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2009年10月16日 (金)

ひこばえ

20091016kousinn_2ヒロイド原の一画に“カブトの森”と呼んでいる森林(やま)がある。

17年ほど前に、地上部の長さが50cmほどのコナラの苗を運び、スコップと唐鍬で一本一本植え付けた。
その後も、成長の段階に併せて下刈りをしたり、間伐をしたりしながら今日を迎えている。

成長の早いもので、太さは20cmあまり、高さは6mほどになっている。

林内には、間伐の際に得られた枝葉や樹幹を数カ所に積み上げ、カブトムシを始めとする様々な小動物の繁殖場所としてきた。

その甲斐あって、数年前からカブトムシやクワガタが増え、そうした虫を狙って野鳥や哺乳動物も訪れる楽しい森林(やま)に育ってきた。

一週間ほど前にカブトの森を訪れると、切り株から新しい芽が萌えだしているのが目に入った。
今年の夏に、川場村と世田谷区の小学生たちが行った間伐の名残の切り株である。

一般に、ナラの仲間は地際から幹を伐採しても、切り株から新芽を出す力が強い。
こうして出た新芽を“蘖(ひこばえ)”という。
林学の専門用語では“萌芽(ぼうが)”と呼ばれている。

蘖は、種から芽生えた新芽(実生)に較べると成長が随分と早いのが特徴だ。
幹を伐採される以前に大地に張った根の力で成長するからである。

けれども、伐採を夏に行った場合は、切り株に雑菌や虫などがとりつき、根株自体を弱らせてしまい、蘖を生やさないことが多い。
そのため、里山の管理を行う場合は冬に伐採を行うのが一般的なのである。

写真は、夏季の伐採にもかかわらず、生命力たくましく蘖を生やした株なのだ。

これから迎える冬を乗り切れば、春には旺盛な成長をはじめることだろう。

20091011 コナラの蘖(ヒロイド原カブトの森)
NIKON D300 70-300

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コメント

シルクさん!
こんばんは!

“蘖”、実は私も書くことができません…
でも、字の感じがいかにも“ひこばえ”だなあと思いまして。

教室の参加者の方々に、この蘖を見ていただき、いろいろと話をさせていただきました。
皆さんの表情が柔らかなったことを嬉しく思いました。

投稿: くま | 2009年10月17日 (土) 23時56分

くまさん こんばんは!


伐採された幹から出ている新芽の生命力も去ることながら、日本には「ひこばえ」なる難しい漢字があることにも驚かされました。


酔った私の頭のメモリーカードには、到底記憶できそうにない漢字です…

投稿: シルク | 2009年10月17日 (土) 00時14分

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