翅の表裏
昆虫の図鑑を開くと、蝶の翅について「裏は地味な灰色、表は空色」などと解説されている。
分かりにくいことこの上ない。
蝶が翔んでいるときには、羽の模様までじっくりと観察することは難しいので、どうしても花などにとまっているときに見ることになる。
蝶の多くが、とまっているときには翅を閉じているので、つまりは、蝶が翅を閉じているときに見える側を見る機会が多いということになる。
よく目にする側を“表”とするのが普通の感覚ではないだろうか。
けれど、蝶の場合は逆なのだ。
翅を開いているときに見える側が“表”、閉じているときに見える側を“裏”としている。
写真の蝶は“ルリシジミ”。
“ヤマトシジミ”などと並んで、とてもポピュラーなシジミチョウである。
雑木林の側の草原などでお目にかかることが多い。
翅の裏面は、写真のように灰色の地味な色彩に、ややぼやけたような黒斑が並ぶが、表面はまさに名前のとおり瑠璃色の鮮やかな色彩をもつ。光りの加減によっては落ちついた金属光沢を放ち、とても美しい。
幼虫は、様々な植物の花びらを食べて成長し、食べた花びらによって体色も変化するという、なかなかお洒落な蝶なのだ。
20090903 ルリシジミ(門前地区)
NIKON D300 105MICRO
※このブログが本になりました。→『森林づくりの四季』
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