なのか、はたまた森林(やま)づくりの成果なのか、気になるところである。
卵で越冬し、成虫には盛夏の季節のみ出遭うことができる。
20090819 ムモンアカシジミ(ヒロイド原)
NIKON D300 105MICRO
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