コバネイナゴ
秋の深まりとともに、川場村で出遭うことができる昆虫が少なくなってきた。
そんな中で、冬の訪れギリギリまで目にすることができるのがこのコバネイナゴだ。
イナゴは、漢字で書くと“稲子”
文字どおりイネ科の植物を食べて育つ。
当然、イネの害虫としての悪名も馳せてきた。
出穂直前のイネに、一株あたり0.8匹以上のイナゴがいると米の味や収量に影響が出るといわれている。
北海道から南西諸島まで広く分布する昆虫だが、戦後から使用量が激増した農薬の影響でその数を減らし、現代の若い農業者はイナゴがイネの害虫であることを知らない者も少なくないようだ。
最近では、休耕田の増加や農薬の使用量を控える傾向が強まったために再びその数を増やしつつある。
土中に生み付けられた卵で越冬し、5月中下旬に孵化。
7月くらいには成虫となる。
佃煮などにもなり、農山村の貴重なタンパク源となっていた昆虫である。
到来が予想されている深刻な食糧難に際して“昆虫食”の見直しが検討されているが、さしずめこの虫などはその筆頭候補だろう。
20091017 コバネイナゴの雌雄(中野地区)
NIKON D300 105MICRO
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コメント
こにタンさん!
こんにちは!
そうですね。
あの頃の日本は最悪の環境だったように思います。
様々な方々の努力は、決して無力ではありません。
農林業や自然を護る仕事のただ中にいると、自分たちの行為が蟷螂の斧のように感じることも多いのですが、部分的にではあれ、好転している部分もありますよね。
何かに付け、私もすぐに“どうやって食べよう”などと思ってしまう一人です(^-^;
投稿: くま | 2009年11月 9日 (月) 22時42分
私が小学生の頃(昭和40年代後半)には、田んぼでイナゴの姿を見た記憶がありませんが
最近は、たくさん見られるようになりましたね。
先日、河原の草むらでたくさんのコバネイナゴを見ました。
もう大分くたびれた感じで、後ろ脚が欠けた個体も少なくなく、
佃煮の前処理の手間が省けそうだねぇ などと思ってしまいました(^^;)
投稿: こにタン | 2009年11月 9日 (月) 19時50分