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2009年11月27日 (金)

野生動物とのつき合い

20091127kumatyuui

川場村にはクマがいる。
世界的には、アジアクロクマに分類されているツキノワグマである。

野生動物の調査のために仕掛けてある自動撮影装置(センサーカメラ)にも、ときどき記録されている。
自動撮影装置の記録によれば、早朝と夕刻に活発に活動をしているようだ。

早朝はともかく、夕刻は、かつて“逢魔刻(おうまがどき)”と呼ばれていた。
読んで字のごとく、“魔に逢う時間”である。
日中の明るさに慣れた目が暗さに対応できず、事故などが起きやすい時間帯だといわれており、実際に交通事故なども多発する時間だといわれている。

自然がごく身近にあったかつての生活でも、道を踏み外したり、植物の棘で目を突いたりと、注意を要する時間帯だったのだろう。
そして、そのなかには、野生生物との不幸な接近遭遇も含まれていたに違いない。

河童に“尻こ玉”をぬかれたり、幼い子が神隠しにあったりするのもこの時間帯が多かったようだ。
河童の話は、川の中の急流や深みに気付かずに溺れることに注意を喚起することに加え、水場にやってきた野生動物との不幸な遭遇を避ける智恵だったのかもしれない。
また、神隠しは、農作業の最中に田畑の傍で遊ばせていた幼児が、野生動物によって連れ去られ、食べられてしまうような事故があったからだと考えられている。

林業者や猟師など、森林(やま)を仕事の場とする人々が、仕事は異なれど必ず柏手を打ってから森林に入っていくのも、野生生物との不幸な接近遭遇を避けるために、人間の存在を報せる行為であったように思う。

もうすぐクマたちが冬眠に入る頃になった。
冬眠前のクマたちは、厳しい冬を乗り切るために栄養を付けることに懸命で、人里にもおりてくる。

クマの存在は、豊かな森林(やま)の証明である。
クマを護りつつ、事故や被害を減じていくのも、森林(やま)づくりに関わる人間の責任である。

20091120 熊出没注意の看板(21世紀の森)
NIKON D90 70-300

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