ツリガネニンジン
以前、キク科のオケラについて「ヤマで旨いはオケラにトトキ…」と詠われる、ということを紹介したが、本種がそのもう一方のトトキである。
トトキとは、ツリガネニンジンの古称である。
花が鐘楼の釣鐘に似ていて、根が朝鮮人参に似ることから現在の和名が用いられるようになった。
春先に出る若い葉をお浸しにしたり、ヨモギの葉とともに胡麻和えにするなどして食用に供される他、汁の具、卵焼き、油炒めなどにもする。
また、根も、きんぴら、和え物、粕漬け等に用いられる。
これほど、全国津々浦々で食卓を飾るものは珍しいといわれるほどの山菜だ。
また、根にはサポニンやイヌリンを含み、“沙参(しゃじん)”という名の生薬としても有名だ。
内服薬としては、咳を鎮め、痰をきるなどの他、外用薬としても疥癬症などに用いられてきた。
キキョウ科の多年草で、林縁などの比較的明るいところで可憐な花を楽しませてくれる。
ツリガネニンジンの花は、もう秋の入口に入ったことを教えてくれる。
20090819 ツリガネニンジン(ヒロイド原)
NIKON D300 105MICRO
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